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キャリアコンサルタントって何する人?

突然ですが、キャリアコンサルタントってご存知でしょうか。キャリアコンサルタントという名前から、キャリアについて相談に乗ってくれる人なのかなという印象はあるものの具体的に何をするのかはよくわからない人が多いのではないかなと思います。

実際に、私が以前、80人を超える働く人にアンケート調査を実施したところ、およそ60%の人がキャリアコンサルタントについて「名前は知っているが何をしているのかはわからない」と回答しました。(ちなみに「名前も内容もよく知っている」と答えてくれた人は20%、「知らない」と答えた方もほぼ同数でした。)

キャリアコンサルタントとは何をする人なのか

では、キャリアコンサルタントとは何をする人なのか。職業能力開発促進法では、以下の通りキャリアコンサルティングを定義しています。

労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び交渉に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと。(職業能力促進法 第二条5項)

他のキャリアコンサルタントを定義する条文も含めて、要約すると、「キャリアコンサルタントは、資格を持って、キャリアコンサルタントと名乗り、働く人のキャリア(キャリアプランを含む)や自己成長について相談に乗り、助言や指導をする人」となります。

社会の中で自分らしく活躍するための支援をする人

厚生労働省のキャリアコンサルタントの定義をもう少しかみ砕いてみました。私の中でのキャリアコンサルタントとは以下のような人です。

働いている人、これから働く人に対して、「働くこと」や「スキルアップ」に関する相談に乗り、社会の中で自分らしく活躍するための支援をする人

キャリアアップに向けたアドバイスというよりも、クライアントさんが自分の特性や強みなどをよく知ること、働きがい・やりがい・好きなことを改めて見つめ直すこと、その結果、自分らしく活躍することを隣でサポートするイメージです。

キャリアコンサルティングって何をするの?

では、クライアントさんのサポート役のキャリアコンサルタントが行うキャリアコンサルティングとは何でしょうか。

カウンセリングなどを通して、クライアントさん自身の働くことに対する価値観や自分自身の強みなど「自分を知るサイクル」を回す場のことだと私は考えています。

以下の図は、私なりの「自分を知るサイクル」を図解したものです。ディビット・コブルの「経験学習モデル」をキャリアコンサルティングに当てはめて考えました。

キャリアコンサルティング

1:いろんな経験をする
日々の生活や仕事の中での経験のことです。経験を通して自分の抱く感情や気持ちを知ります
2:振り返る・内省する
経験したことを振り返り、その時どのように感じたのか、その経験をどのように解釈したのか、自分の抱いた感情や気持ちの原因は何かを言葉にします
3:概念化する
言葉にしてみての気づきや考えをもとに仮説を立ててみたり、共通する事項を抽象化してみたりして個人の視点を持ちます
4:他の経験で試してみる
3で見つけた個人の視点や仮説を持ちながら、新しい経験をし、またどのような感情を抱くのか、自分を観察していきます

このサイクルを回すことで「嬉しかったこと、悲しかったこと、怒ったことにはこんな共通点がある」「私は〇〇があるとやる気になる」「〇〇している時が満足度が高い」など自分の特性が明らかになっていき、その気づきを持ちながら他の経験をすることでより明確になっていきます。これが自分を知るということです。
このサイクルの中でも、キャリアコンサルティングでは「2:振り返る・内省する」「3:概念化する」をメインに扱います。

なぜキャリアコンサルタントに頼むのか

理由は2つあると思います。

・キャリアコンサルタントに対して今までの経験を言葉にしてみることで客観的に自分自身を振り返り、深く内省・概念化ことができる
・キャリアに関する専門家に話すことでより広い視点を持つことができる

キャリアコンサルタントになるには、カウンセリングの実技の訓練、キャリアに関する知識が必要です。カウンセリングでは過去の経験からその人の強みや個々人が持っている価値観、自己概念を引き出す訓練をしています。そのキャリアコンサルタントのカウンセリングを受けることで、クライアントさんは過去の経験を自分自身の言葉で話しながら、深く客観的に内省を進めることができます。一人で内省するよりも、より深く自分のことを見つめ直すことができるのです。

キャリアに関する専門家である点もポイントです。先輩、友人、家族に相談するのももちろんいいのですが、やはり各人の経験や固定概念をベースに相談に乗ることがほとんどだと思います。キャリアコンサルタントは、キャリア理論、発達理論などの心理学、カウンセリングの理論を学び、国の制度・政策の知識を持っています。アセスメントを使うことができる人も中にはいらっしゃいます。クライアントさんの話から状況や心情をしっかり捉えながら、確かで幅の広い知識をもとに、クライアントさんが次のステップに進むサポートできるのです。

いろんなキャリアコンサルタントがいるので一概には言えませんが、私が考えているキャリアコンサルタントというものを文章にしてみました。じゃぁ、実際に受けるにはどうしたらいいの?いつコンサルティングを受けたらいいの?といった疑問んにもお答えしていきたいなと思います。

今日はここまで。お付き合いいただきありがとうございました。

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