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育児とはマネジメントである

娘は毎日すくすくと育っていて気づいたら1歳半。仕事と育児に追われる生活を続けながら重要な気づきがあって、それは、育児とはマネジメントである、ということ。

多くの人は育児や家事を「作業」と思っている。しかも偏見のある人からすると「単純作業」なのではとすら思われていたりする。でも、実際に育児をやっていると、こうした考え方がどうもぴんとこない。「単純作業」だとしたらなんでこんなに毎日疲れるんだろうか。

で、改めて考えてみると、育児は意思決定の連続だということに気づく。毎日めまぐるしく状況は変わる。そして、子供の体調が悪い時どう対応すべきか、どの病院が最適か、待機児童の多い厳しい状況のもとで保育園戦略はどうするか、子供が急に泣き出した時どう対応するか、どんな食事を与えるべきか、などなど育児では常に意思決定が求められる。しかも一人目の子供であれば、過去に一度も経験したことないので、意思決定のもとになる情報や経験は限られて、常に手探り状態。

これはまさに「マネジメント」の仕事だ。与えられたリソースは限られているし、手持ちの情報も常に部分的。しかも未来がどう動くかはやってみないとわからないことだらけ。こうした不完全な状況下でも、マネジメントは「意思決定」しつづけなくてはいけない。これはまさに育児で求められることと同じだ。

よく、育児や家事はアウトソースしてしまえばいい、という話が外野からはあがる。これは経営の観点でも一つの真実ではあって、定型業務をアウトソースすることによる経営上のメリットは確かにある。しかし、どの業務をどういった粒度でアウトソースするか、というのはまさに意思決定が必要な部分だし、仮に定型業務をアウトソースしたとしても、その後に残るのは、マネジメントとして意思決定する、という非常に難易度の高い部分。これは育児でも同じ。子供をどういう方針で、どのくらい「限られたリソース」を投入しながら育てていくか。これはなかなか高度な判断を要する。

さらに言えば、うまくアウトソースできたとしても、育児って、結局マネジメントだけでなく細かい実務を同時にどっぷりこなす必要があって、スタートアップを立ち上げた社長みたいなものとさえ言えるかもしれない。しかも、1人目なら、その領域で経験やスキルがないのが普通という厳しい前提。離婚全体の3分の1が子供が3歳までに起こる、というように「破綻」が珍しくないのも起業に似てると言えるのではないだろうか。

「育児とはマネジメントである」この認識が世間に広がるといいなと思う。専業主婦だけでなく共働きであっても、日本は主に女性が育児を担っているけど、それは決して「単純作業」なんかでなく、複雑で難易度の高い「意思決定」を必要とするものなんだよ、と。そして、こういう認識が広がれば、俺ももっとそこに関与していかなくちゃな、と思う男性も増えたりするのではないかとそっと期待する。

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