8/1午前0時の森放送終了後にたぶん死ぬオタク

8/1 15:45。
私は金属バットで後頭部をぶん殴られた。

前日衝動的に親知らずを抜歯したことにより、痛み止めをバチボコ服用していた私は、仕事中尋常でない眠気と戦っていた。
(Twitter…じゃなくてXを開くんだ…みんなのエックセズで意識を取り戻そう…)
その結果、本格的に意識を失うことになるとも知らずに。

X上で、8/1放送の、「午前0時の森」の、予告動画が、解禁されていた。

ダメだって。
この時間にそれはダメだって。
社畜、もう働く気力無くすて。
デスクなのでさすがに無音再生していたが、喋っている髙橋海人の口の歪み方。
無音でもわかる。確実に若林口調だ。
若林の前で、若林を、やっている。
笑い崩れる若林と水卜ちゃん。
これはあかんやつや。確実にクオリティ高すぎて笑っちゃってるやつや。

気づいたら、イヤホンとスマホを「King & Princeとうちあわせ」のグッズのミニバッグにぶち込み、トイレに立てこもっていた。
馬鹿みたいに電波の入らない弊社ビルの中で唯一電波が入るトイレに。
廉も海人も、まさか「社畜が動転してトイレに立てこもるときに使ってほしいなぁ」と考えながら作ったわけではあるまい。
しかもぶち込んだスマホケースには、同じくグッズのステッカー(通称キンプリマンシール)が挟んである。
King & Princeへの背信だ。
でももう、すでに業務中にXを見た挙句職務放棄した私にとっては、余罪でしかなかった。

トイレに入り、イヤホンを装着して、震える手で動画をタップした。

若林海人「夏休みはまだもらえてないんだけどぉ、家族と旅行とかいきたいよねぇ」
(後頭部ぶん殴られタイム)

書き起こしが正確でなくて申し訳ない。
本来もう一度聴き直して書くべきだが、もう1回聴いたら座っていられる自信がない。
正直、今思い返しているだけで結構限界だ。

追い打ちをかけるように「2週連続」「ほぼノーカット」のナレーションが聴こえてきた。

眩暈がした。
やられる。日テレの「オタクをただの灰にしちゃえ☆」という意思を明確に感じる。
日テレは俺らを葬りに来ている。
情報解禁だけで眩暈がしているのに。
1週目で大半のオタクは土に還るとして、辛うじて残ったオタクを2週目で焼き尽くし、駆逐しようとしている。

愚かなことに、もう1回動画を観てしまった。
「夏休みはまだだだだだ…」「2週連ぞぞぞぞぞぞ」「ノノノノノーカット…」
頼む。やめてくれ。再生した俺が悪かった。震えが止まらん。
「脳と心臓を、守りまぁす」と言いながら、身体の末端の血液が撤収していった。
待って…そんなことしたら、立ってらんないじゃん。

トイレの壁に身体を預け、何とか立っていた。便座に座ればいいのだが、もう動くとかいう次元ではなかった。
数分間トイレの個室で佇んでいた。
トイレの清掃員の方が、2回来た。ごめんなさい、私待ちですよね。トイレットペーパー補充しないとですよね。
すべては日テレのせいなんですよ。

デスクに書置きをしてくるべきだった。
「のっぴきならない用事が出来たので、(土に)かえります。今PC上で開いてるファイルとかまじでどうでもいいので、電源落としといてください。」と。

TLのみんなを巻き込まなければならない、と思った。
「リング」のようにこの呪いの映像を拡散して、ともに血液を撤収させてやる、と思った。
140字ギリギリの文章を添えて引用エックセズした。
改めてTLを見ると、みんな結構生きていた。普通に喜んでいた。なんてつよつよオタクなんだ。
みんなが怖い。日テレもFFも若林も海人も、全員怖いよ。

1ミクロン残っていた社会人としての矜持が、私をデスクに戻した。
目の焦点が全く合っていない自覚があったが、何とか仕事をしているフリをした。
電話応対も同僚との会話も、中森明菜もビックリのウィスパーボイスしか出なかった。

フィジカルメンタルよわよわオタクの私は、たぶん今夜死ぬ。
もう、それを回避する方法など考えていない。
今考えなければならないのは、1週間以内に蘇生する、あるいは霊となる方法だ。
幸い、8/2が満月なので、なんかそれっぽいアレで何とかなりそうだ。
あとは、自宅のリビングにダビデの星を書き、太めの蝋燭を置いておけば、金田一少年好きの夫が何とかしてくれるに違いない。
ただ、子供たちには寂しい思いをさせて申し訳ない。

ごめんね、でもおかあさん、どうしてもみたいんだ。
わかとかいとのかいこうを、みなきゃいけないんだ。
おかあさんがつちにかえったら、そのうえに、りんごのきをうえてね。
まいとし、おいしいみを、つけるよ。

書いてて本気で泣きそうになってきた。
やっぱり、諦めたくない。
夫と、子供たちと、まだまだ一緒にいたい。

がんばる、おかあさんがんばるよ。
とりあえずきょう、しんぞうがびっくりしないように、れいすいしゃわーあびるね。

皆さん、来週また生きてお会いしましょう。バーイ。