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パワーポイントより田中角栄。

この記事を読んで高校生のキミが得られるかもしれない利益:ゼレンスキーのスピーチが最高ではない理由。パワーポイントの弱点。オーラル・コミニケーションの要点

準備こそよいパフォーマンスの秘訣?

きのう、勤め先の清和大学でオープンキャンパスがあり、対応要員として駆り出されました。

僕は特に来て下さる高校生に対して模擬授業などなかったので、スケジュール通り進む次第を見ていたんです。

そしたら突然、野呂先生、経営学の授業について説明してください、とふられ、あたふたしたのです。

常に、準備しておかないとダメですね。

起きることが予想されることを頭に入れて、準備をしておく当たり前の重要性に気がつかされました。

即席のスピーチだから、当然いつも使うパワーポイントは使えません。

だから口頭だけでやったのですが、気がついたことがありました。

パワーポイントの欠点

パワーポイントの欠点は、準備していることです。

おや何を言ってるのかな、さっき準備こそが、といっていた口が
反対のことを言うな、ですよね。

それはこういうことなんです。準備するのは不可欠なんだけれど、それはあくまで「プランA」だということです。

演者は常にプランBを、必要によってはプランCを持たねばならないのです

https://www.google.co.jp/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fjp.freepik.com%2Fpremium-photo%2Fbusinessman-hand-flipping-wooden-cube-blocks-with-plan-a-change-to-plan-b-text_8411545.htm&psig=AOvVaw3JJoEZyd_unnkUjViNwBqM&ust=1648387234600000&source=images&cd=vfe&ved=2ahUKEwiO6uqN7-P2AhVJEHAKHWZpBwMQr4kDegUIARCJAQ

パワーポイントで、説明ないし講義内容を準備してくる。それは悪くない。

しかし、パワーポイントの最大の欠点は「固定している」、ということです。

パワーポイントを作りこむ、時に文字で詳しく、図解やビジュアルで目を引くように。

そうした「見せる」パワーポイントのテクニックを紹介する雑誌、書籍、YouTubeが人気です。

どんなにビジュアル豊かでも、動画をちりばめても、グラフを工夫しても、パワーポイントは「固定している」ことが、致命的な欠点なのです。

コミニケーションとはその場の空気に対応することだ

パワーポイントをきっちり作ってきた。あなたは自信満々だ、しかし、中盤にさしかかっても、聴衆の反応がいまいちだ。

https://www.google.co.jp/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fmypocket.ntt.com%2Fcolumn%2Frule-for-create-good-powerpoint-documents.html&psig=AOvVaw0_ekVHSaigNVdlWg-GVL5b&ust=1648387476911000&source=images&cd=vfe&ved=0CB8Qr4kDahcKEwjI8taG8OP2AhUAAAAAHQAAAAAQAg

理由はいくつかあります

①パワーポイントという形式自体がすでに飽きられている。

どんなに見やすく、エンタテイメントの要素を入れても、パワーポイントという形式そのものが飽きられている。アピールとして凡庸になっている。

②聴衆を見てない

演者はときとして、自分のパワーポイントの出来に酔ってしまい、パワーポイントの画面に夢中、スライドしか見ず、その説明を読んでいるだけ。聴衆とのコミニケーションがない

③情熱が伝わらない

コミニケーションの根幹は情熱。情熱は演者が聴衆の目を見て語りかける以外、伝わらない。パワーポイントの最大の欠点はこれ。

④準備してきたこと以外の情報伝達ができない

よいコミニケーターは、常にインスピレーションに襲われる。

しかし、パワーポイントで準備した原稿は「固定して」おり、臨機応変にインスピレーションを入れることができない

パワーポイントという固定化したコンテンツゆえに、アドリブができないのです。

ゼレンスキーのスピーチ採点

以前に、皆さんにすぐれたリーダーはパワーポイントを使わない、という本を紹介したことがありました。

上にあげた項目は書いてありませんでしたが、情熱が伝わらないから、という部分は同じです。

さて、ゼレンスキーさんのスピーチが国際的に大きな評価を受けており、日本でも同様な賞賛が上がっています。僕も最近の記事でほめた覚えがあります。

https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fnews.yahoo.co.jp%2Farticles%2Fd12ff46e321732a19fd5627bf968ce6aca979609&psig=AOvVaw1VtLaV6HK5TMbr4CyJnyPq&ust=1648386395860000&source=images&cd=vfe&ved=2ahUKEwiJnPL96-P2AhUJet4KHWhnBX0Qr4kDegUIARDGAQ

たしかに各国の歴史、事情を考慮し、原稿(カンペ)なしで熱意をぶつけてくるあのスピーチは実に訴える力があります。

しかし、あくまであのスピーチは、オンラインでしかない。

外国の議会に乗り込んで、拍手やブーイングを浴びつつ入場し、演説中に日本だったら居眠りしている議員や、関心のなさげな面々に囲まれながら、予定したプランAのパフォーマンスをやったとしましょう。

それは感動のスピーチではあるんだけれど、最高のコミニュケーションではないんだな。

その場の空気をよんで、アドリブを入れる、もしくはプランBに急遽変更する。

いや、もっともいいのは、アドリブでやってのけることです。

居眠りしている議員が、どうしても気になる。

https://www.google.co.jp/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fwww.change.org%2Fp%2F%25E6%2594%25BF%25E6%25B2%25BB%25E5%25AE%25B6%25E3%2581%25AE%25E7%25B5%25A6%25E4%25B8%258E-%25E6%2589%258B%25E5%25BD%2593%25E3%2581%25AE%25E5%258D%258A%25E6%25B8%259B%25E3%2582%2592%25E6%25B1%2582%25E3%2582%2581%25E3%2581%25A6-%25E5%25B1%2585%25E7%259C%25A0%25E3%2582%258A%25E3%2582%2592%25E3%2581%2599%25E3%2582%258B%25E8%25AD%25B0%25E5%2593%25A1%25E3%2581%25B8%25E3%2581%25AF-%25E7%25A8%258E%25E9%2587%2591%25E3%2581%258B%25E3%2582%2589%25E3%2581%25AE%25E7%25B5%25A6%25E6%2596%2599%25E3%2581%25AF%25E3%2581%2582%25E3%2581%2592%25E3%2582%2589%25E3%2582%258C%25E3%2581%25AA%25E3%2581%2584&psig=AOvVaw1nftfGPqzjWwuw2-DHvtw6&ust=1648387573470000&source=images&cd=vfe&ved=2ahUKEwjC7LWv8OP2AhXkTPUHHVJdDVUQr4kDegUIARDIAQ

ゼレンスキーはそう感じたら、こういうアドリブを放つかもしれません。

「僕は子供のころ、いつも起きられませんでした。業を煮やした私の母親はあるとき、「火事だっ!」と叫んだんです。

私は、飛び起きました。

筆者の想像です
https://www.google.co.jp/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fwww.la-comic-illust.top%2Ftobiokita%2F&psig=AOvVaw0m4sCykc5qEYoxxVRUUdeF&ust=1648386726638000&source=images&cd=vfe&ved=2ahUKEwjGos-b7eP2AhXYEKYKHaLTB_UQr4kDegUIARDSAQ



本当に身の危険が及ばないと、人は覚醒しないのです。

でも、ロシアの侵攻は我々ウクライナの危機だけではないのです。

あなたがた日本人にとっても大きな危機なのです。

広島、長崎に落とされた原爆のことを、皆さんはよもや忘れることはないでしょう。

三回目を私たちはなんとしても阻止しないとなりません。

アリガト

筆者の想像による


とまあ、ベタなアドリブでしたが、こっちの方が準備を完璧にやって、100回リハーサルしてガッチガチに固まったスピーチよりずっといいんです。

高校生のキミには、こういうコミニケーション能力をつけてほしいな。

どっかの国の防衛大臣みたいに、原稿棒読みでアドリブも何もあったものじゃないスピーチは、コミニュケーションではありません。

でも、歴代政治家で、アドリブを入れた臨機応変のスピーチをできる政治家が、一人います。

田中角栄、です。

「皆さん」、と呼びかけられる政治家が今いるでしょうか?

今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。

                             野呂 一郎

               清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー



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