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【PIT】急転直下のCuban Missile獲得

INFAの紹介記事をダラダラと書いているうち、気付けば1月後半になってしまいました。これが2024年最初の投稿となります、今年も宜しくお願い致します。

さて、現地時間1月22日にPittsburgh Pirates(PIT)がキューバ出身の速球派リリーバーAroldis Chapman1yr/$10.5Mで契約合意した事が報じられました。

事前に噂なども無かったですし、クラブハウスで良い影響を与えてくれるベテランを好んで獲得するGMのBen Cheringtonがお騒がせ男であるChapmanを選んだというのは驚きです。

そもそもPITがFA選手にAAV$10M超のサラリーを提示するのは異例で、近年だと14年オフにFransisco Liriano3yrs/$39.0Mで再契約くらい。 ※ちなみにLirianoの総額$39.0Mは未だにクラブハウスレコード

ここ数年は再建中という事で、限られた予算内で空いたポジションを埋める"補充"という側面が強かったですが、今回に関しては戦力を上積みする"補強"という印象です。


['21] G 61┃ERA 3.36┃FIP 3.99
['22] G 43┃ERA 4.46┃FIP 4.57
['23] G 61┃ERA 3.09┃FIP 2.52

22年はキャリアワーストの出来だったChapmanですが、35歳になった昨季KCで見事に復活。途中加入したTEXでは(CHC以来)2個目のチャンピオンリングも手にしました。

BB% 14.5%は50.0回以上の投手でワースト8位の一方で、K% 41.4%はBALのFelix Bautistaに続いて2位。良い意味でも悪い意味でもバットに当てさせない投球ですね。

かつて平均101.1mphを計測した代名詞のフォーシームは19-22年に98.0mph前後まで低下しており「流石に年齢には勝てないか」と思っていましたが、平均99.0mphとしっかり戻してきたのが要因でしょう。


PITには昨年WBCアメリカ代表&オールスター選出を果たした地元Pittsburgh出身のクローザーDavid Bednarがいますから、Chapmanはセットアップを担う事になるでしょう。

PITのブルペンは平均97.9mphのシンカーで押すColin Holderman・本人すら予測不能の変化をするスライダーを投げるDauri Moreta・K/BB 8.25の技巧派左腕Ryan Borucki・35登板でERA 2.25のルーキーCarmen Mlodzinskiといった、知名度は無いものの悪くないリリーバーが顔を揃えています。

とはいえ、コンテンダーで7-8回を務めるのはやや不安があるメンツですから「8回Chapman→9回Bednar」という逃げ切りの形を確立出来たのは非常に大きいですよね。

このオフに獲得したスターターがMarco GonzalesMartin Perezという「5.0-6.0回を3失点あたりでまとめるベテラン」ですし、ブルペンに厚みを持たせた事で活きてくるかもしれません。

もしTDLを前にWC争いすら難しい様であれば転売も容易ですしね。昨年は半年レンタルの彼でKCがCole Ragansを獲得、移籍後に素晴らしい投球を続けたのは記憶に新しいでしょう。

あと投手と野手それぞれ1人ずつはFAなりトレードなりで補強するでしょうし、それによってはうまく噛み合えば勝率.500どころかPS争いに参戦出来るかもしれません。


【参考文献】


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