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King & Prince「ナミウテココロ」の2軸構成について(再編集版)

私は過去に、
King & Prince「ナミウテココロ」の2軸構成について
というタイトルで、「ナミウテココロ好きすぎ、歌詞良すぎ」という趣旨の記事を書いた。
そこから約2ヶ月。

まずはこいつを見てくれ。
そしてできれば下から見て欲しい。

私のnoteの記事一覧

WWT(私と〜)の勢いはちょっと無視するとして、ほかも読んでいただけてありがたいな〜ときて、ナミウテ記事だけ♡(スキ)数いきなり下がる…よね…。
(参考値だけど、最近の記事の♡数は50ぐらい。)

理由は分かってる。
ナミウテの歌詞については以前Xでかなり詳細に語っているので、内容的にはほぼそのまとめである。新規性がなかった。
あと、私の解釈がピントズレズレすぎてて誰も共感しなかったのかもしれない。

でも…でも俺は諦めたくない!!!!
ナミウテちゃんが好きだから!大好きだから!!!
みんなにナミウテちゃんへの想い、もっかい聞いてほしい!!!!
そしてナミウテ担増やしたい。
(あの頃よりフォロワーさん微増したし、初めて読んでくださる方もいるかも!という打算込み)

「ナミウテココロ」は2ndアルバム「L&」収録曲であり、当然公式に音源などアップされているはずも無い。
ただ、素敵にカバーしてる方がいらしたので、未聴の方はこちらを聴いて「えっ、いい曲…」してほしい。
(もちろんこちらの動画はピアノアレンジですので、原曲の雰囲気とはまた違います)

以下は、当時アップしたオリジナルの記事である。長くなったがここまでは追記およびプロローグだ。
ではどうぞ。


King & Prince「ナミウテココロ」の2軸構成について

思てたんと違う…

海人担と称しながら私は、King & Princeのオリジナルアルバムは「Re:sence」しか持っていないという超モグリファンであった。
当然それは非常にまずいと思っていた。
ので、手に入る範囲内で「Made in」「L&」を購入した。
そして、「L&」を聴きながらTwitter上で初聴き感想を実況するという迷惑行為を行い、順当にフォロワーを減らした。

その中で、
「めちゃくちゃ好きめちゃくちゃ好きめちゃくちゃ好き」
「現時点でキンプリ曲で1番好きまである」
と脳直ツイートをし、
あまりの”良さ”に気が動転したままライブBlu-Ray「Re:sence」を購入してしまったほどズキュンだった曲が「ナミウテココロ」だった。

「めちゃくちゃ好き」の前に来た感情は、
「思てたんと違う…」だった。
なぜか、タイトルから「ナミウテココロ」はウェイ系の曲だと思っていた。かつ、「ナミウテ」なので、夏のウェイ曲≒湘南○風系だと思っていた。
キンプリもそういうのやるんだぁ、と。さすがのキンプリさんもそこまではやってなかった。今後やる可能性はあるが。

「ナミウテココロ」は、Awesome City Clubのatagi氏提供曲である。
POPS / ロック / ソウル / R&B / ダンスミュージック等、メンバー自身の幅広いルーツを MIX した音楽性を持つ、男女ツインヴォーカルの3人グループ
でおなじみのAwesome City Clubさん。
え、今Wikiから全コピペした?うん、したしたー。
すみませんなまえしかしらなかった。
青年期終わりかけなもので、昨今の音楽に疎いんですわ…(絶対に中年期(壮年期)とは言わない。私の人生に中年期はない)

まぁーとにかく音がおしゃれですわ。すごいね。音楽的なこと全然わからないから、おしゃれとしか言えない!最初はやっぱりこのおしゃれなアレンジで魅了された。

魅了された後はぜったいにやらなければならないことがある。自問自答だ。
なぜ自分がこの曲を好きなのか、自分に問いかけなければならない。
絶対に、だ。

というわけで、歌詞の考察をしていく。
というかこのテキストはそれ以上でもそれ以下でもないのでご承知おきください。

曲全体の構成

これ以降を読む前に、ナミウテを聴いたことのない方は歌詞を読んで全体の流れを把握したほうがわかりやすいと思う。

本テキストのタイトルにもある通り、私はこの曲は2軸構成の曲と解釈している。
では何軸と何軸か。
シンプルに、縦軸と横軸、言い換えて水平と垂直である。
曲中、水平移動を象徴する部分、垂直移動を象徴する部分が多数存在する。
具体的には次セクション以降で述べていく。
が、その前に「水平」「垂直」に収まらない描写についてここで言及していきたいと思う。

Listen to my heart beat ナミウテココロ
なりたい自分は きっと きっと

冒頭、永瀬廉パート(めっちゃ声合ってて好きぃ~)、かなり籠った音だ。
これは、タイトル「ナミウテココロ」と、その後に続くAメロ「バスタブの中」との合わせ技で、水中を表現していると断定する。断定だ。

そして、バスタブという狭い空間で水に囲まれるこの状況。
そうだね、羊水だね。
詞の中で、バスタブ以上の量の水(川とか海とか)が出てきたら、それはもう原始への回帰または母胎への回帰(≒死と新生)なんだよ。
J-POPってそんなもんなんだよ。椎名林檎の「浴室」だってそうだろ。
ということで、この羊水から出るということが、新生≒「なりたい自分」になる、ということを表している。
この曲のテーマを冒頭で提示しているというわけだ。

ここ以外は私の中ではほぼ「水平」「垂直」パートなので、次セクション以降になる。

水平要素…外的、アンコントロールな要素

1)時間経過
まず、最も大きな水平要素が「時間経過」である。
時間は、水平移動。グラフ書くときも時間は大体横軸でしょ?(文系)
ここを否定されてしまうともう何も言えない。

この曲でいう時間経過はもちろん、夜→朝だ。
ただしそれ以外にも細かい時制の表現がある。
2番Bメロ

思い出す日々にgoodbye
頼りすぎてしまうのさ だから今夜
描き出してみる Oneself 瞳閉じれば

思い出す日々とはもちろん「過去」だ。
過去の経験と思い出に頼らず自己を描くことは、すなわち今そして未来に更新され続ける、新しい自分を思い描くこと。
今の自分のデッサンであり、新しい自分のロードマップを描くことだ。
なんとこのたった3行で過去・現在・未来の3時制をフルコンプだ。
(この表現『愛の再告白』でも使った)

2)夜風
これも水平だと言い張る。
縦に風が流れたら、もう台風か竜巻だ。ココロナミウってる場合ではないので、早く風呂あがって服着て備えてほしい。
水平要素であり、軽めの障壁でもある。
「なりたい自分」「果てない明日(未来)」は、夜風の向こうにある。
越えなければならないのだ、夜風を。
しかしこういう障壁を表現する場合、一番ベタなのが「壁」とか「ハードル」だ。
ベタはダセェ、というのはもちろんあるだろうし、障壁となる存在をだいぶソフトな夜風と表現しているあたり、この曲全体のまなざしの優しさを感じる。

3)マーブル模様に輝き出す街
マーブル模様、小学校の図工でやりましたね。
水の上に絵具を数滴たらして、水面上でそれらが混ざり合ったものを紙に写し取る、あれです。
はい、どう考えても水平です。

以上、「時間経過」「夜風」「マーブル模様に輝き出す街」。
これらすべて、主人公を取り巻く外的な要素であり、個人にはアンコントロールな部分である。
「街は作れるじゃん」とか言わないで。私は三菱地所じゃない。

垂直要素…内的要素

1)視点の上昇
もっとも大きな水平軸が時間の経過としたら、垂直軸では「視点の上昇」がそれにあたるだろう。
物語が水中から始まり、街を経て、ラスサビ「だんだん明けていく空」へと上昇していく。
己の視点を動かすのは誰か?もちろん自分だ。コントロール可能な要素だ。

2)ため息
これは本来垂直要素ではない。しかしあるギミックによって垂直要素になっている。

まどろむまま バスタブの中 潜り込んで
ため息 ぷかり 浮かべた

そう、このため息は浴槽の中で発したものなのだ。だから、ただの気体ではなく「泡」となって上昇する。
ご丁寧にバスタブの中に潜り込んでくれているのでこれは確定だ。

3)微笑みを投げた
これもまた、垂直かといわれると微妙ではあった。
しかし、曲を聴いてほしい。
このパートは海人担殺しの「微笑みを投げたぁ↑あはあぁん↑」だ。
めちゃくちゃセクシーボイス発揮しているのはさておき、音階が上昇している。
100歩譲って垂直ではないとして、結構上めの斜め上昇ということにしてほしい。

以上、「視点の上昇」「ため息」「微笑みを投げた」。
すべて、主人公の動作であり、感情の変化の表出ということで内的要素とくくる。

水平と垂直の交差

これまで挙げてきた水平と垂直だが、曲の大サビでそれが交差する。

だんだん 明けてゆく空
見たことのない朝を迎えに行こう

ここだ。
この2行は水平・垂直の両要素が含まれている。
水平は「朝」だ。夜→朝の水平移動がこの詩の全体を貫いているというのはすでに述べたとおり。
垂直は「明けてゆく空」だ。視点の上昇という意味でもそうだが、空が明ける、日の出、つまり太陽の上昇だ。

総合すると、「見たことのない朝」が交点だ。
水平軸と垂直軸が交差するということは、これまで別軸で動いていた外的要素と内的要素が噛み合う、ということだ。
言い換える。揺れ動く自己と、自分を取り巻く状況が噛み合うということだ。

その朝を迎えに行く、つまりまだ朝には到達していない。
しかしそこにたどり着こう、むしろ自分から迎えに行こうという、あまりにも強い決意を手にすることができたのだ。
もう涙が止まりません。

ちなみに、「見たことのない朝」を「見たことのない明日(あす)」と書き換えても、日本語としては成立する。
むしろ直前の「果てない明日」とリンクする点であったり、朝よりもっと広い未来を示唆できる可能性を考えても、悪くないと思う。
しかし、ここは絶対朝でなければならない。
太陽を上昇させなければならないからだ。それがないと、交点が生まれないからだ。

「ナミウテココロ」とは何か

文中の表現を借りるとナミウテココロ=Listen to my heart beatだが、
これがタイトルになったのはなぜか。

またしても私の神推し・夫氏の登場です。
いちおう物理「も」教える彼の解説を、高校時代に物理で30点台を普通に叩き出していた私が伝言ゲームします。

波を表すグラフで、y-tグラフというものがあるそうで。
心電図をイメージするとわかりやすいと思うが、
「ある物体の振動をY軸、時間経過をt軸にとったもの(ざっくり)」
ということです。
心臓が拍動しますよね?時間が進むにしたがって波が描かれますよね?
そういうことです。放棄。

物体の振動と、時間経過。
あれ、何かに似てますね。

内的要素(ココロ)が上下運動し、夜から朝に向けて時間経過する。
つまり、この曲全体がy-tグラフ=波形を描いている

今この瞬間の心臓の拍動や、ココロの揺れ動きが、夜から朝という長い時間経過で観ると、美しい波形になる。
青年期の不安定さへの優しき肯定だ。

総括する。

「『ナミウテココロ』とは、
 内的要素を垂直軸、外的要素を水平軸にとり、その交点である朝に向かって展開しており、また全体がHeart Beat(ナミ)を表現している曲である。
めちゃくちゃ名曲。めちゃくちゃ好きめちゃくちゃ好きめちゃくちゃ好き。」

以上です。
異論は認めるが、物理的なアレ突っ込まれると泣いちゃう。

Fin

追記:
なぜナミウテココロがウェイ系の曲だと思っていたか、後日判明した。

やだ…サムネダサい……