夏祭り

夏祭り
浴衣を着て出かけたかどうかは記憶になし

金魚すくい
水風船
キャラクターお面
綿あめ
射的

ぼんやりとよみがえってくる
夏祭りの想い出

楽しく遊んだと言うよりは
「早く済ませてしまいなさい」
急かされて歩いたことが忘れられない

騒がしい人ごみの中を子連れで歩く
あまり好きではなかったんだろう
たぶん親が

夏祭りよりも
自宅の庭でやった花火のほうが
何倍も楽しかった

打ち上げ花火もスリルがあっていいけど
わたしは線香花火が好きだ

傍らの父と見つめる線香花火
小さな火の玉が最後にポトリ
落ちたときの物悲しさ

自宅の庭での夏をたった4度しか
過ごすことのなかった父

父が亡くなってからは
線香花火を庭でやることもなくなった

近所の夏祭りにも縁遠くなった
夏祭りに身を置くこともないまま
時が過ぎていった

デイサービス先で夏祭りのイベントあり。
水風船を持って帰ってきた彼。
どのくらい持つんだろうか、この風船。



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