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久松湯で。(練馬区桜台)

 どこかいきたいと言い続けるだけ言い続けてきて数十年。いつも具体的なビジョンはなく「どこか」「温泉とか」等曖昧なことしか言わないで数十年。

 ふと思い立って調べてみたら都内でも近郊でもそこそこ「温泉」があると知る。非日常はすぐ近くにいた。なにをやってた数十年。急げ、逃げてしまわないうちに。

 明日パート休みだからどっか行きたいなと調べたら「どこか」こと「非日常」こと夢の「温泉」が練馬区に、しかも「東京都の公衆浴場料金」で入れてしまう「久松湯」を発見。現在東京都の入浴料金は470円。安…っっっっ。

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 昼前、桜台から歩く。練馬区は農道そのままにコンクリをドッハァァァ……と流し込んだだけ!みたいな道が多いのでかなり細く、入り組んでいる。

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 えっここ何叉路…????

 整備された道路ならば1つの地点から放射状に伸びてくれるであろう分かれ道も、ここ練馬区では枝的に互い違いに分かれているので難易度やたら高い。映ってないけど手前にも2本あるし神社の参道は本数に入れていいのか。入れていいなら確かここは道が6つ分岐してることになり、ここの正解のルートを選択できた先に温泉がある。(この難易度に入湯後、泣く)

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 ハ???ここも何叉路???叉路を抜けたと思っても次から次へ、n叉路が立ちはだかる練馬区。でもなんとかまだわかりやすい放射状な5叉路。

 この5叉路を渡ったところに「久松湯」があった。

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 5叉路に惑わされた先に急に視界がひらけて出現した久松湯。

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 急に近代的。どうした練馬区。(道に迷って生まれた練馬区への謂れのない偏見)

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 下足箱は100円入れる式のロッカーだけど100円玉は戻ってくる(優しい)。
 入ってすぐの番台で公衆浴場470料金円(サウナは料金別)払う。
ううう上京した頃はまだ340円くらいだったんじゃあ…とか思いながら払う480円払う味わい深さよ。

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 番台で下足箱とロッカーのキーを交換してもらう。この床、左半分は床暖房入っててぽかぽか暖かかった。

露天風呂(天然温泉)

 天然温泉は露天風呂にて入ることができる。施設建築物で四方を囲まれた中庭に茶色く湯がたゆたっている。源泉はナトリウムらしく、夜中には練馬中のアニマルが舐めにくる勢いのしょっぱさだった。

 顔について口に入った湯のあまりのしょっぱさに、群がる練馬アニマル(非実在)を想像しながら空を見ていると、さすがに都内に公衆浴場、そこまで広いわけではなく、カメラより狭いような切り取られた四角いフレームに流れ込む雲を眺めてたらかなり首を痛めた(真上を見上げる状態になるので)。

 熱くはないがすぐ茹だる性質なので上がっては中庭で外気に身体を晒す、を繰り返していると練馬区で全裸とは…?という気分になってきて楽しくなる。普段日常を活動している都内で今全裸。開放感とか快感はまったくないけどおもたるいと感じていた平日が地続きでの全裸で阿呆らしくなってきて気分が楽になる。何セラピーか。セラピーと非合法活動(全裸)の線引きを考える。昼間っから。練馬区で。

内湯と他施設

 全体的に設備も新しく本当に綺麗。モノトーンを基調にしためちゃオシャ。誰でも抵抗なく入れ、多分面倒な上下関係もない(数十年前の銭湯人生になにかあった)。
アメニティ
公衆浴場なので皆無。レンタルはあるけど各自用意推奨。タオルに石鹸シャンプーもってこい。
サウナ
平日午後で、誰も入ってなかったので穴場なのかも。(未利用)
浴場の種類
ジャグジー的なやつ(水流がドッバアアアて流れるやつ)、高炭酸湯(ホカホカするやつ)、電気風呂、水風呂、シャワー。
更衣室
綺麗でロッカーも大きく余裕。ドライヤーは3分20円だったと思うので使う人は入る前に両替しておくとといいかも。

 はじめて「電気風呂」に入ってみた。ごく弱い電気が流れてるらしく、「ドンッドンッ」と刻んでくるのと「……ン…ンン…ブ…ワアアアアアアア!!!…ンン…ン…」とウェーブでやってくるの2種が繰り返されていた。
 なにが身体的にいいのかわからないなりに浸かっていたら、その電流に合わせ手の指が勝手に縮こまり、のばしたはずの指、すなわちパーが、強制的に関節を曲げられグーにさせられていく。ヒューマンには自分の意志などなく、ただただ微弱な電流に従ってるだけ…というお気持ちに強制的に理解させられる。おすすめ。人間の意志など…フィジカルにはクソほどにもなんにもならんのじゃ…が、入浴料金数百円で思い知らされるのほんとおすすめ。

 入浴後、湯冷しがてらエントランスでしばらく今週の読書、『戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」』を読む。いやあ…偽書とか超古代文明、夢がありますよね…。すき…。

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(みんなだいすき超古代偽書。)

 ーーーーーーーーここからは銭湯関係ない迷子の記録です。ーーーーーーーー

 入浴後、せっかくの練馬なので散歩しようと、ちょっと歩いただけで方向を失う。ここから数時間、練馬区から出られなくなる。

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 とにかく方向を誤らせるn叉路が多すぎる。

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 あっ、ただしいガチャガチャだ!(武器や防具やスパイ用具的なものが入ってるガチャガチャがすき…)

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 高低差だったり斜めだったり迷わせるn叉路が多すぎる。

 何気なく入り込んだ先々でどんどん迷い、帰れなくなる。

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 そこかしこにある謎の活発な信仰。活力がある。

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 ようやくひらけた道路で辿り着けたなにか…!がJA。とりあえずここで野菜を買う…。

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 迷ってたら突如現れた巨大ケヤキ。いきなりの巨木。すがるよりない。ここはどこですか…。

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 一応、Googleマップを使ってはいるが、練馬区、誘惑が多く正しいルートを示されながらも「婆さんのクロマツ」ってあったらルート外れてでもそっち行ってしまう…行った…また迷った…。どんどん家が遠くなる…。

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 こちらが「婆さんのクロマツ」。なんかあって婆さんが蛇になって、なんかしたらしい。

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 婆さんがなんかしたっぽい由来をそこはかとなく伝える橋の石板。無論説明はない。

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 川沿いに歩いたらどこかに出るだろう…と歩いてたら通りすがった公園にあった鳥居。ここだけ急に高台になる。

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 川沿いなのに急にここからそこそこ高台。

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神社だ。高い。

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 誰もいないようにみえるけど放課後の小学生がやたらいた。境内をドロケイで縦横無尽に走る小学生(に、みえたもの)。

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 一応来たから賽銭を…と思うが賽銭箱見当たらなく諦めかけていたら、酒の巨ペットボトルたずさえて走り登ってきた参拝者が現れ、このガラスがくり抜かれた穴から投入すると知る。

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高ーい。

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高ーーい。

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 そして迷いに迷い、川沿いに歩くと新たなJAが迎えてくれ、練馬区の烙印をまた押される。そこかしこが練馬区で、とにかく練馬区の存在とその意思を感じた。(ここあたりでようやく駅を発見、無事帰路に着きました。多分5キロくらい歩いた。)

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 練馬区で購入した練馬野菜たち。(おいしかった!)

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 練馬区で買った練馬エクスカリバー(練馬大根)。

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 練馬エクスカリバー、よわい。

久松湯、その2(おすし付き)

前回行った都内温泉「さやの湯」はこちら。

温泉に奮い立たせてくれた「熱海」に日帰りで行った記録はこちら。


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