ケンタッキー州・ルイビルに学ぶ日本の物流改革
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:物流改革が日本経済を救う理由。米ケンタッキー州ルイビルがなぜ世界経済の成長エンジンなのかの理由。新「日本列島改造論」が必要な理由。
渋滞が日本経済を滅ぼす
これからの成長産業は何か。それは間違いなくEC、電子商取引、オンライン販売ビジネスです。
でも、その供給網は果たして合理的、効率的なのでしょうか。
最近、年末だからでしょうか、生協の配達が遅れます。
僕は東京から木更津に通勤していますが、12月にはいると、アクアラインが混んで、特に帰りはいつもの倍の2時間半くらいかかることがザラ、です。
コロナでますます取扱量が増えている宅配便サービスにとっては、道路がスムーズに動かないことは死活問題です。
ラストワンマイル、という言葉が最近よく聞かれます。
これは最終拠点からお客様へ荷物を届ける最後の距離を、1マイルに例えた言葉です。
最終拠点をどこにおいたらいいのか、輸送サービス企業の戦略の要はここにとどめをさします。
地理的戦略性で成功した都市
The Wall Street Journalオンライン版2021年12月22日号を読んでいたら、そのヒントを見つけました。
ざっと紹介します。
ケンタッキー州のルイビル(Louisville)のことです。
昨日も書きましたけれど、労働力不足はケンタッキー州も例外でなく、特に倉庫業界、輸送業界の人手不足が深刻です。
理由はUPS(United Parcel Service。ユナイテッド・パーセル・サービス。1日14万個の荷物を扱う、DHL、フェデックスと並ぶ国際貨物航空会社)の空輸拠点ワールドポート(Worldport)が新規に2万5千人の労働者を雇うことにしたからです。
これにともない、食料雑貨、自動車販売その他の小売などの需要も急増、州の労働力全体がピンチに陥っています。
なぜか。
やはり、それはハブ拠点としてのルイビルの利便性です。
ルイビルは全米人口の75%に2時間以内に、物資を届けることができると言われています。
先ほどのUPSのワールドポート」と呼ばれる、同社最大のハブ空港空港があるからです。
この拠点は、メンフィス国際空港(フェデックス最大のハブ)、テッド・スティーブンス・アンカレッジ国際空港に次ぐ全米3位、全世界でも6位の貨物取扱量を誇っています。
空の理に加え、地上の理もあります。
鉄道網も充実しています。
国策として物流改革をやれ
ウィズ・コロナの時代に入りました。
オンラインでの買い物はますます増え、個人そして法人の貨物取扱量が、今後増えるのは目に見えています。
輸送業者の利益だけでなく、日本経済の発展は、いかにルイビルのような、ハブ拠点を作るかにかかっているのではないでしょうか。
ルイビルのような国際物流拠点はないけれど、考え方ひとつです。
航空会社はこれからも不安定な経営が続きます。
JALを国が救ったように、これからも支援すべきでしょう。
コロナが解決しないから、国内輸送に日本の航空会社をフル活動してもらいましょう。
そのためにも、国内にもうひとつふたつ貨物専門のハブ空港が必要ではないでしょうか。
たとえば、北海道からの生鮮食品を全国に届けるためだけの、空輸拠点を作ったらどうでしょう。
そのハブはJAL、ANAをはじめLCC(格安航空会社)全社が就航します。
ラストワンマイルの拠点も、新たにもうけます。
都心に1時間以内で到着する、絶対に渋滞を招かないルートはないですかね。
なければそこからは、ドローンですね。
大事なのは考えることだ
お前、何いってんの?
それはわかってます😁
羽田や成田みたいなところがあるわけナイだろ。
ドローンは飛行条例で、どこでも飛ばせるわけじゃないんだ。
渋滞しない道路なんてあるわけナイだろ。
そうおっしゃるんですね。
ごもっとも。
でも、いま、真剣に物流効率を考えなければ、国の危機でしょ。
国交省がそんなこと考えているとは、聞いてないぞ。
その昔、新潟が生んだ名宰相・田中角栄が「日本列島改造論」をぶちあげました。
高速道路を整備し、新幹線をバンバン創れがその趣旨でした。
今は交通機関や道路の時代じゃなく、どこにどんな拠点を配置するかというソフトの部分が問われているのです。
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
それではまた明日あなたにお目にかかるのを、楽しみにしています。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
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