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「機械脳の時代」は始まっている

AI(人工知能)、機械学習、ディープラーニング(深層学習)、シンギュラリティ、RPA*、それからIoTにビッグデータ、データサイエンス、などなど、IT絡みのバズワードには事欠かないわけですが、こうした近年に起きている事象やトレンドをひっくるめて、今の時代に名前をつけるとしたら。

*Robotic Process Automation


私の所属の一つ(社)日本データサイエンス研究所の代表理事の加藤氏によるこの本を読んで、なるほど「機械脳の時代」というコンセプトは、今の時代に起きている変化を良く表しうる表現なのかもしれない、そんな感想を抱きました。

ドワンゴの川上さんが、

人間が外の何かに支配されるという状態をシンギュラリティというなら、それは社会が誕生したときからもう起こっている。人間は、人間が社会をコントロールしていると思っているが、実際、ほとんどできない。

と仰っていましたが、世の中の経済システムや法制度は人工物でありながら、人間はうまくコントロールできていないし、IT化やネットワークビジネスの進化はまだまだ道半ばで、そこにディープラーニングというAIの最終兵器みたいなものが加わったと考えるのが自然かもしれないと。特にビジネスにおいてはそうだと思います。

科学的に若干厳密さに欠けた表現が散見されるものの、ある種の天才である加藤エルテス聡志氏によって、多数の事例を踏まえ、コンサル的なビジネスサイドから最先端のテック系まで、多くの天才ではない人にとっての実用・実践を重視した本になっています。

特に特徴的なコンセプトは、天才データサイエンティストよりもビジネスサイドをリードできる「チーム」の重要性を説いていることで、そうしたチームを運用する上でのフレームワークがわかりやすく紹介されています。あと、"あるある"の開発現場における禁句集も面白いです。

紹介されている事例は、コマツや日立など有名なものも含まれていますが、映画の興行予測を行う英国のエパゴギクス社の解説はあまり読んだことがなかったので、一読に値するかと。




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