童話せんせいじゅつ R15

プロローグ 
《黒曜石との会話》
〈あぁ、まただ。どうしようもなく眠い.....今日は前もってたっぷり寝たつもりだったけど、やっぱり今日も眠くなる....〉
うっすらとそんなことをおもいながら、オパバリは今日も黒曜石を覗いていた。
昔からちょっと変わったことに興味があったオパバリは、黒曜石を使って映像を見たり、なにかの神秘体験が出来るということを本で知ってからというもの、時々黒曜石を引っ張り出しては、部屋を暗くして黒曜石と格闘していたのであるが、今まで一度も成功した試しがなかった。
昨日自分の手相に神秘十字線というのがあるのを発見して、俄然またやる気になったのだった。
〈おや?さっきまで眠いだけだったけど、今日はちょっといい感じの日かな?目の前がもやっとしてきたぞ〉
〈この感じは滅多にないやつだ、でもこの先なぁ~いやいや考えちゃだめだ〉
しばらく頑張っていたがどうにもこうにも眠くなったオパバリ
〈だめだ、耐えられない、ちょっと寝てまたやればいいや〉
っとそのまま、ソファーに深くもたれた。
『おーぃ!おーい......お前だ、さっきから呼んでいるだろう』
どこからか声がきこえる...
結構リアルな夢だな、声がしっかりきこえるし、あぁ、あれか、最近自粛生活で昼夜逆転したせいか、起きてるのか、寝てるのか?わからない時間が増えてきたからこれはいわゆる明晰夢ってやつか。
とオアメノオパバリはおもった。
『面倒な奴だなぁ~ まぁ初めてだから仕方ないか
とにかくだ、お前はおれの声が聞こえていると言うことだ。ようやくだな』
〈うん?ようやく?  やけにリアルな声だな......おれがおまえを呼んだっていってるよ、こんな長ゼリフきける夢もめずらしい.....〉
『最初のリアクションとしてはまぁそんなもんか。まぁいいだろう』
〈うわ!返事されてるよ!って、えっ?これってマジなやつ?えっえっ、だれ?〉
『だれだって?おれはお前なんだけど.....それじゃぁわからないだろうから、仕方ない、おれは黒曜石だ、さっきからお前はおれをがん見していただろう」
〈….黒曜石....がん見....そういえばそんなことをしていたような気も。黒曜石、、、あぁ!そうかついにできたのか?〉
オパバリはさっきまで黒曜石とにらめっこしていたのをようやく思いだした。疲れて途中から眠ってしまったのだったが、半分起きてはまた眠るということを繰り返していた。
『まぁそういうことだ、話せるようになったということだ。そういやお前さんがわたしを手元に置いてどれくらいになる?』
〈えぇーっと、なんだ?たしか秋葉原の「まほろば堂」ってところで特大サイズの黒曜石を買ってから四年くらいになっただろうか?〉
〈最初のうちはせっせと眺めていたけど、全然反応がないから、そのうち飽きてしばらく放置してたっけ。
最近暇になったからまたみてみようかとおもったんだった。〉
オパバリ
『ってなに?今日突然できたのか?
なんでなんで? なんか特別な事やった覚えもないのに....』

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