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1. 土について。(19/09/10-16)

第一回目は火曜日始まり。これから毎週、なんかして記録する。

https://twitter.com/NortonSam1/status/1171218288673607682


19/09/10-19/09/16

とりあえず2日間、光文社新書の『土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて』(藤井 一至)を読む(まだ読んでる)。

著者の藤井さんは、「100億人を養う肥沃な土を探す」をテーマに世界各地を飛び回る研究者。「海外のめっちゃ偉い先生に会いにアポとって行ったらバカンスでいなかった」等、端々に挟まれるエピソードもなかなか面白い。

まず地球の土の特徴の一つは、「粘土」の存在らしい。粘土とは、直径2μm以下のめちゃくちゃ小さい粒子で、花崗岩等が長い年月をかけて風化することで形成される。「水や酸素や生物の働きがないと、岩石は粘土にはなれない」という。(ちなみに火星の赤い土はれっきとした粘土)

もう一つは「腐植」の存在。腐植は落ち葉や枯れ草、動物の遺体などが原型を留めないくらいまで微生物によって分解され、それが長い年月をかけて変質したものを指す。具体的な化学構造も未だわかってないらしく、とにかく「微生物すごい」の世界。粘土がある火星にも、腐食は存在しないらしい。

というわけで、その「粘土」と「腐植」の両方を含んだ地球の土をガンガン調べ上げていくのがこのお話。

本のレビューではないので、以下は本書から自分が学んだ点。

・粘度のひとつである「スメクタイト」は、粘度同士の結合力が弱くその隙間に水が入り込む。この性質を利用し、猫のトイレの砂や下痢止めに利用されている。粘膜を保護する作用もあるらしい。( https://www.sato-seiyaku.co.jp/smecta/about/ )
・粘度は主にマイナス電気を帯びている。そこにカルシウムなどの栄養分(+)が付着している。植物は根から水素イオン(+)を放出し、それと交換に粘度から栄養分をもらっているらしい。
・栄養分を得る上で、寒冷地域ではマツとキノコか共生関係にあったりする。きのこはマツの根の表面を覆うように菌糸を伸ばし、そこからマツの糖分を分けてもらう。そしてもらった糖分の一部を有機酸に作り変えて菌糸から放出し、粘土や鉱物に吸着されたリン酸イオンを解放する。そしてそのリンの一部をマツの根に受け渡しているらしい。
・土の性質を測る一つの基準が酸性 / アルカリ性という尺度。ざっくりいうと、中性から弱酸性くらいが作物の肥育には適している。ただしブルーベリーは酸性に強い、一方ぶどうは中性を好むなど、植物によって適したPH値がある。https://inakasensei.com/ph-control 

ちなみに日本の土壌はかなり酸性に近い値を示す。肥料として石灰等を巻くのは、土をアルカリ性に近づけためである。
土が酸性を示す主な理由は、「土の中で活発な生物活動がある」から。したがって微生物の活動が活発な温暖な地域や雨の多い地域は土が酸性に近づきやすくなる。
・ちなみに寒い地域の土壌(e.g. ポドゾル)も強い酸性を示す。これは有機質の分解が進まず多くの水分が上から下へ移動するため腐植や土に含まれている鉄、アルミニウムなどの化学成分が溶脱され、溶脱することで易溶性のフルボ酸を出すから」らしい。とにもかくにも酸性になりやすいのね。
・雪や氷河に覆われる地域は逆に永久凍土が発達しない。それらが地表を追い、土を冷気から遮断するかららしい。確かにね。
・氷河に削られた軽い砂とかサハラ砂漠の砂の粒子は、風に巻き上げられてはるかかなた南米の熱帯雨林まで運ばれる。NASAの撮影した衛星写真にはこの様子がクッキリと写っている。ちなみにかの有名なチャールズ・ダーウィンは1800年代に既にこのことに気づいて記録していた。ダーウィンはマジで頭がおかしい。

・ちなみに僕が好きになった土は「泥炭土」。
・カナダの湿地帯とかで、微生物の分解が行われずコケ植物の遺体が次から次へと堆積する中で形成されるのが泥炭。なんだけど、スコッチ・ウイスキーに芳醇な香りをつけたり( https://wsk.illwax.net/peat/ )、ジーンズを染めるインディゴの原料も元をたどれば泥炭らしい。
・でなおかついいのが、この「泥炭」って自然発火するらしい。そのせいで泥炭地では度々山火事が発生したりする。「土が燃える」ってなんかすごくない? すごいファンタジー感。https://youtu.be/wxZktkpxJ8Q

【その他雑談】
・「ぬまばばさまのさけづくり」ってデンマークの絵本知ってます? あれはまさに泥炭地の風景だったような気がする。読みたくなった。
https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=5506
・あと乾燥地域で栽培されるナツメヤシの実、「デーツ」がおたふくソースに使われていることを今日知った。
次は是非とも土のPHを測定する機械を買ってあらゆるところにぶっ刺してみたい。ということでamazonで注文しちゃいました。
 
https://www.amazon.co.jp/dp/B000E5ZLSC/

19/09/12
泥炭土気になったんでもうちょい見てみる。
「泥炭土.pdf」で検索すると、Kubotaの資料が出てきた。
https://www.kubota.co.jp/siryou/pr/urban/pdf/13/pdf/13_2_6.pdf

泥炭土は酸性土壌の代表的なものであるが,それは塩基で飽和されていないカルボキシル基に もとづくものである.また泥炭土では,NH4+, K+,Ca++,Mg++の陽イオンの保持力が弱く、流亡し易いのは,陽イオン交換反応に関係する ものが大部分カルボキシル基によるためである.

(↑なんでここ引用してんのか自分でも記憶がない)

・そして私の故郷には日本唯一の「モール泉質」を銘打った十勝川温泉があるが、驚いたことに「モール」というのはドイツ語で泥炭(Moor)の一種を指すらしい。まじかよ泥炭。モール泉(Wikipedia)
・でも確かに言われてみればモール温泉茶色かったな。北欧の泥炭地域では川の水に泥炭が溶け出して茶色くなるとか言ってたけどそれと同じことが起きてるんか。
・ちなみにモール温泉は火山やマグマの地熱によって暖かいのではなく、「微生物が発酵するときに出す熱によって温泉が出ることが判明」している。それまたなんとも面白い。

19/09/13
『土と内臓 (微生物がつくる世界) 』を読む。めちゃくちゃ分厚いし3000円もする。買っちゃう。

19/09/14~
購入した酸度計が家に届いた(4500円)。なのでそこらじゅうにぶっさして土のPHを測りまくる。楽しすぎて禿げる。
「PHがわかってどうなるんですか?」と聞かれるが、正直PHがわかるのがなんか楽しいだけ。PHがわかること以上のことは特に何もわからない。というか興味があまりない。


まとめ

始まりの週としてはよかった。楽しかった。


次回予告

「首を鳴らさない」


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