見出し画像

【PIT】JT BrubakerをNYYへトレード

Pittsburgh Pirates(PIT)は現地3月29日の開幕2試合目が始まる2時間ほど前、トレードが成立して生え抜きスターターであるJT BrubakerをNYYへ放出すると発表しました。

対価はPTBNL(後日指名選手)という事でまだ発表されていませんが、PITはBrubakerだけではなくinternational bonus money$550K付けています。おそらくですが全くの無名選手にはならないんじゃないかと。


▶ JT Brubakerとは

Brubakerは15年ドラフトで6巡目(全体187位)で指名され、短縮シーズンの20年にMLBデビュー。3年目の22年には開幕投手を務めましたが、昨年4月にTJ手術を受けて昨季はシャットダウン。今季の開幕も60日間ILで迎えていました。

MLB通算でERA 4.99/FIP 4.43と平凡ではあるものの、彼のシンカー&スライダーのコンビネーションは非常に魅力的で、現在30歳ながら更に良い投手になる素養はあると感じています。

同じPIT→NYYでClay Holmesという前例もありますしね。もし劇的な改善が無かったとしても、20年が47.1回(162試合換算で127.0回)・21年が124.1回・22年が144.0回と一定のイニング消化能力は有り。


▶ なぜ放出されたのか

Brubakerは20年にMLBデビューしているため25年オフにFAとなるため残り2シーズン保有となりますが、前述の通り昨年4月にTJ手術を受けているため復帰は球宴明けの見込み。つまり実際に稼働出来るのは1.5シーズンという事ですね。

PITのローテはそれなりに実績のあるMitch KellerMartin PerezMarco Gonzalesの3人がいて、トッププロスペクトのJared Jonesが開幕ローテを勝ち取りました。

3A級には元トッププロスペクトのQuinn Priesterや実績のあるEric LauerDomingo Germanも控えており、マイナー最高のピッチングプロスペクトと評される23年ドラフト全体1位指名のPaul Skenesがデビューの時を今か今かと待っています。

PerezとGonzalesは今オフFAなので来季はいるか分かりませんが、昨冬にTJ手術を受けたJohan Oviedoが復帰予定ですし、今季は2A級で開幕するであろうBubba ChandlerAnthony Solometoの21歳コンビもMLBに到達する見込み。

…という事で、もちろん全てが目論見の通りに進むとは思っていないものの、彼が稼働する24年シーズン後半~25年シーズンは現状スターターに困っていないと言えます。

ついでに2回目の調停となった昨オフは$2.275Mで合意しましたが、今季中に復帰すれば来季サラリーは$5.0M近くなるはず。安くてマイナーオプションが残っている投手達が複数人いるなら放出もやむなしかなと。


▶ 最後に

思い返せばGMのBen Cheringtonは21年1月、TJ明けで2シーズン保有のJameson Taillonを同じくNYYへ放出しました。「完全復活を証明してから放出」というのは性に合わないのでしょう。

いかんせん現時点では対価が分からないのでこれ以上は何とも言えませんが、MLBで実績のある選手ではなく40人枠外のプロスペクトを受け取る形になると予想しています。

昨季はMLB公式のプロスペクトランキングで傘下TOP10に入っていたEndy RodriguezHenry DavisQuinn PriesterNick GonzalesLiover PegueroLuis L. Ortizの6人が卒業して、質も量もかなり落ちていますから。

地味ながら再建期を支えた投手であり個人的に好きな投手だったので、Black&Goldのユニフォームを着てマウンドにあがるのを観る事が出来ないのは残念ですが…結果としてお互いにとって良い結果になる事を祈っています。


【参考文献】



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?