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10代の生きづらさを抱える子たちと「否定せずに関わる」を実践する方法

日常的に僕にはLINEやTwitterなどから10代で生きづらさを抱える子たちから連絡がくる。不登校や高校中退で家にひきこもっているけれど、どうすればいいのだろうか。これからどうして生きていけばいいのだろうか。現在の状況や将来に対しての不安など様々な連絡がくる。

僕自身は認定NPO法人D×Pの代表を務めていてこれまで4000人近い高校生たちに孤立しないための繋がりづくりや就職、住居など様々な面でサポートしてきて動いてきた。そういったところから知見が溜まってきたし、僕がやってきたことが様々な大人たちが10代に接していくときに使えるようにここにまとめようと思う。

【否定せずに関わる】


普段、僕たちは年下の世代とかに対してや会社の後輩と初めて会った時から簡単に「お前、そんなのダメだろ」みたいなことを言っていないだろうか。「そんな生き方しているから、人生ダメなんだろ」「もっとまともに生きろよ」みたいに伝えていないだろうか。ちょっと胸に手を当てて欲しい。

だいたい初見で会った大人にそんなこと言われたら、その年下の世代や後輩は萎縮するだろうし、その人のことを信頼しないだろう。

特にだけど、不登校や高校中退の経験がある10代の子たちと接してきたが、彼らは大人に対する不信感が非常に強い。「大人とはクソ」みたいなことを言われることもあるが、学校に行かなくなった原因に先生への不信感、親との関係性など様々な経験をしてきて大人の対応に不信感を持っている。また、高校生になりアルバイトも「しなければいけない」家庭環境だったりもしてアルバイト先でひどい対応をされることもあるので、大人に対しての不信感はより普通の高校生よりも多い。

そんな中で認定NPO法人D×Pは高校での単位認定されている授業を持っているため、授業に継続的に入っているのだが、そのときに大切にしている一つの姿勢は「否定せずに関わる」だ。

「否定せずに関わる」というのは確かに難しい。僕も腹が立つ態度や言動など取られた時はコミュニケーションが体育会系の部活にいたため、イラっとくる時がある(今は顔にも出さないが、昔は確かにイラっとした時もあった)。しかし、それを言葉に出さず、ぐっと飲み込み、待ってみよう。「おい、授業にお前らなんていらないよ」みたいなことをいわれても、「まぁまぁ」といってそのまま続けていく。小さなグループになって「いや、おつかれ」とコミュニケーションを続けていく。

こんな具体例があった。通常、D×Pの「クレッシェンド」と呼ばれる授業のプログラムは90分、最低4回はあるので1ヶ月以上大抵の場合続く。それで、1回目の授業で「お前、くるんじゃねぇよ」と僕に面と向かって言ってきた生徒がいた。

彼はグループワークにも加わらず、ただ音楽を携帯で聞いているだけ。僕が「仕事、おつかれさん!名前なんていうの?」と聞いても「お前には教えねえよ」と言って語らない。

しかし、1回目の授業でアイスブレイクが終わったあと、僕は自分の昔のひきこもりだった経験を語る。彼はひとりだけ遠くにいたが、わざと彼に目線も配りながら聞こえるように話す。それで授業は無事に終わったが、なんとなく彼は興味を持っているように見えた。

2回目の授業も同じだったが、明らかに態度は変わっていた。話をしようという姿勢が少しずつ出てきて3回目の授業ではついにグループワークに参加するようになってきた。まだ、この時点では名前は言わなかった(かわいいやつだったw)。

そして、4回目の授業は最後に「ユメブレスト」というワークがある。みんなが縁になって夢じゃなくて「これからのありたい姿」を自分で絵に描き、話す授業。そのときに彼は他にもやる気のなさそうな生徒もいたのだが、「おい、最後だから、みんなでやろう」と話して、少し不良っぽい生徒たちのことも巻き込んでくれるようになった。

ここで重要なのは、言葉にしない、注意・指摘しない、というのは「否定せずに関わる」の重要な関わり方のひとつだ。1回目の授業で僕が「お前、その態度だめ」みたいなことを言ったら、授業を進めていくことは非常に難しかっただろう。重要なことは、その子と信頼関係を作るまでは指摘しない、急にアドバイスしない、そんな「待ち」のコミュニケーションも非常に効果的な手段の一つなのだ。

「否定せずに関わる」は実現するのはもちろん難しい永遠のテーマでもある。少年犯罪、薬物、夜の仕事など相談されることだってある。そのときに一気に否定するのではなく、話してきたのにはそれなりの事情がある。自分にしか言っていないかもしれない、話している大人がいないかもしれない、そのときに「なんでそんなことやっているんだよ」みたいな攻め口調で言っても、何も解決にはならないのだ。

受け止めることが必要なことも多い。これはオンラインで相談されるときも「否定せずに関わる」は実践的に使える。僕たちはよく「教えてあげる」「年上だからアドバイスする」など自分の立場に立って関係性もできていないのに何か話そう、言葉にしよう、ということをいつも考えがちだが、それは10代の生きづらさを抱える子たちにとっては意味もない、もしくはマイナスになる可能性もある。

だから、「待つ」「言葉にしない」、もしくはその場にいるだけ、でもいいかもしれない。問いを残し、そして話を聴きながらその子が次に何をすればいいのか、を一緒に考えて明確にしよう。

また、支援は大抵の場合、明確にしたとしてもなかなか難しいケースも多い、常に株価の上がり下がりのように波がある。でも、人には自助能力があり、波はあるが、方向性を立てネクストステップ、もしくはアクションを作ってあげることによってその子の状況改善に繋がっていく。

次は具体的にどのように支援ができるのか、D×Pとしての方法を書こうと思う。

あと、これを機会にぜひうちのサポーターグループに。認定NPO法人D×Pは月額の寄付のサポーターによって支えられている。

facebookのサポーター限定グループでは様々な情報が公開されているので、ぜひ入って欲しい。URLから月額1000円で登録できるので、ぜひ。

それでは、また。

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今井紀明

認定NPO法人D×P 理事長 http://www.dreampossibility.com/

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