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【PIT】Michael A. Taylorと契約

STも残り1週間ちょっとで終わりますが、GMのBen Cheringtonは慌ただしく動いています。現地3月15日にPittsburgh Pirates(PIT)が2選手と契約合意に達しました。

もう1人…マイナー契約を結んだ投手の方は改めて触れるとして、今回は1yr/$4.0Mでメジャー契約を結んだMichael A. Taylorについて書いていこうと思います。

Taylorのことを端的に言うなら「一流のCF守備を持つフリースインガー」ですね。KC時代の21年にはDRS +19/UZR +13.3/RAA +16でALのGold Gloveに選出されています。

WSH時代の17年からMINでプレーした昨季までの7シーズンで稼いだDRS(CF) +68は2位・UZR(CF) 38.8は3位で、どちらも彼より優れているのはKevin Kiermaier(TOR)のみ。

32歳の昨季は960.1回でUZR +5/DRS +2.8/RAA +7と本人比であまり良くなかったものの、statcastのデータを見るとRangeもArmも上位10%前後に位置しています。

一方の打撃はMLB通算969試合に出場してAVG .239/OBP .294/SLG .389なのに対して、昨季は129試合でAVG .220/OBP .278/SLG .442をマークしました。

(100打席以上で)キャリアワーストのK% 33.5%を喫しながらキャリアベストの21HRを放つなど長打に全振りした感がありますが、PITではもう少しコンタクト寄りに修正する様です。


直近3シーズンで平均rWAR +2.6/fWAR +1.8を記録している選手が加入するのはどこのチームでも嬉しいでしょうが、PITのチーム事情を考えるとそれ以上に価値のある補強になるはず。

[LF] Bryan Reynolds
[CF] Jack Suwinski
[RF] Connor Joe / Joshua Palacios

昨季のOF陣は主にこんな形でした。CFにコンバートされたJack SuwinskiAVG .224/OBP .339/SLG .454と打力は素晴らしかったものの、守備はDRS -10/UZR -1.7/RAA +3とあまり良くありません。

しかも、彼は左投手があまり得意ではなく、先発が左腕の日は度々スタメン落ちしていたんですよね。他にCFを守れるのがUTのJi-Hwan Baeくらいしかおらず、今春はJoeや新加入のEdward Olivaresなど明らかに適性のない選手が就いていました。

彼との契約を知ったMitch Kellerが大喜びした事からも分かる通りCF守備で投手陣をサポートしつつ、上位に比べて迫力のなかった下位打線でビックリ箱として機能してくれるだけで相当なアップデートとなります。

このオフはなかなか契約が決まらず大学で練習していたそうで、今後はマイナーリーガー相手に調整していくとの事。おそらく合流は開幕直前になるでしょうが、経験豊富なベテランなのでしっかり仕上げてくれるはず。


Taylorの加入を受けて現地3月16-18日に3試合連続でBryan ReynoldsがLFではなくRFでスタメン起用されているので、おそらく今季のOF陣はこれがベースになるでしょう。

[LF] Jack Suwinski
[CF] Michael A. Taylor
[RF] Bryan Reynolds

Suwinskiがスタメンを外れる場合は昨季二桁HR&二桁盗塁の右打者・OlivaresをLFに入れて、Joeは左打者のRowdy Tellezと1Bをシェアする形になりそう。

昨季二桁HRを放ち勝負強さをアピールしたJoshua Palaciosや、このオフに獲得してSTで好調を維持しているJake LambBilly McKinneyが3A級に控えているのも嬉しいです。

残念ながら今季昇格してインパクトを与えられそうなOFのプロスペクトは見当たりませんから、出血せずに中堅どころを押さえてデプス強化を図った今オフ一連の動きは良かったと思います。


【参考文献】


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