法水

自称・横溝正史大好き、法水です。 twitterの方では、綾川愁村(読書垢)でやってま…

法水

自称・横溝正史大好き、法水です。 twitterの方では、綾川愁村(読書垢)でやってます。

最近の記事

ただ「好き」なだけ、はダメなのか?

お疲れ様です。僕の友人に城マニアがいる。マニアと言っても、城に行って中を見学するのが好きで城自体に詳しい訳ではない。そんな彼が地元の城マニアの集まり(と言っても、数人で集まるだけらしいが)に、はじめて参加した。そこで、マニアの一人から「現存十二天守を全部言って」と言われた。彼は結局答えられず、集まりに来るなと爪弾きにされた。「現存十二天守」と言うのは知ってはいたが、僕も多分答えられない。 そこで、一つ思った。マニア、いや、「好き」って何だろう。僕の考えが甘いかもしれないが、知

    • 筆の随に②

      私は推理小説、特に探偵小説が好きだ。昨日、私は同僚のW君が岡山イオンの書店は推理小説の品揃えがヤバいという情報を教えてくれたので、行ってみた。いやはや、確かに凄かった。どれもこれも欲しいものばかりで、気づけば1万近く買っていた。 給料日を十日後に控えての散財、好きなものを前にして、狂喜乱舞。アホか、私は。 基本休日は車は乗らず、この日も琴電とマリンライナーで片道2時間くらいかけて行った。車内で読むのは、江戸川乱歩に鮎川哲也、フィルポッツ、どれもこれも推理小説だった。 そして私

      • 筆の随に

        久々の投稿。「ふでのまにまに」と読む。「筆の赴くままに」といった意味だ。 さて、私は仕事終わりに、特に仕事で嫌なことがあった際に、よく車内で尾崎豊を聴く。歌が特別上手いとは思わないが、彼の「魂」(気障だが)が時に涙を誘う。私は思春期(親や大人への反抗)の時期がほぼなく、不良学生のようなヤンチャ騒ぎもあまり起こしていない、所謂「真面目」な学生生活を送り、現在に至る。その為か「放課後の窓ガラス壊して回った」時代が、ほんの一瞬我が人生にあれば、とすら感じる。 彼の歌で好きなのは「卒

        • 一億総裁判官化社会

          昔、一億総白痴化だとか、一億総懺悔という言葉があった。僕はこれに倣って、一億総裁判官化社会を提言したい。 少し前、チュートリアルの徳井さんが申告漏れ、所得隠しなどで問題になった。するとイスラムだったかで普通に行われてきた「石打ち」のように集中攻撃。「犯罪者」だとか「もう見ない」だとか。別に徳井さんをフォローしたいとかそういう訳ではない。ただ、手のひら返しが鮮やか過ぎて、つまり、人間一度のミスも許されないの、と思ってしまう。例えば徳井さんはマネージャーべったりで、会社の所得

        ただ「好き」なだけ、はダメなのか?

          人生には学歴が重要か、職業が重要か?

          お早うございます。お疲れ様です。 私、Yahoo知恵袋をやっておりまして、ある日大体次のような質問をいたしました。 「ハルキスト(別にバカにする意味はなく、単に村上春樹ファンという意味合いです)の方に質問です。村上春樹とほぼ同時期の作家、例えば中上健次や村上龍の作品について、貴方はどう評価していますか?」 大学で文学をやっていて、特に中上健次は三人の中で一番読み、一番好きな作家でありました。 そのとき、自分はあまり気にはしていないが、小説カテゴリの某有名回答者さんから大体次の

          人生には学歴が重要か、職業が重要か?

          ひねくれ読書術

          諸君、所謂文学作品を読んでおられるだろうか。何、読んでいない?諸君たちは損をしている。 自称兼他称・読書家で某私立大学(○学院大学 )で日本文学をやっていた吾輩が「ひねくれ読書術」なるものを伝授しよう。 吾輩が大学2年の時に幻想文学を習っていた。その講義のU教授のモットーが「面白く読む」ことだった。本が苦手な人にとって、読書する行為は苦行というか、拷問だ。吾輩は無類の読書好きだったが、その教授のモットーに触発され生み出したが「ひねくれ読書術」だ。 例えば谷崎潤一郎の「刺青」

          ひねくれ読書術

          平成最後の夏が来た

          今年も来た、夏。入社二年目で初めての長期休暇(3日+1日)で僕は念願の善光寺、また兼六園に行く。 ポシャる可能性はあろうから、過度の期待はしないようにしている。 今のところの一番の夏の思い出(今年に限る)は、黒岩涙香の『人耶鬼耶』を読めたことだ。大学のとき、大金叩いて購入したガボリオ『ルコック探偵』(たしか3000円くらいしたか)を読み、ホームズ物の『緋色の研究』を思い出した。所謂、前半が現在(探偵が謎を解く話)で後半が過去(動機の部分)といった形だ。涙香が翻案作家と知ってい

          平成最後の夏が来た

          私の本棚、圧迫感が凄い。

          私の本棚、圧迫感が凄い。

          私は変かしら?

          よく小説等で女性が使う言葉として、「かしら」があるが、古くは男も使っていたという。現に相棒の某登場人物も使っていた。いや、このテキストはそれを書くものでない。 私は変だろうか?私は女性と付き合ったことがなく、25年生きている。いや、そんな人はいるだろう。では私の考え方は如何。 私の恋愛対象は女性だ。一目惚れもする。しかし、私ははっきり言うが、不細工な顔の男だ。話もつまらないし、性格もさほど。こんな自分と付き合ったら、相手の女性に悪い。よく私の冗談で同僚の女の子が笑ってくれるが

          私は変かしら?

          無題、或いはボヤキ

          私は今までに目標を立てて努力したことがない。しかし、見た目からか、「真面目(系?)」と言われることが多い。まあ、学校の勉強は、120人中50~80位といった具合だ。大学受験も、指定校推薦という暴挙(?)に出て、東京のK学院に入学できた(あの神道で有名な大学です)。大学時代も講義には出ていたが試験勉強は前日にちらっとする程度。それで大概通った。運がいいのか、ヤマが当たるのか。 休み時間は読書のみ。言わずもがな、トイレは行く。アルバイトはせず、親の金で古本を買い、片付け嫌いでよく

          無題、或いはボヤキ

          愚者、推理小説を語る

          「愚者の戯れ言」シリーズ(?)第2弾です。 私は自分の言うのも愚かしいが、推理小説狂を自認している。なんちゃって推理小説を書くこともある。最近の推理小説は全く読まないが、大正・昭和に書かれた推理小説(探偵小説)はよく読んだ。最近の物を読まないのは、文章の軽さが1つの要因かもしれない。こんな表現しかできないことで理解できるように、私は言うほど本を読まない。だから文章の軽さを説明できない。しかし、このテキストは文章の軽さを語るテキストではない。 私が好きな作家(推理小説家)を日本

          愚者、推理小説を語る

          4章

          「ま、牧田」 茶番と言った男のみならず、私たちもその光景に驚き、言うべき言葉が見つからなかった。 仮面を外されたピエロはさらに言葉を続ける。 『さて、飯野浩介、田宮梨華、花村貴一、澤市優子、萩生田和哉、十村信治。君たちは牧田邦明を知っているだろう。君たちが彼に何をしたか?此処に罪を認めたまえ、命のある内に…』 名指しされた6人は恐怖に震えていた。茶番と言った男・飯野は恐る恐る牧田のところへ行き、頬に手をやった。 「何だ、ただのマネキンだよ。ビビることないよ。茶番だ茶番だ」 「

          愚者の戯れ言

          本、好きですか?読んでますか? 私にとって本は(ほとんど小説になってしまうのたが)人生の休暇のようなものだろう。私はある会社の新入社員として、上司から叱られまくるダメ社員だ。家に帰って寝る前に本を読む。それは川端康成であったり、芥川龍之介であったり、はたまた横溝正史であったり。虚構に逃げてしまうのは私の悪い癖だ。しかし、小説は私に語りかける、虚構でもいいじゃないかと。 私は幼少期から本が好きだった。怪傑ゾロリだったりズッコケ三人組だったり。友達が少ない私にとって、本は身近な

          愚者の戯れ言

          ピエロ

          3章 犬鳴島は、呪われた島と言われている。古くは江戸初期、四国を中心に存在していた「犬神憑き」の家系の者を、当時高松を治めていた松平某がこの島に隔離したのが名の由来らしい。故郷に帰れない悲しみの鳴き声が島から聞こえたという。 さて、私は高田とともに犬鳴島を訪れた。島唯一の港・犬鳴港には六人の若者が待っていた。 「彼等が、ピエロに狙われた人たちかしら」 歳は私より少し若い位の、恐らく30代。高田は手にしたステッキをくるくる回している。高田のステッキについては変わった事件

          ピエロ

          第2章 〈オハヨウ!高名なミステリー作家・虹浦光一先生。君の頭脳に挑戦したい。いや、君の頭脳ならこの程度の宝探しなぞ、児戯に等しいかな?香川県の犬鳴島にある村上海賊の宝物を是非とも見つけていただきたい。実は幾人かが宝探しゲームに名乗りをあげている。しかし、彼等では見つけられないのではないかと思い、君に依頼するのだ。 そして、事実この宝探しゲームは、恐るべき何かが起きそうでならないのだ。君はその「何か」を防ぎ、宝を手にしてほしい。宝探しゲームの時期は追って知らせる。 JWG〉

          ピエロ

          第1章 私は売れないミステリー作家だ。決して自嘲ではない。先日出版された自信作『時の罪』はミステリー評論家達に酷評される始末だ。トリックのミスを並べられ、動機の稚拙さを笑われ、果ては文章の稚拙さを笑われるだけである。そんな私に手紙が届けられた。宛名に「虹浦光一先生」という達筆を見なければ棄ててしまっていたろう。どうせ自分を馬鹿にした手紙だろうと思って。 〈唐突な御手紙に困惑されておると思います。私は虹浦先生のファンです。先生の御本は全て読みました。実は私の生まれた香川県にあり