日本vsカタール GK分析

 こんにちは。ReneNoricです。巷では「GK研究の専門家」と呼ばれてるそうです(少なくともfootballistaにはそう書いてあったよ)。

 さてアジアカップ決勝の分析。準決勝はやらなかったけど決勝はやる。いきまーす。



 前半に喫した2つの失点について、同時に書いていきます。

 まずは準備のフェーズについて

 1失点目における権田の狙いの部分では、欠陥はあまり見えなかった。少なくともシュートを打った選手がトラップした段階ではニアに2枚いて、内側の相手は冨安の背中を取っていたので、そこの裏抜けに対するケアを気にしてニア寄りのポジショニングだった、というので理解できる。シュートの段階でも、吉田が正面に立っているにも関わらず、変わらずニアにいたのは、ファーから走りこんできた相手が原因だろう。もしポジションを修正していたらシュートの瞬間にボールが見えなかったかもしれない。視野は常に確保しておきたいものだからね。

 2失点目もまた、どちらかというとニア寄りのポジショニングだった。その原因となったのは吉田の背後を取っていた19番。彼が裏抜けしたことでスルーパスからの一対一が頭によぎったのだろう。そのとき権田はニアに寄り、かつ前進した。シュートを打った6番が内側にボールを持ち出したときは、横のポジショニングを修正するだけだった。インカーブのシュートに対応するときは反応時間を稼ぐために、前後の修正もしたいところだったが、それをしなかった原因はよくわからない。シンプルに前で勝負できると考えたのか、それとも下がるだけの時間がないと判断したのか。はたまた他に何か原因があったのか。わからないが、とにかく前目にポジションを取ったのは事実だった。

 と、まあ準備はこんな感じ。


 続いてアクションのフェーズだが、ここは2つ同時に。というのもどちらのプレーも同じ問題を抱えているように見えたので。

 権田はプレジャンプ(シュートが打たれる瞬間に行うGKの動作。予備動作とも言う)を活用するGKである。その中でも、じっくり待ってシュートのタイミングでプレジャンプを行う。そして権田のそれは比較的大きな動作になっている。

 問題に見えたのは(問題とは言い過ぎかもしれない。個人的な疑問、ってことにしておこう)、バランスを欠いている点だ。プレジャンプの効果は①勢い・パワーを生み出す、②両足に均等に体重がかかる、ことだ。②によってバランスを生み、前後左右のアクションへのスムーズな移行が可能になる。

 んで、どちらの失点もプレジャンプから着地したときにバランスを欠いている。均等に体重が乗っているわけではなく、片足に偏っていた。特に2失点目は明白で、左足に体重が乗っていた。

 バランスを欠いていたことによって適切なボールへのアプローチが出来なかった可能性がある。特に1失点目はステップがバラバラだった。その結果として逆足で踏み切ることになっている。逆足で踏み切ったことでセービングに伸びがでなかった。

 2失点目はシュートが放たれてからのステップワークにも物足りなさを感じた。ただそれは下がって反応時間を確保しなかったことによってボールへのアプローチの時間が足りなかったことが直接的な原因だったように感じる。

 バランスを欠いた原因はプレジャンプのタイミングの遅さにあるかもしれない。比較的大きな予備動作がアダとなって、シュートが放たれたあとになって着地する。つまり着地する前にはアクションの方向がすでに決まっていて、それに合わせて片足から順に着地しているのかもしれない。
 
 どちらの失点もプレジャンプの着地でバランスを欠いたことが原因だと考えたが、これは個人的な疑問なので、着地のタイミングですでに片足に体重をかけることが是とする考え方もあるかもしれない。その辺は意見が割れるところだと思うので一応明言は避けた。

 と、まあここまで書いてきて、やっぱり失点の分析はあまり気持ちの良いものではない。原因をあげたらキリがない。解散。

 ひとりごと
 大会期間中、TLで頻繁に見かけたのが権田と吉田の連携についてだ。なぜそれほど言及されたのか知らないが(1試合も見れてない)、言われるほどの現象があったのだろう。連携については今後の課題かな。
 あと個人的に気になったのが失点直後の権田選手の態度である。なぜあれだけ素直に失点を受け入れるのか、よくわからなかった。特に1失点目はブラインドになったかもしれない相手選手がオフサイドポジションにいたにも関わらず、なぜ主審に抗議しなかったのか。もちろん抗議すること自体は良いことだと思わないが、そうした態度を見せることも含めて”守る”ってことなんじゃないかな。

 以上。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?