もしデザイン会社の経営者がD2Cのピザをつくったら ( 着想編 )
初めまして。栗和田大輔と申します。
大学3年時にデザイン会社を立ち上げ、2023年で17期目になります。
学生時代は町のとんかつ屋さんから始まり、今はグローバル企業も含めてブランディング・マーケティングを行っています。
つまり、「潜在的に魅力あるものを、魅力あるものとして世の中に届ける」仕事です。
そんな僕は今、冷凍ピザのD2Cに挑戦しています。
なぜ全く経験のない食品業界に参入したのか。
未経験の中でぶつかった壁はどんなものだったのか。
少ない予算を持ち出しでやりくりする中で、製造・物流・販売・広告の予算はどのようにきまってどのように頓挫したのか(笑)
そんなお話を、僕みたいに異業種からプロダクトを作ろうと考えている方や、単純に読んで楽しんで頂く方のためにできる限りオープンにお伝えしたいと思います。
僕が10年以上感じていた2つの違和感
僕がD2Cのピザに挑戦しようと思った背景には、僕自信がずーーーっと抱えてきて解決策が見えなかった2つの違和感があった。
違和感①料理にこだわっているお店ほど運営がうまくいっていない悲しい現状
違和感②家で手軽に食べられる納得のいく“美味しい家メシ”がない・・・
この2つの違和感が、冷凍ピザというD2Cのプロダクトを通すことで、解決とともに今までになかった新しい食体験が生まれるということに気がついた。
違和感① 料理にこだわっているお店ほど運営がうまくいっていない悲しい現状
僕自身の生業はブランディングとマーケティングだ。
ゴルフスクールや、ネットショップ、人材業、BtoBのサービスやSaaSなど、を支援したときには、良い仕事ができた分だけ、反響があった。
ところが、飲食店の支援は、まったく狙い通りいかないことが何度もあった。
例えば、
見たこともない世界の郷土料理を、現地まで旅して嬉しそうに提供していたレストランオーナーのお店は、見たことがないメニューが故に広告を出しても新規のお客さんは来ず、閉店に追い込まれた。
また、
ミシュラン3ツ星の有名料理店で20年修行した職人さんの念願かなってのお店は食べたらわかる最高の料理なのに、この一品というわかりやすさがなく、やはりネットやSNSとの相性も最悪だった。
こちらも3年で閉店になってしまった。
どちらも僕が大好きなお店だったのに僕の今までの経験などなんの力にもならずただただ経営が悪化していくのを横目で見るしかなかった。
どうしようもない無力感とともに、いつかこんな素敵な人達の応援ができる方法を自分が見つけられたら、この人たちの天才的な才能を世の中に出したい、という強い想いが僕の中に残った。
失礼を承知の上で正直な気持ちを話すと・・・
こだわりの詰まった渾身の120%の料理を出すお店よりもそこそこのクオリティかつ大衆向けの60%のお店のほうが運営がうまくいっている現状に違和感が拭えなかった。
その違和感を解決するアイデアはないか・・・
そんなことを10年以上頭の片隅において過ごしていた。
違和感② 家で手軽に食べられる納得のいく“美味しい家メシ”がない・・・
僕はお酒が飲めない。
「あのお酒が美味しくて・・・」なんて話を聞くと、心底うらやましい。
なんて人生楽しそうなんだ。
だから、せめて食べることは2倍3倍楽しんでやるっ!
香りも微妙な食材の違いも分からなくなった酔っ払いを尻目に、堪能してやるっ!
という意地みたいなものが昔からもあって、レストランや飲み会では、その分料理を存分に楽しんでやろうと、いう意気込んでいた。
そしたらいつの間にか、本当に食べることが人生の中心であるかのように食好きになり、食材や香りに意識を集中して味わうことが日常になった。
B級グルメから高級レストランまでたくさん外食をしていたが、仕事がハードになると、コンビニ食、カップラーメン、冷凍食品、Uber Eatsなど手軽に済ませてしまうことも増えてしまった。
コンビニ食や冷凍食品なんてもう、3日後にはなにを食べたか全く覚えていない。
外食では納得の行く美味しい食事が食べられる、けれども毎日食べていたら体重が8kgも増え、謎の高熱が1か月続いた。
お金もびっくりするほどかかった。さすがに控えた。
家で調理すると、健康的でこだわりもいれられるが、毎食美味しく作れるようにするには、膨大な手間か経験かセンスがいる。
仕事は充実していても、健康や「美味しいもの食べる」という喜びが消えてしまい、思っていたよりずっと大きなストレスを感じていた。
一生で4万食しか食べられないのに「空腹を満たすだけ」の食事が美味しいもの好きの僕は、どうしても許せなかった(笑)
忙しくても少しの手間で・・・
なおかつ出来立てで・・・
「これだわぁ・・・」と思わず一言こぼれてしまうような
満足感の高い家メシを毎日食べたい・・・!
そんなふうにずっと思っていた。
違和感の掛け算で生まれた「グルメな人と食の変態が出会うピザ」
ある時同じように多忙な友人から
「自宅の冷凍庫にピザが入っている」
「いつも焼き立てが食べられて、好きな食材が乗っていて楽しい」
という話を聞いた。
「それだ!!」
とその瞬間思った。
「ピザならいつでもオープンで焼きたてが食べられて、
生地に乗せるものも自由自在にできる!」
「料理人とコラボして“ピザじゃないピザ”を作ろう!」
「それらを商品化して120%の渾身の料理を作る料理人へ還元できるような
新しい経済圏を作ろう!」
どんどん着想が湧いていった。
【料理にこだわっているお店ほど経営がうまくいかない現実。】
×
【手軽で美味しい納得のいく家メシがない現実。】
↓
料理の変態と一緒にプロデュースする、家庭で手軽に焼ける新しい冷凍ピザ
課題を掛け算により、新しい冷凍ピザの形が鮮明になってきた。
「いままでのピザとは全く違ったピザにしたい」という想いから、
「NOT PIZZA」と名付けた。
そこから、僕のピザ探求の道(というか沼)が始まった。
その過程はまた別の記事でお伝えできればと思う。
新しい冷凍ピザ「NOT PIZZA」を通して「食のプラットフォーム」を実現したい。
「食の変態のようなプロのとっておきのレシピ」をピザに載せて流通させ、毎日美味しいものが食べたいグルメさんが幸せになる。
そして、日の目を浴びなかった特殊な食材やレシピが表舞台に出てくる。
美味しい食が家庭でたべられるようになる結果として、様々な食のプロに書籍でいうところの「印税」のような形で、報酬が届き、新しい研究の余裕がうまれる。
家で美味しいごはんが食べたいという欲求が、
「食を中心としたプラットフォーム」をつくりたいという想いに昇化された。
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