西武新宿線花小金井駅近くに新しく出来たやきとん屋さんでやきとんとキンミヤ焼酎が遠慮なく注がれるバイスサワーにやられた話。

花小金井駅の東側を通るせいぶ通りの踏切の横にあった小料理屋さんが閉店した跡に、なにやら改装工事が始まるを興味を持って眺めてました。

開口を広く採り、木の質感を表して進む工事に、鎌倉にあるような線路沿いで江ノ電を眺めながらコーヒーを楽しむコーヒースタンドならうれしいなんて勝手に思いを馳せて。

しばらくしてほぼ出来上がり開店準備をするガラスに貼られるアルバイトの募集に「やきとんゆうやけ」。お、飲むところとむしろ前のめる気持ち。調べると一橋学園に本店のある2号店、

オープンした後に、通りかかり店内を覗くと、焼き場にあがる煙と串を頬張りジョッキを煽る楽しげな酔客たちに今すぐ暖簾をくぐり交ざりたいの衝動が沸き上がる。

とにかく電車のそばを感じて飲めるが（は）的に◎。なんだろう江ノ電が目の前を走るへの憧れか、ただテンションが上がるんです。

夕飯食べてくるからと息子が友達と遊ぶと出かけるエイプリルフールの土曜日。今日だなと仕事のかみさんにLINEをすると秒殺で行く！と帰ってくるメッセージ。

夕方に仕事から帰るかみさんと少しだけ遠回りをして散る桜を眺めながら自転車道路をやきとんやきとんと自転車を走らせる。

車道も歩道も狭いせいぶ通りの鳴り響く踏切の手前。自転車にまたがり、暖簾越しに扉を開けて座れますかと尋ねると、大丈夫ですよとお姉さんに柔らかな笑顔で迎えられる。

線路沿いの店舗の脇に押し込むように自転車を止めて、やきとんとかかれた暖簾をくぐるとほぼ満席の賑やかな店内。唯一空いていたテーブル席に案内されて良かったねと一息つく。

カウンターに5席、テーブルで6席ほどのちいさな空間。カウンター越しの焼き場に店主。お姉さんは奥さんのよう。

中生を２つとお願いして、眺めるメニューをあれとこれとこれも食べたいと品定める初めましての楽しい時間。

少しして届く中生にあわせて、やきとん盛り合わせ5本とマカロニサラダとねぎレバと煮豆腐を奥様に。

乾杯と煽るビールの冷たく爽快な喉越しに大きく息を吐き生き返るとつぶやく中、窓越しを駆けていく西武線にテンションが上がる。これだよ求めたのは。

味噌仕立ての煮込みの汁に浸かる座布団のような豆腐から。口に運ぶと濃いコクの汁がからむ硬めの豆腐。こういうのが良いと思うようになってずいぶんと経つ重ねる歳。ビールがただ進む。

ねぎレバは、胡麻油にまみれたみじん切りのねぎがたっぷりとのる隙間にぷっくらとしたレバーが覗く串。串を持ち一片を頬張るとむっちりふわふわのレバー。ごま油の薫りとほどよい塩気が口に広がるやわらかでぷりっとはじける弾力。うん、おいしいとかみさんとしばらく浸る。

どんと届く山盛りのマカロニサラダ。硬めのマカロニにからむたっぷりのマヨと黒胡椒のつんとした風味が安定のせんべろ感。箸が自然に動いてただおいしいと頬張りビールを煽る。

２杯目はバイスサワーにする。キンミヤが注がれたジョッキにコダマ飲料のピンクが満たされる瓶。ピンクを注いでカラコロと交ぜてグビっと煽る。

5本の串の盛り合わせは焼き上がるごとに届く焼きたてをの気配りが伝わる串。噛みしむハツ、ふわふわなチレ、こりこりナンコツとタン下とカシラ。どれもうまい。

ずっと気になる視界の先にある隣のテーブルに鎮座する赤身の肉の皿。あれはと奥様に尋ねるとハラミステーキと教えてもらう。お願いして届くそれはポン酢の海に赤みがテカる肉が泳ぎこんもりと大根おろしがのる肉好きに響くそれ。

降り掛るガーリックチップと大根おろしをまぶして噛みしめると身がしまるむぎゅむぎゅと咀嚼で味わう肉食べてるの肉。ポン酢のタレが絶妙でたまらない。

心地良くおかわりするバイスサワー。同じグラスで良いですかに良いですよと渡すジョッキになみなみと注がれてきた中。てか、ほぼ中。キンミヤで満たされるジョッキ。酔わしてどうする。バイスで色を付けて煽る。くらっとする。

トイレは一度店の外に出て線路沿い。黄色い電車が通りすぎる風を浴びて席に戻る。

もう一度と心を奪われたねぎレバをお願いする。届くそれを頬張りしあわせに包まれる僕ら。今度こそ最後ともう一度ねぎレバ。頬張り包まれるしあわせ。これだけでバイス何杯いけるかと自問。

お会計をお願いすると電卓を弾く奥様から手渡された伝票に『6730』。え、あれだけ飲んで食べたのにとびっくりして、計算間違えてないですかと奥様に声をかける。

巻き込まれる愉快な主人と奥様の柔らかな接客。この場所に気軽に通えるせんべろな場ができたのがうれしい小平の東側の住民。

出がけの窓越しに走る西武線。心地良い振動とガタンゴトンと駆け抜ける音がやっぱりいい。バイスサワーのような色で灯る赤提灯が目印です。

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