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「引き裂かれたイレブン」を久しぶりに見た(2022/5/3)

イビチャ・オシムさんが先日亡くなりましたね。80歳ということで。うちのお母ちゃん(82歳)より年下だったのか。もうずっとおじいちゃんの印象があったから、もうちょっと上かと思ってました。

非常に多くの人が悼んでおりました。南アフリカワールドカップのアジア予選の途中に脳梗塞で倒れてしまい、オシムさんの日本代表が道半ばになったことをみんなが残念がっていましたね。私もその一人でした。

オシムさんが掲げる「日本化」するサッカーは、運動量と流動性に溢れた魅力的なもので、それは10年以上経った今のサッカーの潮流にも通じるところがあるような気がします。随分先を見据えていたのでしょうね。

「オシムさんが日本代表を途中で離れたことにより、日本サッカーが衰退した」という声もあるようですが、私はサッカーがわからないのでそこまで断言することは出来ません。ただ、大きく発展する手段の一つを失ったとだけは言える気がします。

ところで、こういうドキュメンタリーのDVDを持っていることを思い出しました。

いつ買ったのかもう思い出せないんですが、少なくともオシムさんが日本に来てからだと思います。2000年にオランダで制作されたTV番組が日本で2007年にソフト化されたものです。

ちなみにNHKでも同様の内容が何度か放送されたようですが、DVD版の木村元彦氏の解説によると、NHK版は一部内容がカットされたもののようです。

原題は「The Last Yugoslavian Football Team」。DVD版とNHK版の日本語版タイトルが同じなのはDVD版の解説によると全くの偶然だそうですが、内容を端的に表したタイトルだと思います。

感想については、雑に一言で言うならこんな感じです。

ところで、ボバンは結構露骨にナショナリズムを表出していましたね。スタジアム内の観衆による暴動でボバンが手を出してしまったことについて、オシムさんが「扇動されたのだろう」と語ったことに対し「扇動なんかされてない。自分の意志だ」と答えた部分に関しては特に。とはいえ、彼が他の民族に対して排他的だ、という印象は特に受けませんでしたが。

しかし戦争は本当にアカン。このドキュメンタリーの中でも、対立する民族の民衆が露骨にお互いを憎しみ合っている様子が赤裸々に描かれていました。戦争により深まった対立。くすぶっていた火種をサッカーにより抑えることが出来ないか、戦争にならないようにできないか色々画策していたオシムさんでしたが、それは幻に終わってしまいました。

とはいえ、時には力ずくで奪いに行くというのが人類の歴史でもありますし、現状も東ヨーロッパでの戦争がメディアを通じて現在進行系であることが伝わっていますので、悲しいことですが永遠に人類の争いがなくなることはないのかもしれません。

ところで、こういうマイナーなドキュメンタリーは昨今のストリーミングサービスにはまず上がっていませんね。やはり営利サービスなので、需要がないものは表に出てこないのでしょう。現状、アマゾンなどの通販でDVDを入手するくらいしか見る手段はないと思います。

ちょっともったいないかな、とも思いつつ、やはりDVD・BD・CDなどでソフト化することの意味は、まだまだ現代にも残っているように感じました。紙で出来ている本も、いくら今後さらにデジタルが隆盛しようともなくなることはないと思っています。

デジタルだって保存するためのストレージや閲覧するためのデバイスが必要で、どちらかが欠ければ見られないわけですからね。

そのようなことを感じた「飛び石GW」突入初日でございました。

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