僕が久保怜音というアイドルに固執した理由の話

2022年3月27日,久保怜音卒業公演

(あれ?画像表示されてない?)

行ってきました。僕は,平日はどう考えても劇場公演は参加できないヲタク。なので,どうか卒業公演が行ける日でありますようにと願ってました。
無事に参加できて,本当によかった。

僕が久保怜音というアイドルに拘っていた理由は何だろう。
公演のチケットが当たった時,公演を見ながら,公演後にヲタクとお酒を飲みながら,ずっと考えてました。

もっというと,卒業公演が当たった時から考えていた気がします。

時代は,コロナまっさかりです。握手会もなくなって,現場がなくなったらヲタクの友達にもあえなくなって。面白みがなくなって,お話会のチケットも取らなくなって。気が付けば,いつもここに書いてる推しメンのグループに注力するようになって。別に隠してないから,周りのヲタクからも怜音のヲタクやめたのではとすら思われていたかもしれない。

正直いうと,コロナで握手会も禁じられて,劇場公演もなかなかできない状況で,AKBは翼を奪われた状態だったのかもしれない。何とか,ヲタクの興味を維持しようと,いろいろ行われていたものの,当然昔と同等のサービスなど提供できるはずがない。

世の中,坂道グループだ,指原プロデュースのアイドルだ,韓国系のアイドルが,テレビを席巻して,AKBはもはやメインのテレビ番組もないような状況。

AKBのヲタクになった当時,僕はモーニング娘。などのヲタクをしている,いわゆるハロヲタと呼ばれる人たちの存在に少し懐疑的なところがあった。

「なぜ,流行っていないモーニング娘やハロープロジェクトを応援しているのだろう?」

ヲタクの方がいれば,気を悪くしないでほしい。でも,今ならその気持ちが痛いほどにわかる気がする。


久保怜音というアイドルとの出会いは,正直いうとよく覚えていない。

AKBのドラフト2期生として加入したのであるが,当時,在宅だった僕は当然にいったん全員の顔と名前を覚える。

印象的だったのが,ドラ2には少し変わった名前の子が居たということだった。

怜音と書いて,さとね。

ほう~珍しい名前の子だなというくらいの印象だった。

書き始めると細かすぎるのだが,当時AKBは「AKBのあんた誰?」という冠番組を持っていた。これは,地上波のテレビではなく,docomo?だった何だったかの,有料配信サービスである。この番組は,AKBのトップメンバーではなく,世間からは「あなた誰なの?」といわれるようなマイナーなメンバーを中心に,トップリードという芸人をMCに添えた番組である。

これはこれで,非常に面白い番組で,芸人や放送作家の考える企画,コーナーが既存のAKBのヲタクには刺さる内容だった。秋葉原の駅前にあったAKBカフェのホールで,有観客・生放送で行われていた。

この「あん誰」の最終回。あん誰24時間放送というものが行われた。夜通し行われた企画。翌日の朝に行われたのは,アイドルがパジャマ姿でお兄ちゃんを起こす萌え台詞を言うという企画だった。

ここに登場したのが,久保怜音だった。当時,まだ13歳だったか,14歳だったか。パジャマ姿に星の形のクッションをもって登場した彼女は,お兄ちゃん役のカメラに向かって,見事な萌え台詞を言うのである。

そこから一気に急加速した。前にも書いたことがあったと思うが,気が付いたら,怜音用のTwitter垢を作っていた。今Twitterを見ると,2016年からTwitterを利用しているようで,約7年くらい?になる。


どうしてそこまで,久保怜音というアイドルに拘りをみせたのか。
拘りというのは,少し抽象的だけど,僕が1人の推しメンという存在を作って,卒業まで見届けるのは,実は初めてになる。

僕の中で,推しメンというのは,お金を使う人をいう。なんだかドライな感じかもしれないけど,ヲタクとアイドルは所詮,お金を払わないと会いに行けない存在になる。だから,限りあるお金を使いたいと思わせるほどに,会いに行きたいと思わせるほどに好きな人が推しメンだと考えている。

なので,拘りというのは,応援し始めてから最後まで,お金をつぎ込んでまで会いたいと思わせた人ということを意味するのだろう。


いくつか要素がある中で,あげるとすると,

久保怜音は最後まで王道のアイドルだったということがある。
世の中アイドルがたくさんいるなかで,それぞれのキャラ立ちを気にする。
激しい音楽を売りにしているグループもあれば,何らかのコンセプト(魔法の国から来ましたとか)を売りにするアイドル。
タバコを吸っていることを公表している少しアウトローなアイドルから,整形を公言しているアイドル,酒におぼれているアイドルなど。

そんな中で,久保怜音は最後まで王道を貫いたアイドルだと思う。
正直言うと,歌が抜群に上手いわけではない。
ダンスが上手いわけではない。
面白いギャグを言えるわけでもなければ,SNSが抜群に上手いわけでもない。

ただ,王道なのである。

容姿のかわいさは,人それぞれの好みとしても,圧倒的な存在感がある。

普段の本人は,クネクネ,へらへらしていて,ヲタクの心をぐっとつかむような言葉を紡ぐことができるわけでもない。

でも,圧倒的に目を引く,存在感がある。

誰もが1度はお話してみたいと思わせてしまう求心力がある。

そして,実は頭がいい。今自分に求められているキャラ,ポジションは何かを察知して,確実に実行に移すことができる。

そして,ヲタク覚えがはやい。SNSでコメントをしていれば,次に名乗ればもう覚えている。

怜音は,デビュー時にツインテールのアー写だった。AKBは研究生は,アー写の髪型以外はしてはいけないというルールがあるので,ヲタクはみんな怜音のツインテールが好きだ。

昇格して,髪型が自由になっても,ここぞと大事な時,怜音は必ずツインテールをする(ハーフツインも含む)。


そして,彼女には,王道のアイドルソングがよく似合う。
ミドルバラードの曲がこれ以上ないくらいに似合う。

ひと昔前のAKBの亡霊を追いかけていると評価されても,うなずくしかないのかもしれない。
それでも,彼女は最後まで王道のアイドルだった。


卒業公演の日,前座でやってくれた渚のチェリー。王道中の王道ソングであり,彼女の好きなAKB0048でも,新人のデビュー曲として扱われている。

本編1曲目は新しいチャイム。怜音が初めてセンターを取った曲だ。
もう,泣いた。怜音のヲタクは,この曲のイントロで自動で涙が流れるように設定されている。

2曲目は最強ツインテール。センターではないけど,怜音のためにあるような人気曲だ。

3曲目は,初恋よこんにちは。怜音が,シアターの女神公演でセンターをやっているユニット曲。

4曲目はハイスクールデイズ。アルバムに収録された,当時研究生たちが歌う圧倒的な青春ソング。

(中略)

7曲目は,この涙を君に捧ぐ。彼女の大好きなAKB0048の最終回で流れる曲。これもイントロが流れた瞬間に,もうだめだった。

8曲目は,支え。チームKの公演曲で,いままで数々の卒業メンバーを送り出してきた曲。この曲と同時に,いままで怜音がお世話になった卒業した先輩も駆け付けてくれた。もはや,暴力のようにたたみかけられた。

最後は虹の列車。
久保怜音ソロコンサートの最後に歌われた曲。ソロコンサートの何日か前に,突然彼女はTwitterに書いたのだ。「会場が虹色になるのが見たい」。
ヲタクは全てを悟った。ソロコンサートの最後は絶対に虹の列車が来る。
そこから,ヲタクは急遽会議を重ねた。
ペンライトの準備はどうするか。みんな持ってきてくれるか,こっちで準備するか。
虹色の分け方はどうするか,会場を縦に割るのか横で割るのか,アリーナとバルコニー席で割るのか。
当日,客にはどうやって周知するか。

やれることは全てやった。結果大成功だった。

画像1

そんな思い出の曲。卒業公演でも絶対にやるはず。ヲタクには自信があった。この曲をやると今回はなんの連絡もなかったけど,怜音なら絶対にやる。
そう信じて,当日配るフライヤーには,劇場を縦に7色に割った図面を入れた。


圧倒的な存在感と,王道アイドル。そして,ヲタクを裏切らないところ。

これが,僕が久保怜音というアイドルに固執していた理由なのかもしれない

ヲタク側から勝手な妄想でいえば,久保怜音というアイドルとヲタクの間にはある意味,信頼関係があったようにも思えている。

怜音は変なことはしない。できる限りヲタクの願っていることを叶えてくれる。そういう信頼関係。


将来の夢を見つけて卒業する怜音。

ヲタクの全員の願いは,今後も幸せに暮らしてくれること。

いままでも,ヲタクの願いをかなえてくれた彼女だから。

きっと,最後のヲタクの願いもかなえてくれると信じています。

きっとこんなアイドルに出会えることはもうないかもしれないけど。

どうか元気で。

でも,いつか,あなたのことを思い出して,少しだけ,泣かせてください。

ヲタクは,もうここからあなたの未来を見ることはできません。

だから,最後のあなたの姿が,とびっきりの笑顔で本当によかった。

お疲れ様でした。7年間ありがとう。

だいすきです。


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