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ドミノのキャッチフレーズがちょっと残念な件。

この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:ジョブチューンを見たよ。ドミノピザ、9品合格新記録だって。結構食べてる僕は嬉しいけれど、Hungry to be betterっていうキャッチはやめた方がいい、オレは不合格にするな。

ドミノの社長出演でわかった言葉の意味

ドミノピザは、30数年前にアメリカ留学していたときに、料理をする暇がなくてよく頼んでいました。

いわば青春の味、なんです。(笑)

それ以来、日本でもよく頼むようになりました、結構僕はドミノピザのヘビーユーザなんですよ。

ところで、ドミノの配達が来ると、ピザの箱に貼っているテープにHungry to be betterて書いてあるのが気になっていたんです。

https://qr1.jp/165RoY

恥ずかしながら意味がわからなかったんですよ。

でも、このあいだのテレビ番組・ジョブチューン・ドミノピザの巻で、最後にドミノピザの日本支社(だと思う)社長が出てきたとき、その謎が解けたんです。

社長が「We are hungry to be better」と言ったときに、初めてその意味がわかったんです。

「我々は少しでもおいしいピザを作るのに、いつも真剣です」という意味だったとわかったのです。

やっぱり文脈がわかると、そのフレーズの意味がわかるんですね。

紛らわしいメッセージ

僕の英語力はそんなものなのですが、hungry to be betterって、こう誤解してたんです。

「お腹すかせて食べてね!」という意味に、です。

要するにhungryハングリーという言葉を、腹減った、の意味にとらえていたんですね。

だって、ピザだものハングリーは、お腹すいたって思っちゃいますよね。

でも、そうじゃなかったんです。

この場合のハングリーは、「飢えています」の意味で、よりベターなピザ(を作ること)に対して飢えている、つまり、美味しさに真剣です、の意味だったのです。

え、英語の得意なあなたはこうおっしゃるんですか。

「それはいわゆるダブル・ミーニングだよ、2つの意味をかけてるのさ。一つはあんたが言った『お腹すかせて食べて』であり、もう一つは『我々はおいしさに真剣です』という意味さ。意味をダブらせるっていう、洒落た表現をお前がわからなかっただけさ」。

あなたの言葉、たぶん。

うーん、なるほど、いまやっとわかった。

でも、これは釣られるぞぉ、ピザだからハングリーは腹減ったとしか、意味とれないじゃないか。

そもそも、マーケティングメッセージに、ダブルミーニングは邪道だって!

そう、経営学の立場から反論する僕がいます。

でも、大事なメッセージはやっぱり、万人がその意味を同じにとらえなくっちゃ、ですね。

ドミノが世界標準戦略で失ったもの

ドミノのようなグローバル企業は、基本的にマーケティングは世界標準です。

これをマーケティング用語でスタンダーダイゼーション(standardization世界標準化)といいます。

つまり、日本とアメリカで広告宣伝も変えないんです。

スタンダーダイゼーションの代表はコカコーラです。

外見もマーケティングも世界で同じ、統一されています。

青春&シズル感(シュワッ!)を強調するマーケティングも世界共通。https://qr1.jp/3HZ9Xq

だから、アメリカでもドミノピザのボックスには、hugry to be betterの殺し文句(笑)が貼ってあるはずです。

本来は、国によって宣伝文句を変えたり、少なくとも同じメッセージでも、現地語に置き換えることが、マーケティングの王道です。

でも、それにはコストがかかるため、世界中で同じキャッチフレーズを使うのです。

でもねえ、ちょっとだけ英語ができる僕でも、hungry to be betterが通じないんだから、英語に興味のない日本人には伝わらないんじゃないかなあ。

ましてやダブルミーニングっていう荒業まで、駆使された日には。

でも、「おいしさに真剣」のほうが、僕は結論としていい、と考えます。

なぜならば、ピザ各社がイメージ戦略というものを持たないからです。

例えば、ピザーラはどうでしょう。

「ピザーラお届け!」だけでしょ、キャッチフレーズは。

お届けはどこでもやってるって!https://qr1.jp/imsO75

おいしさや品質を謳っていません。

シェーキーズは?

口コミで、食べ放題いいね、が一部で知られているだけです。

新宿シェーキーズ食べ放題。https://qr1.jp/U0IvkX

やはり、ドミノとしては、だからこそ戦略的な差別化できる殺し文句が必要です。

「おいしさに真剣」はジョブチューンでも、見せつけたドミノの隠された真実でした。

いまこそ、hungry to be betterなんて意味のない、日本の消費者にアピールゼロの英語表記をやめて、「おいしさに真剣」にしましょう。

えっ?
ダサすぎる?

あえてそこを狙った、と言ってもダメ?

おあとがよろしいようで。

野呂 一郎
清和大学教授

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