プロジェクトは趣味にする

好きこそ物の上手なれ、といいます。実際に一流の人に話を聞いてみると、確かに彼らはその仕事が好きな人ばかりです。好きならば上達も早いし、効率よく進められる。それによって、彼らは一流になっていったのでしょう。そうはいっても、人生必ずしも楽しい仕事ばかりではありませんよね。そんな時は、こう考えてみてください。楽しくないのはよく知らないからで、速やかにそのプロジェクトの楽しさを見つけるべきだと。

プロジェクトがはじまると、僕はまずその周囲で趣味にできるものを探します。オーケストラのブランディングがはじまれば、知らなかったクラシック音楽を聴き、音楽史を調べ、オーケストラのマンガを読む。お寺のプロジェクトがはじまれば仏教思想を調べ、写経や座禅や阿字観を体験する。化粧品のプロジェクトがはじまれば女子に交じってオーガニックコスメショップに行ってスキンケアを体験する。そんな風に、そのプロジェクトの周囲を趣味として体験していくのです。新しい種類の仕事をするたびに小さな新しい趣味が増えていきます。

プロジェクトの背景や周囲を、趣味として能動的に理解することで、発想の精度は格段に上がるし、趣味を共有すればクライアントとの関係は格段に良くなります。それがユーザーとの共感にも繋がります

この方法は様々な学習に応用できます。僕は英語の学習を「アニメ」「マンガ」「ゲーム」で行ってきました。留学したことや海外に住んだことは一度もありませんが、現在は海外の大学で英語で講演したり、ビジネスで議論するには十分な英語力が身につきました。ここでも「趣味にする」がキーワードです。

一見つまらないものの楽しさを見つける行為こそが、クリエイティブの嗅覚です。その嗅覚を磨いて、日常のあらゆる場所に拡張させることで、マイナスに向かおうとする気持ちに打ち勝って、プラスに転換する。そして継続して、大きなプラスを育てる。憂鬱な気持ちで仕事に向かう前に、趣味にできる余地を探してみてください。

Photo : 山本山リブランディング(2017)
1690年創業、日本で最初に煎茶を販売した老舗のリブランディング。江戸期のロゴマークと書体をベースにリデザインした。このプロジェクトのために我々は煎茶と書道について深く学んだ。
Client : 株式会社山本山


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