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乗越たかおダンスマガジン評論集 【お試し版】 21

本書は2013年11月号から、2023年3月号までダンスマガジン誌(株式会社新書館発行 https://www.shinshokan.co.jp)に掲載された乗越たかおの舞踊評論をまとめた「集成版」のお試し版です。

1パックに評論が4本入って各300円とお値打ち価格で、気になる演目だけ読むのも可。第一弾は全21+1パックのラインナップで約10年間の流れがわかります。

※無断複写・転載を禁じます。この資料は、許可なく公開、書き換え、または再配布することはできません。

他の「お試し版」一覧はこちらから。

86本全てと特典評論4本収録のお得な「集成版」はこちら。

水中めがね∞『GOOD COW 権』


(初出 ダンスマガジン 2022年10月号 約1200字)

 昨年横浜ダンスコレクションのコンペティションⅠで「審査員賞」の他「在日フランス大使館賞」など3冠を受賞し注目の中川絢音率いる水中めがね∞。今作は中川を含め17人のパフォーマーが出演した。

 冒頭から強いビートの音楽に合わせて一階と二階で激しいダンスが展開する狂騒的なシーンのあと、「変なヤツ」が現れる。だぶだぶの緑のシャツを着て、通常の頭の位置より約1メートルほど上に発泡スチロール製の頭部がついている。胸の部分が異常に長くバランスがおかしいのだが、無音の中、ひとしきりコミカルな動きを続ける。

 パンフでは魚の群れを描いた絵本の話を引いて、「集団の中での異形な存在は、リーダーなのか仲間はずれなのか」「異形は異形として生きるしかないのか」という主旨の問いかけがある。

 この「変なヤツ」は皆と同じ振りを踊ることもない。やがて頭部を外して皆と同じ体型になるのだが、マットを敷いて待ってくれている「普通の人々」のもとに飛び降りても、彼らは一斉に逃げていく。これより前の「普通の人」が飛び降りるシーンでは、皆で同じ動きをして一体化したのに。

 本作の変わったタイトルは

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4,772字

¥ 300

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