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乳がん記録 #21 いよいよ退院


術後12日目

2023年7月3日。朝一番で抜糸。
先週は「抜糸は退院後」という話だったのだが、随分綺麗に塞がってきたので「もうやっちゃおう!」ということで抜糸となった。
胸も背中も皮膚の感覚が麻痺しているので抜糸の痛みはゼロ。
抜糸をしたことで、突っ張り感が軽減し、更にラクになった。

傷にはテープが貼ってあり、ネットなどで調べると、このテープを貼ることで傷口が広がったり盛り上がったりせずに綺麗になるらしい。
3ヶ月くらいは貼ることになるのかな。(この後、わりとすぐに剥がすことになるのだが)
傷は、脇の下と背中という見辛い場所にあるのと、ちょっと怖いこともあってまだ見ていない。
看護師さんは
「この先生の再建手術は傷跡が本当に綺麗なんですよ。私も自分が再建の手術をすることになったら、絶対先生に手術して欲しいですもん」
と言っていて、私の傷も「とても綺麗」だそう。
ただ、どういうのが綺麗なのか基準がわからないので、大きな傷跡を見たらそれなりにショックだろうなあ、と思う。
どのみち退院したらテープの貼り替えなどもしなくてはならないので、またその時にゆっくり見よう。

さて、明日は待ちに待った退院だ!

術後13日目。いよいよ退院

2023年7月4日。
退院が嬉しくて朝4時に目が覚める。二度寝。
それでも6時には目が覚めたので、ちょっと早いけど身支度しながら荷物の整理。
最後の朝ごはんを食べたあと、いよいよドレーンを抜くことに。
胸のドレーンと同様、痛みは全くなし。
これで晴れて自由の身となった。

この後、痛み止めの処方と、次の診察の予約。
形成の方は滲出液を抜かなければならないので、3日後にまた来ることに。
清算を待っている間、迎えに来てくれた夫とせっせと荷造り。
11時頃、看護師さん立ち会いのもと、忘れ物のチェック。
最後、ナースステーションで挨拶をしたときは、さすがにウルッと来てしまった。

病院へのお礼

基本、いまはどの病院もお礼は受け付けない規則になっていると思うのだが、お世話になった看護師さんにお礼の気持ちを伝えたい、と思うのは皆同じではないかと思う。
入院中、特に術後3日くらいは看護師さんは本当に神様のようで、感謝の気持ちでいっぱいだった。
そこで、事前に看護師さんに
「お礼って受け取れない決まりですか?お渡ししたら迷惑ですか?」
と聞いてみたところ、
「受け取れないルールなんですが、どうしても、とおっしゃる場合は突き返すのも申し訳ないので受け取ることもあります」
とのこと。
迷ったけど、ナースステーション用と、乳腺外科用と、形成外科用に、3つお菓子を買って、看護師さんにお礼のメッセージと共に渡した。

ちなみに執刀医への心付けはしなかった。
20年以上前、父が大腸がんの手術をした時は、執刀医にある程度の金額を包むのは暗黙のしきたりだったと思う。
確か5万か10万円くらい渡した記憶がある。
が、今の時代は金銭の受け渡しは強く禁止されてそうだなあ、と思った。
ネットでもいろいろ調べたが、数万円のはした金なら渡さない方が賢明、という書き込みが多かったので、お礼はお菓子だけにした。

退院後の治療ついて

さて、退院出来るからと言って、晴れて乳がんの治療が終わった!というわけではない。
これからしばらくは形成外科に通わないといけないし、5年〜10年のホルモン治療も待っている。
ホルモン治療については、手術の3週間後に出る病理検査の結果によって詳細が決まる予定。

乳がんの治療において、全摘手術は治療の第一歩。
再建手術はあくまで術後のQOLを保つためのもので、乳がん治療ではないのだ。
見た目は元に戻っても、私の体は「何もなかった頃」にはもう戻れない。
乳房に出来た悪い腫瘍を取り去ったとは言え、一度現れたがん細胞は、必ず血液に乗って全身に広がっているし、体の中でまだ生きている、と私は思っている。
がん治療はまだ始まったばかり。
これから、体の中に残っているがん細胞が悪さをしないように、ホルモン治療はもちろん、食生活や運動など、再発しないような生活を心がけたいと思う。


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