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他人に投資したい気持ちは人間の本能?|12冊目『「幸せをお金で買う」5つの授業』

エリザベス・ダン / マイケル・ノートン 著(2014, KADOKAWA)

他人のためにお金を使うと幸せな気持ちになる

「パーセプションフロー・モデル書いてみた」↓の中で寄付ナビというサイトのリンクを貼らせてもらいましたが、その寄付ナビでこの
「幸せをお金で買う」5つの授業が引用、紹介されています。

学校で寄付募集の業務を担当している自分にとって「他人のためにお金を使うと幸せな気持ちになる」というのはたいへん興味深い話です。

寄付をすることによって、寄付をした人が幸せになるのであれば、もっと積極的に寄付をすることをお願いできます。

Lecture 5  他人に投資する

そのことが書かれているのはLecture5 の他人に投資するです。

ポイントは以下の6つにまとめられています。

1.他人への善行は自分を幸せにする
2.寄付をすると脳が敏感に反応する
3.幸福感を得るには人との「つながり」が必要
4.他人への投資は、精神的にも肉体的にもプラス
5.向社会的支出は、労働意欲を高める効果がある
6.「つながり」を提供すると顧客の満足を得られる

向社会的支出は労働意欲を高めるというロジックも興味深いです。
著者のエリザベス・ダン准教授は心理学の先生で、実験結果や調査をもとにしてこの本を書いています。
無作為に選んだ行員にお金を渡して寄付をさせたある銀行の調査では、寄付をした行員たちは幸せだと感じただけでなく、仕事に対する満足感も上がったという報告があるそうです。

エリザベス准教授のTEDスピーチ

しかし、エリザベスはTEDスピーチでこんなことを言っています。
「お金を人のために使うことは幸福度を高める」という論文を発表して、その研究結果には自信があったが、一つだけ問題があった。
それは、その研究結果が自分自身にあてはまらなかったということ。

なぜだろうかと調査をして、エリザベスはある法則を発見します。
それは、単に寄付をするなど、他人のためにお金を使えばいつも幸せになれるのではなくて、支援をしている人との「つながり」を見つけ、支援による変化を感じられたときに幸福な気持ちになるということです。

もちろん寄付をすること自体が支援される人にとって意味のあることですが、寄付者にとっても意味があるようにするには、支援者への影響が寄付者に見えるようにする仕組みが必要です。

なかには人の不幸が好きという人もいるのかも知れませんが、私は基本的には誰かが幸せなところを見ることが好きです。

TEDの中でエリザベスは、寄付をしたりして人を喜ばせたいと思う心は、食欲や性欲と同様に、人間の生物としての本能なのではないかとも言っています。

自分もそんな気がします。
貢献欲
とか利他欲とでも呼びましょうか。
そして、地球が危機的な状況に向かっているが故に、その欲が一層アクティベートしているのではないかと思うわけです。
利他欲が地球を救う。

誰かが幸せになっていくところを見ることは、見ている人も幸せにします。
サクセスストーリーやハッピーエンドの物語が好きな人が多いのは、やっぱり人間の本能の影響のような気がします。


つながりの創造をビジネスモデルに

TEDスピーチでエリザベスはこんな風に言っています。

If we want people to give more, we need to subvert the way we think about charitable giving, we need to create opportunities to give that enable us to appreciate our  shared humanity.

寄付をもっとしてもらいたければ、寄付者のヒューマニティに感謝し、支援される人たちの状況が好転している姿を視認できる機会を作る必要があります。
つまり、つながりの創造をビジネスモデルに組み入れるということです。

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