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大塚国際美術館に行ってきました(気になった絵画編)

今回は個人的に気になった絵画を取り上げます。
 

1.「エデンの園」(リヴィエール、ヒュー・ゴールドウィン)

エデンの園
エデンの園(一部拡大)

女性の表情がたまらない。これまで大変だったけれど、あなたを信頼していますよ、これから希望の生活がはじまるのですね、と言っているよう。男性が二本の傘を持っている。きっと彼女の傘も持っているのだろう。そして女性は両手で男の右手を包み込むように握っている。傘からは雨のしずくがしたたり落ちている。雨は上がったばかりのようだ。
これまでの経験で、女性が両手で包み込むように握るのは、相手に最大限の優しさをおくるとき、または、いとおしく思っているときです。
 
この絵の横にあった解説は下記。

晩秋の冷え冷えとしたロンドンの公園の一角である。空は暗く重苦しいが、女の顔には晴れ晴れとした笑みが漂い、男もまた女に優しい眼を差し向けている。二人が何かを乗り越え、何に打ち勝ってここまで来たのかは想像するしかないが、この公園が二人にとっては愛と希望に満ちた<エデンの園>であることは確かである。一度は追放されても、やがて罪を自らあがなってエデンの園に帰ることを許された、現代のアダムとイブの図である。

2.「オフィーリア」ミレィ、ジョン・エヴァレット)

オフィーリア

オフィーリアはシェークスピア作「ハムレット」の登場人物でハムレットに冷たくあしらわれて発狂したあげく、川に落ちて死ぬ悲劇のヒロインだそうです。
作者は時代ものの衣装を着たモデルを浴槽にいれて写し取り、背景は田舎の実景とのこと。現代でいう合成写真のようなつくりになっています。
水のなかで服のスカート部分がふわっと浮いている様子は実際に観察したからこそでしょう。それにしても女性がなまめかしい。

3.「ミッデルハルニスの並木道」(ホッベマ、メインデルト)

ミッデルハルニスの並木道

オランダの並木道を描いた作品で有名な絵画のようですが、初めて鑑賞。遠近法でどこまでもつづくような道を描いており、その消失点に鑑賞する者の視線誘導してます。素敵な絵ですね。

4.「キリスト昇架」(リュベンス、ピーテル・パウル)

キリスト昇架

一般的にはルーベンスと言われますね。
この絵はフランダースの犬のネロ(絵描きを目指していた)が死の直前に見たものということになっています(この絵を見るためには拝観料が必要で貧しいネロにそのお金はなかった)。アニメ版フランダースの犬で、ルーベンスの絵を見た後、ネロと愛犬パトラッシュとともに昇天する。
※フランダースの犬は、水車小屋の娘のモデルはいたとのことですが、ネロのモデルがいたわけではないようです。
写真では大きさがわかりませんが、かなり大きい作品です。見上げるように展示されていました。
中央パネルの寸法は、縦460 cm、横340 cm、 左翼パネルと右翼パネルの寸法は、ともに縦460 cm、横150 cmとなっています。

5.「バベルの塔」(ブリューゲル、ビーテル)

バベルの塔
バベルの塔(一部拡大)

バベルの塔という言葉は有名だと思いますが、絵をじっくり見たのは初めてです。
 この絵のなかに1400人もの人が描かれているそうですが、その人物サイズとの対比で、高さは約510mだそうです。
現在でも神の領域にはまだまだですよね。

ほかにもたくさんの名画を見ることができます。大塚国際美術館すばらしかった。絵画好きの方なら超オススメです。
 


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