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形がもたらす縁を見通す

形をつくる行為、つまりデザインは、紀元前から人類が行ってきた営みです。形と縁は、本来ひとつのものでした。例えば屋根があるから雨を防げるように「機能」もひとつの縁の形です。それだけでなく「祈り」のような抽象的な縁も、形が取り持つものでした。まず願いがあり、縁を祈り、その縁つまり関係性を形にすることが、ものをつくることでした。だから文様や印や記号など、つねに形は祈りと縁の媒介であったのです。僕たちの先祖は、誰が何故その形をつくったのかという見えない縁を記すべく、銘として大切に刻んできました。

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