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身を挺して

「お母さんは、ばあちゃんの命を伸ばすために身を挺して骨折をした。そこまでやるか…と思ったよ」

息子と話しをしているうちにそんな言葉が飛び出した

わたしは母の命を少しでも伸ばしたかった
それは本当

もう寿命だったのとあきらめたら良かったのか

いえいえ、そんなことは出来ません
自分の命を梳っても
わたしは母と居たかった

かなしい別れは少しでも先伸ばしにしたかった

どんな状況でも一緒に居たかった

でも母の生き方はそれを赦してくれなかった

何でも自分でできるうちにあの世に旅立つ
それが母の願いだった

身体が不自由になるのは絶対にイヤ

でも私からすれば何でもいい、生きていて欲しかった

母とわたしのすれ違い

あまりにもあっけなく

旅立ってしまった母をうらんだ

母の旅立ちは「卒業」と言われても納得なんか出来ない、出来るわけない

母より年老いた、あの人たちはまだ生きているのに
なんで母はいないの

「まだあなたはこの世に必要なんですよ」っておやさまはその人たちに言うけれど、わたしにだって、まだまだ母が必要なのに

不公平

人はいつか必ず土に還るけど
もう少しだけ待って欲しかった

しつこいと言われても
その思いは変わらない

骨折した足がしびれる
でも後悔はしていない

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