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熱は、味だったのだ。

初めて真空断熱ボトルを持つことにした。360ml。スターバックスのトールサイズが入る容量だ。

きっかけは、ハンズで「ラスト1個」として叩き売りされていたこと。現行商品と機能は変わらず、カラーが違うだけ。限定カラーで売れ残ったのだろう。それで三分の一以下の価格。

私は仕事柄さまざまなモノづくりの現場を取材する。工業製品・大量生産品だからといって簡単にできるものではない。たくさんの人が「良いものを作る」という目的のもと、モノづくりの技術を磨き、品質管理に真摯に従事しているのを知っている。

そんな思いの結晶が、色が違うだけでこのまま捨てられることがあったら悲しい、というおかしな義憤が湧き起った。

とは言っても、使わなくなっては同じ。直径6.6cm、高さ16cm、重さ195g。こんな嵩張るものを持つメリットがあるか、とくと考えた。使おう。そう決心した。

翌日からボトルを使った。沸騰したてのお湯で紅茶をいれたのが、1時間、2時間、3時間経っても熱い。すぐぬるくなり不味くなる紅茶が、熱いとずっと美味しい。

熱は、味だったのだ。

それから、私はボトルに好きな紅茶を入れ、一日中温かいものを飲んでいる。不思議と幸せな気持ちが続いている。

温かいドリンクを飲むと胃腸が温まり、免疫力が上がるそうだ。 身体がうれしいから、心もストレスが減って楽になるのかもしれない。

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