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嬉しいのに泣けるとき・SFに学ぶ感情

『スタートレック7・ジェネレーションズ』を20年ぶりに観た。
この映画は長い歴史のあるスタートレックの、ファーストシリーズとセカンドシリーズをつなぐ役割を持つ。
ファーストシリーズは23世紀が舞台。テレビドラマを3年間やったあと、6本の映画になった。
セカンドシリーズは24世紀が舞台。キャストを一新してテレビドラマを7年やった。
そしてこのジェネレーションズが、スタートレック映画の7作目であり、セカンドシーズンの映画1作目だった。

新旧の艦長が協力して銀河を揺るがす大事件に挑む熱くなる展開、なのだが20年ぶりの鑑賞で僕が一番熱くなったのはそこではない。
セカンドシーズンの主要キャラクターにアンドロイドがいる。その名もデータ少佐。
データは人間になりたいアンドロイド。おとぎ話のピノキオをSFに置き換えたキャラクターだ。
この映画でデータは自分の電子頭脳に『感情チップ』を埋め込む。
まるで人間のように感情を持つことができる機能だ。

これまで感情に左右されず、どんな危機に直面しても冷静に任務を果たす頼りになるクルーだったデータ。
しかしこの映画では興奮や恐怖という感情をコントロールできずに、任務に支障をきたす。
それでも人間になろうとするアンドロイドを人間のクルー達は暖かく見守る。
映画の最後でデータは自分の『感情チップ』が故障したと言う。
なぜなら嬉しいのに泣けてしまうからだ。

それを聞いた船医は答えた。
「あなたは正常よ」
データが故障したと言ったのは、事故に巻き込まれて死んだと思っていた飼い猫が生きて見つかった時。
彼はその猫を抱きしめて涙を流していたのだ。
人間以外の存在から人間を教えてくれる。だからSFはやめられない。


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