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『Designship2018』大規模イベントの裏舞台で動いた会場設計

@norinity1103ことDMM.comの河西紀明です。

『Designship2018』1日目を東京の現地会場で、2日目を石川県金沢でLIVE配信で参加しました。

「領域の越境と共創」という力強いメッセージを感じる今回のカンファレンスのテーマ、「DESIGN」はデザイナーの聖域ではなく「共業≒協業」としてディスクローズしていくもの。この一大イベントは私の中で強く存在感を放っていため、多くの視点で体験したいという気持ちで迎えました。

冒頭で「裏舞台」と表現しましたが、これはイベント会場でのリアルな一体感・臨場感が「表舞台」だとすると、「裏舞台」はTwitterのハッシュタグやsli.doなどイベント専用のタイムラインを起点とした知的情報の対話・拡散の場を提起しています。

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本編のコンテンツ資料は後日、おしげなく公開されてデザイナー有志がそれぞれの最高のアウトプットしてくれるでしょう。

例えば@akatsuki174さんは全文書き起こしという偉業を成し遂げてます。 

よって私は趣向を変えて、最近チャレンジ中の「Twitter実況での高速インプット/アウトプット」していた中で起こった3つの出来事を"エモ寄り"で紹介します。

Twitter実況での高速インプット/アウトプット
Twitter実況でセッションを聞きながら周囲の二次情報と周辺情報をかき集めて独自の解釈で展開するという、かなり疲れる独自の発散方法です。

前提: 私の想う「学びの場」のあり方

個人的な主張ですが、カンファレンスやコミュニティーイベントは運営者やスポンサーのみならずゲストやオーディエンスも一体となって良い学びの場、体験の場をつくりあげていくべきだと思っています。そうでないとすぐ形骸化し妄信的に「すごいひと」を崇める場に成り下がります。

主催側がサービスを提供してゲストは提供価値にみあった料金を払うという一方向性のモノではなく、それぞれの視点で趣旨やテーマに対する価値を探求をするものとだと思ってます。賛否あるので解釈はおまかせします。

こんな熱い想いがあるのも、実は身の程しらずですがSpeakerとして「ブロックチェーン・DAppsのUXデザイン」をテーマ応募しましたがあえなく落選して、モチベーションだけは高く参戦したということもあります。(笑)

私自身も未知の分野で事業やチームをデザインでリードする役割で、UX戦略の知見とプロトタイピングを片手に戦う立場です。エンジニアリングとデザイン、顧客開発と製品開発の双方の視点で赴いてブロックチェーンやVRなど革新的な技術領域に「DESIGN」をプロジェクトにインストールしていきたいと考えています。

そして現在、開発しているプロダクト『Quest』というDAppsがこのような学究的なカンファレンスやイベントコミュニティーを盛り上げよう・成長させようというコンセプトなのです。カンファレンスやコミュニティーの本質的な成長のために、それに関わるあらゆるステークホルダーをつなぎ、学びによる成長を促し、相乗的な体験価値の向上を目指しています。

そんな「学びの場」を考える私が気に止めた出来事3つです。

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①「カシャカシャ野郎」撲滅キャンペーン

近日開催された『Adobe MAX』から気になっていた「イベント中にパシャパシャ写メ音」。カジュアルなイベントならともかくカンファレンスなど"没入感"を重視するような場では、明らかに異質なものでした。

カンファレンスはただの「お祭り」ではなく「学ぶ」ために参加するイベントは参加者はただの「お客様」ではなく、自らも一体となって場作りに貢献すべきだと個人的に考えています。

しかも今回は「デザイナー」が主体性を発揮するイベント。ユーザーの体験を設計するデザイナーが、自らの行為で体験の価値を落としてしまうなんてことは、今後は絶対あってはならないと思います。

そんなこんなでTwitter上で有志数名で騒いでいたら、秒速で運営さんがオペレーションとして最適な対応・対処してくれたことがすごく感動しました。表舞台でも裏舞台でもカイゼンが並行していたあたりさすがデザイナーイベント。今回大きく取り上げてもらい、おおくの方に賛同を得られ連日でアナウンスされたことを嬉しく思います。

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日本特有のiPhoneの仕様が由来ともいえますが、音も含めてUIデザイン、自分たちが存在する場自体も体験であり無形プロダクトです。そんで、ステークホルダーは会場外にも存在していて、LIVE配信を楽しみにしているリモートの方、抽選漏れで涙をのんだ応募者もいます。二次配信もありますのでノイズは大変な価値の毀損で、1ピクセルのズレどころの話ではありません。

散々、今まで意識高いぶったことは言ってきてデザイナー全員がそういう気持ちにはなれないと今まで割り切っていた部分はありましたが、ここだけは譲れませんでした。

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※AdobeMaxが悪いわけじゃないです

ご自身がデザイナーでこれやってたならマジで「ふりかえり」をしてください。領域の越境とかサービスデザインコンサルで金とってくとか説得力が皆無です。炎上覚悟でいいますが、デザイナーしっかりして注意できるぐらいになってください。

自らもデザインで導く役割であり、気づける視座があるのに自ら行動しないで誰かの行動結果を批評するだけの人は「それ以上越えられない人」です。

即効性は高いですが、もちろん単に禁止することが必ずしも良い手段とはいえませんが、より良い方法は次回から「みんなで考える」素敵じゃないですか?

ある種の最初にできる身近な「デザインシップ」じゃないでしょうか? 会の進行とともに勝手に対処されたとは思いますが「参加者も体験デザインの一体となる場作り」今後のスタンダードになってほしいですね。

自分も大学生の時に同じような視座の低さから無知から招く悪意のない「同調行動」を経験したことがあります。「周りをがやっているなら大丈夫👌」というやつです。行動経済学にもよく出てくる話ですね。

自分を棚に上げて言いますが、そのような経験を誰かに言われずとも五感で気づき、発信できることがデザイナーの強みであると期待していたりします。失敗も成長の元。まずはきっかけを元に気づけるになって課題を考え始めることは良いことです。

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②醸成されたTwitter実況文化の恩恵

グラフィックレコーディングが表舞台で華やかに進行される中、裏舞台ではTwitter実況が盛んにおこなわれていました。そこも表現が実に多様です。

当然ながらTwitterでの実況は単純に個々の感想や意味のない言葉の陳列ではなくリアルな会場とあわせ相補的な役割を持ちます。

Speakerの言葉の端々で発せられる膨大な経験から積み重ねられてきた縮語の数々を比較的キャリアの浅い参加者は手放しに理解するにはあまりに酷であります。単語や文脈は受け手によって解釈も異なり多くの前提知識を用しますが「Twitter実況」はそれを補う役割と議論を展開する効果があるといえるでしょう。

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※引用元 こまどりさん

有志の参加者はTwitter上で、知見の厳選とされるWebアウトプットや参照元のリサーチなどのサポートに加え、自らの体験を元にした「単なる感想」とは違う成功談・失敗談をツイートし、更には自らリアルタイムで作成したグラフィックレコーディングや図解をおしげなく公開し、場を盛り上げました。

これは、今年も多く誕生したデザインコミュニティーで培われたアウトプット文化の醸成が功をなしたといえるのではないでしょうか?私がジョインしている『InHouseDesigners』もその一つです。

現場至上主義ではなく、タイムライン上のやり取りでこそ活きるコミュニケーションも存在します。スマホ・タブレット端末画面への依存性が高いことは否めませんが、カンファレンスやコミュニティーイベントで間違いなく平行軸で新しい世界が育てられていることを肌で感じました。Vチューバーならぬ、名Twitter実況者が生まれるかもしれませんね。

私自身も二日目はリモートでの参加でしたが、モチベーションや温度感はおかげさまで高い水準でキープされた気がします。

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③領域越境の即時効果

UXデザインやサービスデザインの定義など、今までも多く議論されていましたが共通言語として扱うにはあまりに包括的であり、視点によって捉え方や活用の目的が異なるため本質的に交わることがなかったように思えます。

今回の「Designship」で事前の案内があったように、経営層や領域の異なる方の同伴が推奨していました。会場の方は定量データがでないとわかりませんが、業界をリードしてきた登壇者たちのオープンクエスチョンは今回の盛況を聞きつけてWeb上で様子をうかがっていたオーディエンスや各界隈のアーリーアダプターに注目されていたと感じています。

登壇者をはじめTwitterで発信力のある方は、領域を越境する取り組みをひたむきに続けていたことから、元より繋がりが多かったのでしょう。

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イベントに全く関係ないフォロワさんからすればタイムラインを騒がせで迷惑とも思ったのですが...私自身も大いにツイートしたことでアクティブなフォロワが100名近く増えたり、新たな繋がりできました。更に、期間中に2つのコミュニティー(VR勉強会・DApps勉強会)が結成され、執筆などお仕事も2つゲットすることができました。発信って大事ですね。

一番うれしかったのは、比較的新しいブロックチェーン界隈やVR界隈のビジネスサイドからエンジニアリングの領域の方から反響があり、「まずデザインの何を学べば良いのか?」という“問い”と“歩み寄り”があったことです。今後のアウトプットは、デザイナー向けだけではなく読み手がテック向けを想定し工夫する余地があります。

「デザインが必要」「デザインが大事」なんて話は今に始まったことではなく、歴史として繰り返されてきました。改めて「共業≒協業」の潮流がきた今我々はどのようなnextアクションを取るべきなのでしょうか?

デザインシップの潮流を地方にも!

自分事でいうと2016年まで石川県でサービスデザインやクライアントワークを泥臭くやってきました。DMMに転職してこの二年間で、自分でも大きく飛躍できたと実感し、視界が開けた気がします。現在も東京・金沢・加賀という3拠点生活をしています。全て、成り行きですがこれも自分の独自性であり個性です。二日目はリモートでウコッコ(烏骨鶏)さんのお世話をしながらLIVEを視聴していました。そういうゆるい働き方も今後ありかな。。

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それもこれも「とりあえずやってみる」から始め、ひたむきにデザインの可能性を信じて、営業もエンジニアリングもゲストハウスなどやってきた独自の積み重ねの成果かなと思っています。地方とか東京とか関係ない、田舎でもクソ中央集権的な会社でもデザインをワイルドにブチ込んでいくスタイル。

結局は、YATTEIKI(やっていき)。地方にもこの熱量を伝えていきたい。

まとまらない、まとめ

2日間という短いあいだでも数々の名言が飛び出しました。

・「鋭い喜び、発見を求めて外に飛び出しましょう」
・「まずはやってみればいいじゃない」
・「一流になれなくても超二流になれる」
・「デザイナーは確信をもってプロトタイピングしていきましょう」

デザイン史に残るロバート・フローマン、ブルーノ・ムナーリ、デル・ローエ、グロピウスといった偉人たちの言葉も心に響くものですが、 情報技術発展との蠢く環境の中でデザインの道を切り開いた現代の偉人たちの言葉の重さはまた違ったものです。

個人的な総括でいうと、良いサービス、良い組織、良いプロダクトを形にするためにまずは、自分をプロダクトとして例えてプロトタイピングしていけば良い、というエモい答えにたどり着きつきました。

ただただ早く、チャレンジして失敗して小さな成果を積み上げる、ただの繰り返しでなく積み上げること。少しずつ循環する円はしだいに大きくなって周囲を巻き込んでいきます。

これで名実共に「プロトタイピングおじさん」を名乗れます。

とりあえず、自分は自分の好きな領域でデザインシップを発揮して、来年はあの場にたてるようなプレゼンスを発揮していきたいです。

来年も楽しみです。

最後にビジリーチさんがブースで催していた「あなたは何をデザインしていきますか? WE DESIGN IT 」で、なし崩しで宣言した一言で締めます。

僕のWE DESIGN IT は「Decentralized」

"技術"によって非中央集権が実現されて、あらゆるものが自律分散が可能になった社会。人間は本当に自律できるのか? "技術"によって人間の信用や信頼が担保されるような世界で、人間はどのように生きていけるのか? そんな中の人間の感性や体験をデザインしたい。そんな世界で新しいサービスやプロダクトを生み出したい。デザインのパワーでリードしていきます。

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あなたは何を「WE」でデザインしていきますか?

みなさんもデザインシップ発揮していきましょう!(使い方あってる?)

補足

この記事はInHouseDesignersアドベントカレンダー3日目の投稿です。
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