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2020 第100回天皇杯 武蔵野シティFC vs 栃木シティFC

「事実は小説より奇なり」

 この試合を観終わった後に頭に浮かんだ言葉です。
 いやぁ。本当に、サッカーって分からないですね。NHK-BSでも生放送されていたのでこの試合をテレビ観戦した方も多かったのではないでしょうか。「劇的」とか「奇跡」とか、いろいろ言葉はあるのでしょうが、それを上回る試合展開でした。0-3というスコアで、後半43分。誰がここからの逆転劇を想像出来たでしょう?漫画でもこんな展開を描いたら「やりすぎ!」って思ってしまう内容。
 でも「事実は小説より奇なり」です。それは第100回天皇杯で実際に起こりました。
 私は武蔵野シティを長く応援しているので、それなりのバイアスが掛かっている事はご承知いただきたのですが、それでも鳥肌ものでした。テレビで見ていて0-3になって残り時間も5分を切った時点では「もう観たくない」って思いが頭をよぎったのは事実です。Jリーグ参入を断念した今、天皇杯だけが救いのような想いがあっただけに、0-3という事実は結構心にきつかったです。
 でも、こういう結果になったから言う訳ではないのですが、武蔵野の選手たちがボールを本当に必死に追いかけてたんです。それはもう本当に必死に。テレビで観ていて、それが伝わってきて、テレビを変える事が出来なかったのです。残り3分を切って、3点差。でも、ボールに食らいつく選手達。「神様が見ていてくれた」なんて言葉では選手達に失礼になる。神様ではなくて、選手たちの強い想いが引き寄せた大逆転劇だったのだと思います。
 後半43分、右サイドからのクロスを田口が得点。「なんとか1点もぎとった・・・」正直な私の感想でした。でも、武蔵野の攻撃は止まりませんでした。アディショナルタイム1分過ぎ、今度は石原がワンツーからダイレクトでゴール左隅に叩き込むと、その2分後、またしても右サイドからのシュート気味のクロスに田口が同点弾。
 それはたった6分間の出来事でした。
 試合はそのまま延長戦に。それでも決着が付かず、PK戦。武蔵野は一人目の石原がはずしてしまいます。「あー、やっぱりきついか」そうまたしても思った私の考えを武蔵野は再びひっくり返しました。栃木も4人目がはずし、PK戦も再び振り出しに。そして6人目。ついに決着。武蔵野の勝利でした。
 120分間とPK戦。長い試合でしたが、武蔵野が栃木に対して試合の中でリードを奪ったのは、なんとPKの6人目。試合の最後の一振りが決まった瞬間だけでした。 
 もう何も言う事はありません。ここまできたらもうベスト8でもベスト4でも、元日決勝だって行ってやりましょう!
 そして全国に「東京武蔵野シティFC」の名を轟かせてやりましょう。それが、再び武蔵野がJの舞台を目指すきっかけになると信じて。

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