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最好映画。212 「プラトーン」1986年。

ウィレム・デフォーが善人だ!ってびっくりした、ベトナム戦争映画。雨と暑さに蒸せるベトナムの森で戦っていた、兵士たちのお話です。新兵のチャーリー・シーンの顔つきがラスト5年くらいのベテランに見えてしまう成長物語。ラスト、飛び去るヘリを見送るラー役のフランチェスコ・クインが胸を叩いてサインを送るカットで泣いてしまいました。オリバー・ストーンの実体験がもとになった、胸糞悪い状況をエンタメとして描いた不思議な映画です。味方の中にも敵がいるというのは独立愚連隊にも通底するテーマで、高校生の私にはエリアスとバーンズの半目と、味方なのに見殺しにしてしまう戦争の酷さに打ちのめされた映画でした。「フルメタルジャケット」の公開と重なって、どっちを評価するかというところで友達と議論した覚えあります。当時は二部構成なところが気になって「プラトーン」の方が好きだったんです。撮影はロバート・リチャードソン。最近はクエンティン・タランティーノ映画で有名ですけど、初期のオリバーストーンは必ずロバート・リチャードソンでした。「JFK」のスモークと光線はさすがに室内ではないのでないんですが、早朝の森の中でけぶる霧や、夜の戦闘シーンでの花火のような美しさは、さすがです。ともかく役者陣がカッコ良いです。トム・ベレンジャー、フォレスト・ウィティカー、ケビン・ディロン、リチャード・エドソン、ジョン・C・マッギンレー、キース・デヴィッド。当時ウィレム・デフォーは「ストリート・オブ・ファイヤー」「ラブレス」「L.A.大捜査線/狼たちの街」で悪役ばっかりやっていて、まさか好い人役だと思っていないくてオドロキました。音楽はジョルジュ・ドルリュー。トリュフォー映画の作曲家がなんで?って思いましたが、急に空撮になった時の情緒的な音楽でなんとなく合点がいきました。1986年のアカデミー賞受賞作品なんですけど、しばらく忘れてました。今なら「フルメタルジャケット」の方が断然すごい!ってわかるんですけど、観た当時は大好きで、藤沢の三番館まで追っかけました。iTunesストアに出ていたので、10年ぶりに観てみたら、やっぱり面白かったです(⌒▽⌒)


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