女性起業家サロン医療チームオフ会

2018年6月21日に経沢香保子さん主催女性起業家サロンの医療関係者チームでオフ会をしました。

参加者は
これから内科で開業で、さらに予防医学や腸内細菌のことまでしている中澤祥子先生(幹事ありがとうございます!!)
北原国際病院で画期的な取り組みをされている管理栄養士のUchiyama Akikoさん
中医学の知識で不妊患者さんの妊娠率を上げている薬剤師の住吉忍さん
独自のキャリアを進みつつ、埼玉医科大学病院准教授をされている眼科医の加藤直子先生
お子さんを育てながら「削らない歯科治療」で開業を目指されている荻原聡美先生
そして私、小児科勤務医でいろいろ発信させてもらっている保田典子
でした。

議論のキモは4つほどありました。
1. 人口減少社会で日本の医療は縮小していく

2. 新しい価値のある医療をどうマネタイズし広げていくか

3. 医療のIT化

4. 封建的な医療界でどう女性が活躍していけるか

こんなことをワイワイと楽しくディスカッションすることができました。

1. 人口減少社会で日本の医療は縮小していく、保険診療の限界がでてきた。
先を見据えている医療者は海外に目を向けている人が多かったです。
シンガポールは医療体制としては確立していて参入余地は少なく、
医療過疎で参入余地があるのは、カンボジア、インドネシア(虫垂炎手術で3ヶ月待ち)などだそうです。
保険診療の限界は現場の誰しもが思っていて、北原国際病院では、保険診療に頼らないで病院経済が成り立つ仕組みをいろいろとプロジェクトを作って模索しているそうです。
そのひとつが病院のレストラン:
保険診療(1食600円)でレストラン化。98%は患者さん。家族なら付き添い食がとれるが、それ以外はとれない。構造上今は保険診療のみで利益を出している。
北原国際病院の理事長は色々と武勇伝があり、15億円調達も成し遂げたそうです。起業家サロンならではで医療者にしては資金調達の話も盛り上がりましたが、北原国際病院の理事長は想いに共感してくれた人から資金調達したとのこと。

2.新しい医療で新しい価値提供を
歯科医の荻原先生からは、削って埋める歯科治療ではない治療があ理、虫歯にならない診療を目指しているとのこと。
しかし、削らないを売ってても結局削る歯科医療をしている医院がほとんど:結局マネタイズできるところがそこだからとのことでした。

不妊領域の漢方では、食事を変えると体が変わる。採卵率も体外成功率も高くなる。実際の臨床では実感されてニーズあり。
しかし、漢方はエビデンス少ない。ツムラでも一番売れている大建中湯でやっとエビデンスだしてるところ。
→1つでも論文を書けば信頼度が上がる。前方視的試験は条件が厳しくなってきているから、後方視的検討でも。論文1-2個書けばどんどん書けるようになる。データはあるから分析する人と書くのを指導してくれる人を探すのが課題。

中澤先生からは、食事を含めた予防医療の重要性。腸内フローラ、栄養指導?での健康管理などをお聞きしました。なかなか予防医療はお金にならなくて広げていくのは難しいけれど、場にいる全員がやはり予防医療が一番大事であるとの認識でした。

新しい価値のある医療は、マネタイズをどうするか、やエビデンスをどう証明して信頼性を担保するかが課題だと思われます。

北原国際病院の面白い取り組みもお聞きしました:
ヤギやヒツジで動物療法。
動物に触ろうとして動かせなかった手を動かす(クララ効果)
動物療法としては、言葉で表現できない動物の言いたい事を推し量って対人コミュニケーション障害を解決する(理事長のアイデアでエビデンスなし)などもありました。

3. 医療のIT化
遠隔診療が保険適応になりましたが、なかなか進まないね、という話から…
不妊治療で米子に鹿児島からくる現実。体の負担も多い。遠隔診療の必要性。まだ診療報酬的に儲からない、認知度も低いから広まらない。
不妊治療での遠隔医療とアプリでの体調管理で不妊治療がもっと成績が上がるのではないか。
→利用してもらってデータが蓄積していけば、よりよいアプリにしていくことができる。

医療系のアプリの話にもなりました。
北原国際病院でのプロジェクトはデジタルホスピタル(NEC,最近他の事業で業績ダウンで医療参入はかっている)で問診アプリを作っているとか。

アプリを作っていてもどう認知していくかも課題。

大学病院でイノベーションは起こらないという話も。。。
失敗すると殊更に失敗を叩かれるので新しい事ができない(HPVワクチンもしかり)。
海外で何万件もされている治療が日本では1000件とか。
加藤先生は保険収載されていない治療をされているそうです。
大学病院でイノベーションできないから、開業して事業にしてマネタイズし新しい事をしていかないといけない。(大学なら何億も調達可能なのに、もったいない)

4. 医療界での女性活躍
女性は妊娠出産すると出世できない。責任も持たされない。
責任持つと楽しいのに。
女性医師は30%,女性教授は5%以下.
妊娠出産しても子育てもしながら(ジジババに子育てを丸投げしなくても)社会貢献できる医療体制にできるはず。
出産したら副院長を外される、1人でやっていた治療にも1人で治療を任せてもらえなくなる現実。
女性医師支援をしていても、動かしているのが教授(子育てしてない年上男性達)。出産したら「もうしなくていいよ」。
医師も栄養士も薬剤師も歯科医師も封建的。配偶者が同業なら結婚すると専業主婦になったり、週数回のパートになったり。人的資源の損失。
女性非常勤医師に未来はない。40歳くらいで限界になる。

メモ書き状態の記録ですが、2時間とは思えない濃い話をすることができました!
北原国際病院には皆興味津々で、見学に行きたい人多数。
病院見学ツアーや次回のオフ会も盛り上がりそうです。

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