『バンナム』という単語の病

「バンナム」と聞いて

「バンナム」という言葉を聞いて、大体の人は大手娯楽企業である「バンダイナムコ」を連想するだろう。

しかし、どれだけの人が正確な連想が出来ているだろうか。

「バンダイナムコ」と名前の付く会社は持株会社であるバンダイナムコホールディングス(以下、BNHD)を含め、同社公式ホームページに記載があるだけで20社存在する。
海外子会社を含めればその数はさらに膨れ上がる。

そもそも、BNHDは2005年に玩具会社「バンダイ」とゲーム会社「ナムコ」が経営統合し新たな持株会社として設立された。
バンダイとナムコ(バンダイのゲーム部門を吸収しバンダイナムコゲームスへ社名変更)はBNHDの子会社となった。

「バンナム」が悪いのか?

バンダイナムコグループは巨大娯楽企業であり、数々のコンテンツ・知的財産(IP)を抱えている。
各コンテンツには熱心なユーザが多数存在するが、こういった分野においては良い話題よりも悪い話題のほうが盛り上がりがちである。
ことあるごとに「バンナムがー!」「バンナムが悪い」「バンナムは最低だ」と揶揄される。

もちろん、企業である以上は一般ユーザより非難されること自体はあり得る。
しかし、冒頭に書いたように「バンナム」という会社を批判している人達は、本来自分が批判をしなければならない「バンナム」を正確に理解出来ていない。

例えば、2023年3月に人気Vtuber「ミライアカリ」が突如引退を発表した。
ミライアカリはバンダイナムコミュージックライブが運営する「GOOM STUDIO」の所属であった。

同時期にバンダイナムコエンターテインメントのIPである「アイドルマスターシリーズ」においてLive配信をテーマとした新プロジェクト(ヴイアライヴ)が予告されており、「アイマスでVTuberをやろうとしているバンナムが人気VTuberを潰した」などの批判が一般ユーザよりされた。

一般ユーザからすれば同じ「バンナム」に見え、またネットの世界ではことあるごとにやり玉へあげられる「アイマス」への批判も併せてプチ炎上の様相だった。

バンダイナムコミュージックライブはバンダイナムコアーツにバンダイナムコライブクリエイティブとサンライズミュージックが吸収合併される形で2022年に誕生した会社であるが、そのルーツをたどればランティスやバンダイビジュアルなど、バンダイ系列の会社であることがわかる。

一方でアイマスを手掛けるバンダイナムコエンターテインメントは冒頭のバンダイナムコゲームスが2018年に社名を変更した会社であり、ルーツをたどれば本家本元の旧ナムコへたどり着く。

つまり、バンダイナムコミュージックライブとバンダイナムコエンターテインメントでは同じグループで同じ「バンダイナムコ」を冠する会社ではあるが、ルーツもスタッフも全く異なるのである。

しかし、それを理解せずにただネット上の炎上に油を撒きたいだけの愚か者たちは「バンナム」というくくりで煽りをいれ、批判を繰り返す。

最後に

「バンナム」という言葉で麻痺しているかもしれないが、バンダイナムコグループには数多くのスタッフが在籍しており、日々コンテンツをユーザへ届けるために努力をしている。

ビジネスの観点で言えば、コスト的にそこまでしなくても良いと思えるようなことされているコンテンツもある。

せめて批判をするなら、しっかりとその相手先を見極めて適切に批判してもらいたいものだ。



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