ユーザーテストというふわふわしたもの。

UXとかHCDとかの話で出てくる「ユーザーテスト」ってなんなの?

半分冗談でエンジニア的にある種ロジカルに考えてみました。

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まずテストはテストです。評価です。正しいか正しくないか、問題はないかをみつけるものです。「ユーザーテスト」もテストと言ってるからにはテストなのだと思います。

テストをもう少し分類してみます。

1つ目の軸が、通称「テストレベル」です。

テストの対象の大小です。ソースコードを1行1行テストするのか、システム全体をテストするのか、運用などユーザーも含めてテストするのか。テストの範囲・対象が変わる「受け入れテスト」とか「単体テスト」とかがテストレベルです。

2つ目の軸が、通称「テストタイプ」です。

どういう視点観点で評価するのか。性能をテストしたいのか。機能をテストしたいのか。ユーザビリティ(操作性)をテストしたいのか。正常系をテストしたいのか。異常系をテストしたいのか。これがテストタイプ。

「テストレベル」と「テストタイプ」は直交した概念なので組み合わせが可能です。

・「受け入れテスト」で「性能」を評価
・「受け入れテスト」で「機能」を評価
・「単体テスト」で「性能」を評価
・「単体テスト」で「機能」を評価

など。

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で。ユーザーテストとは何か。

ユーザーテストとは「ユーザーが関わるテスト」の意味なのだと想像します。

この言葉はテストレベルでもテストタイプでもなさそうです。

本番環境でのテストとかと一緒のニュアンスで、「ユーザー」が関わってくるテストがいわゆるユーザーテストと言われているテストなのでしょう。

となると実際にはそのユーザーに何を評価してほしいか?テストタイプは何か?というのが大事そうです。

だいたいのケースにおいてはユーザビリティテストをユーザーに行ってもらうことになるのだと思います。でも場合によってはユーザーに性能テストをやってもらうこともあるかもしれません。

ユーザーにソースコードの単体テストしてもらうのもありと言えばありですしそれをユーザーテストと呼んでも悪くはないと思います。
ユーザービリティの専門家が開発チーム内にいるならユーザビリティテストをユーザーに頼まないのもありです。

つまりユーザーテストはユーザーが関わっていれば何でもいいのでしょう。

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ということで、「ユーザーテスト」って言葉は「テストタイプ」でも「テストレベル」でもなくてすごいふわふわしている単語で「ユーザーが行うテスト」のことを「通称ユーザーテスト」と呼んでいる。だいたいの場合においてユーザーがテストするのが妥当なユーザビリティテストがユーザーテストとほぼ同義になるけどユーザーが関わっていれば何でもユーザーテストって呼んでもいいよ。という理解であってるでしょうかね……?

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蛇足:もし本当にユーザーテストがあるとしたら

「機能テスト」って言ったら「正しい機能かをテストする」ものですよね。

「性能テスト」って言ったら「十分な性能かをテストする」ものですよね。

じゃあ「ユーザーテスト」って言ったら……そうです「そのユーザーは正しい十分なユーザーかどうかをテストする」ものです……!!

まあ、長いこと仕事していたらたまには事前にユーザーテストでもして良いユーザーとだけ仕事をしたくなるのもわかります (´▽`*)

蛇足2:じゃあなんていえば良いの?

「ユーザーによるユーザビリティテスト」とか。「ユーザー環境○○テスト」とか。そんな感じでどうでしょう?

要はユーザーが大事なのではなくユーザーに何を評価してもらうかが大事なのです。

「受け入れテスト(User Acceptance Test)」はわざわざユーザーって言わなくてもユーザがやりそうだからユーザーは省略可能かもです。

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