日の出を堪能し、早朝花見をしてから二度寝をしてチェックアウトギリギリで飛び起きて宿を出るという慌ただしい2回めの目覚め。

富士山はもちろんどこかに隠れていたので、そうかい、そうかい、と気持ちを切り替えて、チャリンコでぐるっとUの字に清水港を9kmほどサイクリングして清水駅に向かうことにした。富士山の方角に背中を向けてペダルを漕ぐ。
海沿いを走り松原に別れを告げ、テトラポッドを見てaikoを歌い、ジュディマリを歌い、海よ〜と加山雄三のモノマネに入る私の脳内オリジナル海ソングメドレー。
潮風が気持ち良い。
電動自転車は楽チン過ぎるなぁとスイスイと走らせていく。
20分以上走らせ、Uの字の底のカーブの部分で信号待ちをしていると、何となく視線を感じる。
振り返ってみる。

オイ！
おったんかい！！！

めっちゃ静かにそこにいたのである。富士山。
ドドン。(心の太鼓を鳴らした。)

参考地図↓

気づいたら大急ぎでUターンして立ち漕ぎしていた。
うおー！富士山が出てたのに知らずに私は背を向けて立ち去ろうとしていたとは！何たる失態！
なぜだか、1秒でも早く今朝の日の出を見たポイントに戻らないといけない気がして全速力を出していた。
いつまた隠れるかも分からない気まぐれ野郎なので、逃したくなかったのだ。
脳内BGMは、チャゲアスのYAH YAH YAHに変更。
ロングコートがはためくよ。飛鳥のように拳を突き上げるよ。殴りには行かないがそんな気分。

(ピンと来ない方は、2分だけでもご覧ください。28年前の私の大好きなドラマです。三谷幸喜。)

そんな訳でヤーヤー言いながら松原の海岸沿いを走る。
昨日、何もなかったそこに本当に富士山はいた。
昨日、犬の散歩をしていた人や釣り人が指差していた方向に間違いなく富士山がいたのだった。疑っていたよ、ごめん。
だけど油断できない。雲が多いからいつでも隠れたるぞ、という雰囲気がしている。

自転車をとめて、海岸を歩いて進むことにした。
昨日も今朝も曇っていたから海の色は灰色めいていたが、
なんと、海が富士山サイダーと同じ色をしている。
富士山もいいけど、海も綺麗だ。
富士山に乾杯。

サイダーを飲みながら、富士山の方に向かって海岸沿いを歩く。
富士山が近づく。

今朝の日の出の場所まで戻って来られたので、今度はズームで富士山に近寄る。

ザバーン！

裾までは見えてなかったが、見えていない方が神聖な佇まい感が増し神々しい雰囲気を醸し出している。
今にも雲に隠れそうな富士山。
世界遺産に登録されている富士山は自然遺産ではなく文化遺産で、「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」となっている。富士山から45kmも離れている三保の松原をそれに含むかどうか相当もめて、最終的にこの地も世界遺産に含めてもらえたらしい。ここの景色を見ていると、芸術的な意味合いも大きい気がする。そりゃ浮世絵とかで描かれるのも納得。
最後に姿を現してくれた富士山に感謝。
今度は納得して富士山に背を向けて、また、清水駅への9kmの道のりを自転車で戻ることにした。


続く

私の静岡旅は、＃静岡に何がある　にて更新中