湘南2

スペースディフェンスの原則(DFライン背後のスペースの場合)

 ゴールキーパーのディフェンスアクションは主に2つある。①ゴールディフェンス、②スペースディフェンスだ。この2つのうち、頻繁に試合で起きるのは②スペースディフェンス。よってどんなゴールキーパーでもスペースディフェンスの原理原則を身につける必要がある。今回は先日の柏vs湘南のワンプレーからその原理原則を解説してみる。

 まずはポジショニングの設定。基本的にDFラインとGKの距離は「25m」が理想とされている。


 あくまでも目安だが、前に出て勝負もでき、下がって時間を作れて、頭上を超えるシュートを打たれにくい距離が、だいたい25mくらいなのだ。
 もちろん状況にもよる。どちらがボール保持してるか。相手が保持してるなら、そのボール保持者がキックの上手い選手なのか、ルックアップしてるのか、裏抜けしてくる選手の足が速いか、とか。

 で、実際にDFラインの背後へパスが出た時、GKが飛び出すか否かを判断する基準は「パスの角度」である。

①は「ゴールから離れるパス」。この場合、GKが飛び出す必要性はほぼない。裏抜けした選手がボールを受けてもシュートの角度がなかったり、ゴールに向かって直線的に戻ってくるDFが相手に間に合うからだ。確実にボールを奪える時以外は下がってゴールディフェンスに徹する。

②は「ゴールに向かってくるパス」。この場合、もし裏抜けした選手にボールが渡ったら広いシュートコースがあり、得点に結びつきやすい。それならGKが飛び出して未然にシュートを防ぐほうが、得策になる可能性がある。

 このシーンでは②「ゴールに向かってくるパス」が来た。相手選手(伊東純也)が快速だったが、判断スピードがよかったことと直線的にボールへアタックしたことで、シュート機会を未然に防ぐ結果となった。

以上。

(参考資料:ドイツ式GK技術革新 GK大国に学ぶ「技術」と「戦術」

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