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悲しみの中にある幸せを僕は初めて知った

「いや、まあ、いいじゃないかい!!!」と祖母は言った。高校時代、僕が3年間昼ごはんを抜いてお金を貯めていたことを卒業する直前に打ち明けたら、笑いながら言った言葉。母は愕然として、しばらくしたら顔を真っ赤にして怒り出したのだが、祖母は笑っていた。

そういえば、小学校の時に絹豆腐と木綿豆腐を買い間違えて怒られた思い出もある。NPOを創業するときも「身体だけは気をつけてね」と言いながら家族と応援してくれた祖母。


今日は札幌の実家で祖母の一周忌だ。


98歳で亡くなったときに僕たちは家で告別式など全てやった。棺に祖母の身体を持ち上げた。身体が軽かった。「おばあちゃん、ゆっくり休んでね」とみんなが泣きながら語った。悲しみの中に幸せもあるんだということをそのときに僕は初めて知った気がする。

大正時代から生き残り、戦争を体験し、空襲でも生き延びた。祖父は南の島で亡くなった。そこから再婚し、母が生まれ、僕が生まれた。強く生き残った祖母の血は僕に流れてる。

今日、札幌に来れた。晴れた日。雪解けが今年は早く、ふきのとうが芽を出そうとしていた。時間は過ぎ去り、記憶は残る。祖母のことはこれからも語り継ぎたい。

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