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「働きたくない」でもいい

定時制高校の相談室に去年から僕は通っている。経営者でもありながらも現場で高校生と接したいからだ。

ライブラボという相談室で就職の悩みや起業、クラウドファンディング、身に付けたいスキルとかの話まで相談に乗る。当然だが、最初からそんな話にはならない。高校生がきて、

「よ、のりさん!元気?」

「当たり前やん」

とか言って、趣味の話とか嫌なことの話だったりとかして何度か話していくうちに相談されていく。最初からそんな話はせずに対話して仲良くなってきて話すようになっていく。

写真 相談室の前に置いてある看板 今年は綺麗になった!

そんな中、冒頭のTwitterの投稿で書いた通り、よく

「のりさん、働きたくない」

と聞く。でも、僕の対応は書いた通り。高校生も受け入れられてびっくりする。

当然ながら、僕は普通に働くこと、アルバイトすること、正社員になることを否定していない。うちは高校生たちを就職させることもあったりするし、実際にかなり多いケースでアルバイトやインターン、正社員になることが大きなその子にとってのステップ、成功体験になってきた。

でも、実際にそれに向いていない子もいる。アルバイトを高校1年生の最初からせざるを得なくて働いてきた子は労働に対するイメージが極端に悪いことが多い。親のためだったり家庭のために働いているからやめることができない。店長やスタッフに嫌な想いをさせられながら働いている。高校生をアルバイトで受け入れてくれる会社も限定されているため、そういったことも多いと僕は感じている。

そんな子にさっきのような対応をしていくと、「のりさん、実は私、こんなことしたいんだ」みたいな話が出てくる。だから、僕は

「そしたら、アルバイト以外で稼ぐ方法見つけてみるか」

「どんなのがある?難しいでしょ?」

「いや、今話していたそのやってみたいこと、クラウドファンディングでやってみないか?」

「え、なにそれ」

僕はすかさずスマホにいれているpolcaのアプリを見せて中高生たちの成功体験を見せてみる。

「私もやってみたい」

そんな高校生が出てくる。その子は自分で文章を書いたり、タイトルを書いてpolcaでクラウドファンディングを始める。僕はその子の最初の支援者になる。300円、金額は小さいかもしれないけど、その子にとっては大きなステップになっていく。応援される経験というのはその子の成功体験になっていく姿を何度もみてきた。


「働きたくない」は強みになるかもしれない


「働きたくない」

は普通の気持ちだ。でも、みんな今の時代、無理して働いているかもしれない。重要なのは今、「働きたくない」という気持ちは自分の純粋なやりたいことに向き合えることであり、それをお金に変えられるチャンスをテクノロジーやSNSが作る時代になってきたということだ。

経済的に厳しい、うちの高校生たちでいうとみんな高校中退、不登校など様々な苦境を経験している。だけど、その子たちにとっても大きなチャンスにもなっているのが今の時代なのだとも思う。支援のあり方次第で、その子の道が変わっていく、そう現場で実感している。

別に僕は就職をさせることも進学をさせることも否定しているわけではない。むしろ僕のNPOでは実績を出してきた。だからこそ、僕は語りたい。それ以外の道があるっていうことを。

「働きたくない」

そんな若者を見つけたら、今度は肯定してあげよう。

そこから何か道が開けるかもしれない。

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