見出し画像

高校生の生き方と「恩」への気づき ペイ・フォワード記事Vol.16

高校生の発想の美しさ

「ふくしま」のイメージは?

昨日は一日中学びの多い一日でした。まずは福島県郡山市のある高校一年生向けのキャリア講話にお呼びいただき、「チームふくしま」の紹介、お互いさまチケットの話をさせていただきました。

https://www.sunflower-fukushima.com/


「チームふくしま」の活動紹介の動画を見てもらう前に、高校生自身が思う福島のイメージを書き出してもらいました。

緑が豊か

きゅうり
あかべこ
田舎

高校生たちの福島のイメージメモより

など、生徒たちはのどかな雰囲気や食べ物のおいしさを挙げてくれました。
その後にこの動画を見ました。

このビデオの冒頭に出てくるのは、「震災」「原発」「放射能」など、高校生が思ってもいなかった言葉。福島の中にいて感じる福島のイメージと、外から見る福島のイメージが一致しないことがあるということに気がつきました。
この動画の中では、チームふくしまがそういうネガティブなイメージのFUKUSHIMAを、福島ひまわり里親プロジェクトを通して明るく変えていこうとしている取り組みを紹介しました。
全国的に参加者が多いこの取り組みをニュースで見たことがある生徒もいましたが、知らない子もたくさん。次世代を担う福島県内の子どもたちにこそ知ってもらい、福島の良さを福島県民の立場で伝えてもらいたいものです。

PAY IT FORWARD の「IT」ってなんだろう?

次に見てもらったのが、お互いさまチケットを紹介するこの動画

この動画をみてから「ペイフォワード」と標記されることがあるけれど、本来、英語では「Pay it forward」。だから「it」が重要で、「ペイ・フォワード」というように「・」が必要です、という話をしました。

では「it」とはいったい何のことでしょうかと質問しました。高校生は自分の心で感じ取ってくれました。そしてでてきたのがこの言葉です。


嬉しい気持ち
目に見えない何かとのつながり
感謝

高校生の考える「IT」

これは英語の授業ではありません。だから、頭で考えるのではなくてハートで感じるのが大切。高校生は私の話から、「IT」とは何かをしっかり感じ取ってくれていたのです。
私はこのことで心が揺さぶられるほど高校生の感性の豊かさに驚かされました。

「恩」は感じて初めて「送」られる

「恩返し」と「恩送り」の違いも分かり、「ペイ・フォワード」の「・」の意味も分かったところで、次のステップへ。

「恩送り」は、自分が恩を受けていると感じることができて初めて次に送ることができる。

この見落としがちな事実に気がつくということです。

見えないけれど確かにある誰かとのつながり。
自分が多くのつながりに生かしてもらっているということ。
自分がそこにいるだけですばらしいことに気がつくこと。
これに気がついて、感謝することで、初めて「恩」を自覚できます。
「恩」を送り巡らせる第一歩ですね。昨日はいつも当然のように食べている「お弁当」の存在に感謝できたかもしれません。

進路は「選択」できる?

高校生に出口はあるの?

一昔前に学校教育の場では「出口指導」という言葉がありました。学校を卒業するタイミングを出口とし、入学試験や就職試験に合格するように指導することを学校の責任と捉えていました。
「進路選択」という言葉を使うときも、進学する学校を偏差値に合う学校の中から、就職する会社を条件の良い求人票から「選択」する、という発想になりがちです。
しかし、卒業後どこに進みたいか、どのように進みたいか考えるとき、子どもたちが何を軸に持っているかが根底にあるべきです。

自分の人生を決めるのは外的条件ではなく自分軸

今回お話をさせていただいたチームふくしまはNPO法人。高校生が思い描く「進路」の中にはなかっであろう生き方や働き方です。もちろん、NPO法人のような社会活動は、主たる生業と両立して成り立つものでしょう。
ただ、高校生には「自分軸」を大切に育んでもらいたいです。その上でその軸に合う生き方を選び取る力、それがなければ同志と共にそれを生み出す力を培っていっていただきたいですね。
講話が終わった後で先生から「今生徒たちは地方創世などの勉強もしています。今回の話と関係する内容なので、普段の授業の学びと結びついたのではないでしょうか。」とお話いただきました。
キャリア教育の時間でさせていただいた「お互いさまチケット」の話が、高校生にどのように吸収され芽吹いていくのかが楽しみです。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?