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今日の気になる言葉123

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#140字小説

「埼京線の人身事故。」
は、何が原因だったのか、何かトラブルがあったのか、何かの前にスマホが関係していたのか、何か防ぐ方法はなかったのか、何か残されていたのか、何をその人は思っていたのか。何も知らされず、今日も埼京線で「人身事故」が「信号機故障」と同じ口調で伝えられる。

書く行為には癒しの効果がある。
という説を本当の話と直木賞作家の東山彰良氏(先日の『日本経済新聞』朝刊)。氏は博士論文が却下に次ぐ却下で皿洗いや通訳で糊口を凌いでいたとき突然、小説を書き始めた。そして「自己嫌悪や劣等感が言葉を磨く」ことに気づく。私は書く行為の原点を再確認した。

「ウチの娘なんだよね。」
武井壮氏は、泣きそうな眼で「ファンです」と20歳程の女の子に言われた数日後、学生時代に交際した女性から電話で冒頭の言葉を言われた(先日の『密会レストラン』)。年齢的に辻褄が合い50近くになればある話だ。私も「この子のお母さんは?」と思う事がある。

「一人残らずスーツね。」
明治大学情報コミュニケーション学部の新入生セレモニーで森達也氏は隣の教員のこの言葉を聞く(『生活と自治』6月号)。入学式に服装の決まりはないのに学生たちは濃紺などを含め全員黒系スーツ。“個性重視”はお題目だけの異様な集団帰属意識は他学も同じとか。

子供の頃の生活を話題にする。
のがデートで結婚の可能性を探る上手な会話と神崎メリ氏(先日の『これから、何する?』)。結婚後に習慣のミスマッチを防げると言うが、それは直せばいい。また、結婚相手をその程度のズレで判断する考え方は二人で築くべき結婚生活に反する。非婚化を助長したい?

「未婚のエリア。」
に属した男性の傾向「電子マネーを使わない/ノートPCやエアコンを買わない/温水洗浄便座なし/健診を受けない/仕事を家に持ち帰る/家電量販店に行かない」 (先日の『AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン』)は既婚の私に全て該当。AIにも苦手はある。

「大人の発達障害。」 について成人の認定者は約24万3千人と先日の「日本経済新聞」朝刊。小島慶子アナも「あさイチ」で軽度のADHDと告げた。対人関係が苦手、衝動的に行動しやすい、読み書きや計算が不得意な人は自身も含め日常にいる。仮に認定されても普通にしているしかない?

「語彙力辞典。」
が人気と先日の「おはよう日本」。「はっきり言語化できないものを辞典が助ける」と主張するが、表現できない気持ちを認知されていない単語で書いても伝わらない=言語ではない。恋人に「幸甚」と書く陳腐さを晒しつつ、だからNHKは発音も劣化させるのだと納得。

『分かれ!』って言うのはやめよう
と、もっと妻に言葉で返そうと呼びかけた安東弘樹アナ(先日の『MOTIVE!!』)。放送媒体に登場する男性MCは職業柄、得てして“妻の意識に鈍感で口下手”な男性像を作り上げる。それこそ、やめよう。私は敏感とは言えないが「好き」と言うのに抵抗はない。

「脚の筋肉、落ちてるな。」
乳がんで1年以上の休養を経て舞台に復帰した藤山直美氏は稽古でそう感じた(先日の『ディア・フレンズ』)。最初は片足立ちで足袋が履けなかったとか。私の妹も原因不明の眩暈で1か月寝ていたら歩けなくなった。今は正常になったが歩ける事の幸福をかみしめたい。

「野党は反対ばかり。」
と言ったら「私は政治を知りません」と宣言したのも同じだ。先月閉幕の通常国会での新規法案95%成立は史上最高で、内43%が全会一致で可決(先日の『日本経済新聞』朝刊)。与党が選挙前に法案を絞った他、立憲民主以外の野党の親自民化も一因とは嘆かわしい。

「コーヒーでキノコを育てる。」
ビジネスがパリで拡大(『Text』03号)。同市内で年間60万トンも出るコーヒーかすに粉砕した段ボール・木屑を混ぜた菌床にヒラタケを植える。するとセルロースを養分に約15日で食用に育つ。ミシュラン星付き店舗のシェフは「水分が出ず濃厚」と味を称賛。

「基礎的読解力調査。」
の結果を基に「選挙公報が読めるか心配」と嘆いた新井紀子・国立情報学研究所社会共有知研究センター長(本日の『サンデーモーニング』)。胃がん検査の注意書きが読めない人が多いという病院関係者の声を聞いたのは約10年前。事実を隠蔽せず教育を変えてほしい。

自分がつかまる杭を打ちたい。 思いと共に暗い地元の夜の灯にと、鎌倉から南相馬市に移住した柳美里氏は「本屋フルハウス」を設立した(先日の『あさイチ』)。「人と人、本と本をつなぐ場所」と定め、80の質問を行い適した本を選んで届ける選書サービスも開始。新たな書店の可能性を創出した。