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アートと食のパリ旅⑤ビオマルシェ、日本人シェフのフレンチ、ピノーコレクション、ラ グランド エピスリー ド パリ、ムーラン・ルージュ

7時に出発し、ラスパイユのビオマルシェへ。
フランスでは、有機栽培・オーガニックのことをBIO(ビオ)というそうで、売っているものすべてがビオの朝市なのだ。


楽しみすぎて早く着いてしまい、店が開くまで地元のカフェで待つ。

ローカルな人たちの日曜日の朝に混ざり、喧騒を楽しむ。

さてさてスタート。
数百メートルにわたり、いろんな食材やデリの店が出ている。

市場が大好きだ。

新鮮な食材を見ていると、ワクワクをはるかに超え、血湧き肉躍る。
生きている喜びに満たされて幸せいっぱい。
大げさではなく、ほんとうにそうなのだ。

朝イチ8時半なのでお店の人に余裕があり、お互い片言の英語でのやりとりが楽しくてたまらない。

お肉屋さん。ロティサリーチキンも売っていた。

魚屋さん。

チーズ屋さん。

ワイン屋さん。
試飲したワインが美味しくて一本お買い上げ。

タルト屋さん。お食事タルトが多い。お姉さんが親切で、英語が話せたのでアドバイス受けながらプロヴァンス風のツナ入りタルトを買った。

スープも売ってるこちらのデリではタブレを。

ロティサリーチキンはフィレを購入。

はちみつ屋さんでははちみつとはちみつあめを。


アートみたいな八百屋さん。


野菜は、はかり売り。
ルッコラを食べたくて、わさっと紙袋に入れて持っていくと、お兄さんが測ってくれる。

楽しすぎてニコニコが止まらずにいたら、お兄さんから「君が好きだよ!」と言っていただく。

「ありがとうございます!マルシェが素晴らしくて、魂の底からうれしいのです」と返したいけど、お互いカタコトの英語同士、にっこりするのにとどまった。

マルシェの人たちとの交流がとにかく楽しかった!!!
最初のあいさつのやりとりは英語でも、二言目からはフランス語を話す人も多い。パリ、特に観光客相手の店は英語を話せる人が多いから、マルシェの人たちはホンモノのローカルの人たちだ。

お勘定をフランス語でしか話せないので、こちらから提案して電卓を見せてもらったものの、小銭がうまく出せず困っていたら、英語を話せるお客さんが助けてくれた。

ロティサリーチキンのお店では、お釣りをよくわからないながらじっと眺めていたら、「間違えてない?」と聞いてくれたみたいだった。観光客の足元を見てお釣りをごまかす話を聞いたばかりだったから、じんわりした。

言葉は通じない。
だから、お互いの雰囲気や目の光で意図を汲みあうことになる。

私は彼らに有機を扱ってる美味しいもの好きの人たちの、独特の誠実さ、美しさ、純粋さを感じた。パリの人たちの中に日本人ぽさを見出し、落ち着いたし、魂の美しさを感じて心が震えた。

この旅一番の楽しい時間となったな!!!


ランチは日本人シェフのフレンチへ。
ガイドブックにも載っていた店。

軽やかなフレンチが食べられるかもと期待したが、サービスの人たちが残念だけれどイマイチだった。食べ物やお客さんへの愛が伝わってこないのだ。

料理は素晴らしかった。
グリンピースのふわふわムース状のピュレの中に、活けじめ燻製うなぎとグリンピースが隠れている。

うなぎも美味しいが、グリンピースが最高!フランスのは美味しいと聞いてたが、新鮮な豆の美味に驚く。

わさびをドライチップスにして散らしてある。辛みはない。カリッとした食感が心地よい。
ピンクのは、桜のお酢のエスプーマ。

そうとうに美味しかった。
日本人が解釈したフレンチが好きなので、とっても気に入ったが、サービスが落ち着かん。
この一品で店を出た。


悲しいなぁ、、、
ビオマルシェや日本の行きつけのお店の人たちの顔が浮かぶ。私にとっての美食は、作っている人、サーヴする人のあり方が大事なのだと改めて思いを馳せる。

ホッとしたくて歩いてたら見つけたグルテンフリーカフェ。

Judy Market というカフェでひと休み。
惹きつけられて、何も調べず飛び込んだ。

素朴なマドレーヌとアロンジェ。
あったかい味がして、心が落ち着いた。


さて、次なる目的の、現代アートの美術館、ブルス・ドゥ・コメルス。

18世紀の建物に安藤忠雄が手を入れたコラボレーション、楽しみにしていた。中はピノーコレクションと呼ばれる富豪の現代アートを収蔵してある。

洒落てる。

安藤忠雄の間(と言わせていただく)は、圧巻だった。


天井を見上げると、植民地の光景。

床は鏡張りで、皆思い思いに寝転んで天井を見上げてる。私も、弟の形見のカレンダーを抱き寝転んだ。

デザインを専攻し、現代アートが好きだった彼の「見たかったんだよ、ありがとう」という声が聞こえたような気がした。涙がこみ上げる時間だった。


次は、ラ グランド エピスリー ド パリへ。

デパートの横のおしゃれグルメ館。
伊勢丹の地下というか、成城石井というか。
高級グルメはもちろん、よく探せばお値打ち品もあり、気の利いたばらまきのお土産を買うにもよさそう。

ちらっと見たら商品数に圧倒されたので、まずは甘いものでも飲んで、ひと息入れてから館内を回ろう。

EDWARTのショコラショー(ホットチョコレート)を飲んでみよう。
フランスといえば、ショコラショーも有名。

ビッグサイズのマグに、ぬるめのホットチョコレート。すごく濃厚で、甘酒みたいなうまみを感じる。美味しい飲み物だ。

ところが、このあと胃もたれがすごかった。
生クリームなどたっぷり入ってるんだろうな。晩ごはんは食べずに宿で休む。


夜は念願のムーラン・ルージュへ。

駅を降りたら、日本で言えば風俗街ぽいピンクネオンの街並み。
若いひと向けのクラブもあるそう。

歩いてたら目印の風車が回っていた。

ムーラン・ルージュは、トップレスのダンサーによる、至高のダンスショー。ずっと見たかったので、ワクワクが止まらない。


チケットは日本から早めに取ったが、どうやら席は先着順のよう。
時間ギリギリに着いた私の席はかなり後方。

がっかりしたが、全体を見渡せるという意味でこの席で結果的によかった。
パフォーマンスが素晴らしいので、前の席だと目の前の人にしか集中できないそうだ。


ハーフシャンパンつきの、贅沢なショー。

トップレスの美女たちは、全員同じ体型、足の長さ。ダンスも揃いに揃ってる。人間というよりアンドロイドみたいだ。

女性たちが揃ってる分、男性ダンサーたちの体型やダンススキルのムラが気になった。ピルエット二回なのに軸に乗り切ってないぞ?とか、三人組のバットマンの高さとタイミングずれたぞ?とか。シロウト目線の、たいそう偉そうな話なんだけどね。

ありがたいことに私は今すごーく踊れる、レベルの高い先生たちのダンスを日々見てるから目が肥えてる。すごい環境で習ってるんだなぁと、先生たちに感謝した。

ダンスもよかったのだけど、ダンスの合間のアクロバティックなショーが圧巻。特にローラースケートの男女ペアは命をかけてパフォーマンスしているのが伝わって涙がこぼれた。


ショーが終わり、ネオンの中を通り抜けてメトロを使い宿へ。

ひとりで無事に帰れたことに安堵した。23時前のメトロに乗るなんて、日本では想像してなかった。タクシーで帰ろうとばかり思っていたけれど、安全にメトロで帰るコツをレクチャーしてもらい、思い切ってトライして本当によかった。

メトロで帰ることで自分の身は自分で守る、自分の舵を自分で取る感覚を味わいつくし、満足でいっぱいな夜。

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