本書は2013年11月号から、2023年3月号までダンスマガジン誌（株式会社新書館発行　https://www.shinshokan.co.jp）に掲載された乗越たかおの舞踊評論をまとめた「集成版」のお試し版です。

1パックに評論が4本入って各300円とお値打ち価格で、気になる演目だけ読むのも可。第一弾は全21+1パックのラインナップで約10年間の流れがわかります。

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Noism『劇的舞踊　カルメン』

　（初出　ダンスマガジン　2016年5月号　約1000字）

　プロフェッショナルなダンスを標榜し追求してきた金森穣が、「劇的舞踊」と銘打って2014年に上演した『カルメン』の再演である。Noismの１と２が総動員で演じる大作だ。内容が整理され、作品全体にリズムが増して物語がより深く描かれる。しかもその「わかりやすさ」が、「説明」によるのではなく、すべからくダンスの充実によるものであるところが素晴らしい。