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小さなサロン演奏会

数十人も入ればいっぱいになる

小さなサロンで

オーボエとバイオリン、ピアノで奏でる演奏会が開かれた

皆さん、プロのひと
ピアノ伴奏は普段は声楽家
今日は特別…

バイオリニストは母のお気に入りの青年

やさしい眼差しの彼の弾くバイオリンに魅せられて

いつの間にやら彼のファン

昨年夏もそのサロンで彼らの演奏会があったけど
母は具合がよくないと行けなった

無理しても連れて行くべきだったか

無理はいけないな

いまだに迷っている、悩んでいる

今回、母は魂で聞いているの
私が背負って連れてゆく

おかあさん、いい音色だね

横に居たのは
たまに来る知り合いで
「おかあさん、元気?」
と聞かれる
「昨年末に亡くなった」

彼女も涙を流している
「おかあさん、やさしいひとだったね。たまにしか来ない私にも声をかけてくれたもの」

母のあたたかさ、身にしみる

バイオリンの奏でる曲も身にしみる

泣く曲じゃないと言われても

母との思い出浮かびくる

イースターは魂の復活祭

オーボエ奏者の奏でる曲は亡くなった恩師に向けて

かなしみがうれいが流れ出る


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