INTPは、理解のない環境では”融通が利かない頑固者”と思われているかもしれない話

※MBTI/16パーソナリティは興味深い分析法ですが、当然絶対的なものではなく、あくまで性質の傾向を示すものにすぎません。また私は専門家ではありません。以下INTPに関する文章も、「INTPの私が自己分析も兼ねて考えた一定の傾向」程度に考えて読んでいただければ幸いです。

こんにちは。
自他ともに認めるINTPのDaaです。
クレヨンしんちゃんのボーちゃんもINTPらしいのですが、私も幼稚園時代は結構リアルボーちゃん(?)な子供でした。
休み時間は、園庭の隅で一人、支柱をつたうバラのツタの棘を抜いて過ごしたりしていました。別に友だちがいなかったとか一人でいたかったというわけではなく、自分がうっかりバラの棘でひっかき傷を作る→これは危ない→ほかの人もケガをするかもしれない→除去しよう、という判断のもと、休み時間の度に園庭の隅で棘の除去作業(地道に一つ一つ折っていく)に勤しんでいたに過ぎません。そのうちそんな私に興味を持った他の子たちもやってくるようになり、私としては人数がいたほうが作業が進むので、分担して棘を抜こう!と指示したりしていたのですが、人数が増えたことにより先生にばれ、私は幼稚園の植物を傷つける問題児ということになり教室に連れ戻されました。
あと、ボーちゃんほどではありませんが鼻水も出しっぱなしでした。理由は、もともと鼻炎気味だったのと、鼻をかむのが単純に面倒くさいからです。かんでもどうせまた垂れてくるし、ティッシュを使うのはなんだかもったいないし、すすっていればまぁ気にならないし。他人からどう見られるかとか、みっともないとか、そういう観念は皆無でした。

と、そんな話はさておき、「INTPは、理解のない環境では”融通が利かない頑固者”と思われているかもしれない話」です。
こう思ったのは、私の知人がどうやら職場でそんな扱いを受けているらしいと知ったからです。
このINTPの知人(以下村田さん・仮名)は、ISFP×2、INFP、ESFP、ESTPというメンバーの環境で働いているのですが、どうもISFPの二人とESFP・ESTPから、上記のような、「融通が利かない人」「扱いにくい」「頑固者」「柔軟な対応が難しい人」と思われているようなのです。(と、村田さんの同僚のINFPが教えてくれました)
INTPは本来非常に柔軟度が高く、臨機応変に動ける性質のはず。なぜそう思われているのか。
最初はよくわかりませんでしたが、INFPさんの話を聞くうちに何となく理解。

まず、INTPの臨機応変さというのは、「目標達成のために最も効率的な方法を常に模索している」ことの結果です。この”最も効率的な方法”は文字通りの意味で、そこには”現実的に”とか”常識的に”とか”スタイリッシュに”という条件は付されていません。(もちろんこれらの条件を付したほうが結果的に目標達成に効果的、と判断すれば条件に足します)
なので、時にINTPの行動は突飛に見えたり、反社会的に見えたり、非常識だったり、反感を買ったりもします。それは、大勢の人が前提としているものを抜きにして目標達成のために最も効率的な方法のみを考えているからです。というか、上記の”社会的”とか”常識”とかは、最も効率的な方法を選ぶ際の障害、ぐらいに思っている節があります。
ですから、必要とあらば上司に異議を申し立てたり、会社や社会の規則や暗黙の了解を無視したり、周囲の人の感情を汲まずに行動・発言(そもそもINTPは感情というものに自他問わず疎いのですが)したりします。

では、「自分が『目標達成のために最も効率的な方法』と思っていること」に対して、上司から変更の指示が出た場合どのような反応を取るか。
簡単です。「なぜ変えるのか、変える意味があるのか」を問います。
例えば、「A工程→B工程→C工程」で今まで作業していたところ(そしてその順序にINTP自身も効率的だと納得していたところ)、上司が「今日からはA工程→C工程でよろしく。」と言ったとしましょう。
上司「今日からはA工程→C工程でよろしく。」
INTP「え、どうしてですか。今まではB工程を挟んでいましたが。」
上司「いや、上からの指示だから。B工程しなくなる分楽だし、いいでしょ」
INTP「では今までしていたB工程は無駄だったということですか?」
上司「そういうわけではないけど…」
INTP「B工程を挟んだほうが結果的には効率がよいと思いますが、なぜ変えるのですか?」
上司「……」
と、まあ、ここまで強く主張するかは人によると思いますが(私はします笑)、このような会話が予想されるわけです。
これ、みなさんはどう感じるでしょうか。
INTPが上司を責めているように聞こえますか?指示に反抗しているように聞こえますか?それが、INTP的には全く微塵も露ほども、そのような意識はないのです。

INTPは、ただ理由が聞きたいだけです。なぜその判断になったのか。なぜ今までしていたB工程を省く決断に至ったか。逆になぜ今まではB工程が必要とされていたのか。これらを単純に知りたいだけです。知れば、もっと効率的な方法を提案できるかもしれない。非効率な方法を防げるかもしれない。そこには非難の意図はありません。言葉通りの意味しかないのです。ただ、「どうして?」なのです。

しかし、往々にして人は(特にFが強い人)これを反抗・非難・「したくないから言っている」と取るようです。またSやJの性質が強い人は、「上司/会社が言っているんだから従えばいいのに」と思うようです。
違うんです。INTPはしたくないわけでも、上司に従いたくないわけでもないんです。ただ理由が聞きたいんです。INTPが「え、どうしてですか?」と聞くとき、そこには「どうしてですか」の意味しかありません。「どうしてですか。(私はしたくないです)」でも、「どうしてですか。(あなたは間違っている)」でもありません。

ただ、このようにINTPがこのような反応をしたとき、周囲の人がこういったINTPの性質を理解できていない場合、このINTPの人は、「やり方を変えたくない人」「融通が利かない人」「何か指示するとすぐ反抗してくる厄介者」と認識されてしまう恐れがあるようなのです。

上記村田さんの職場は、不幸にも(?)感情優位なISFP/ESFP、行動優先のESTPが占めており、さらに皆S気質優位のため、なかなか村田さんの意図を理解できる人がおらず、結果「村田さんは融通が利かない頑固な人」と認識されているようでした。(と、村田さんの同僚のINFPは話していました)

ただ面白いところは、この職場では村田さんは「融通が利かない頑固者だけど、悪気はないしさっぱりしていて、いい人」と思われているところです。
癖があるけど(または結構尖ってるけど)、裏表がなくていい人。
INTPはそういう認識をされることが多い気がします。(これは私のこれまでを振り返ってもそうです)
これは、上記のようにINTPが本当に言葉の意味でしか言葉を使っていないから、だと思います。
裏の意味とか言外の意味とか、そういったものを弄しません。それは効率が悪いからです。思ったことは言えばいい。言わないなら言わない判断をした人の問題。ハイコンテクストな会話は面倒くさい。
空気を読まない(読めない)反面、言葉に裏表がない。
それがわかるからこそ、「癖はあるけどいい人」と(特に感情優位の人からは)思われるのではないでしょうか。
(そして平気で上司に物申したり、”常識”と違う言動をしたりするので、”尖っている”という評価も往々にして受けます)

INTPは効率(目的のための最高最速の手段)を求めています。なので、無駄(目的のための寄与度が低いこと、最高最速の手段を妨げる行動、それにかまけることで最高最速の手段から遠のくこと)を嫌います。
(*注意が必要ですが、ここでいう『効率』というのは、狭い意味での定量的・数値的な効率ではありません。もっと抽象的です。例えば、いい結果を出すためには、努力し続けるよりも適度に寝て遊んだほうが結果的にはパフォーマンスが上がるよね、みたいなのも含まれます。また、そもそも仕事でいい成績を上げることが、人生にとって効率がいいことなのか?とかも考えています。)
できるだけ無駄を避けるためにも、疑問は早いうちにつぶしておきたい。
指示が変更になったならその理由を知っておきたい。
知っておけば、二度手間や今後の無駄をなくせるかもしれない。
みんなでもっと効率的な方法を考えられるかもしれない。
ただ指示に従うだけ、命令や規則に従うのでは、長期的に見て効率がいいとは言えない。
そう考えています(と思います)。

以上が、高い柔軟性をもつとされるINTPが、往々にして「融通が利かない」と思われる可能性があることについて考えたことでした。
もし皆さんの周りにこのようなムーブをしている人がいたら、「この人は頑固者なのではなくて、ただ理由を知りたいだけなのでは?」と考えてみてもいいかもしれません。

ではまた。


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