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きっちゃんのつぶやき「日常の周りの単純な疑問が科学のおおもと」

 イグ・ノーベル賞ってご存じですか?イグ・ノーベル賞というのは、ノーベル賞のパロディとして1991年に創設された、世界中の独創性に富んださまざまな研究や発明などに対して贈られる賞です。2020年のイグ・ノーベル賞では、日本人を含む研究チームに「音響学賞」が贈られました。その研究とは、何と声色を変える無害なヘリウムガスをワニに吸わせ、鳴き声の変化を調べるというものです。その結果、ヘリウムガスを吸ったワニは鳴き声が高くなることがわかり、哺乳類と同じように、のどから口にかけて空気を振動させて鳴き声を出していることが確認されたそうです。このニュースを聞いて、最初に思ったのは、この発想はどうして生まれたのかということです。とてもユニークだと思いました。

 当時のNHKの記事に、実験に参加した京都大学霊長類研究所の西村剛准教授のコメントが載っていましたので引用して紹介します。
 西村准教授は、“今回の研究のきっかけについて「鳥はよく鳴きますよね。は虫類はどうなっているのだろうと思うわけです。ヘビやカメは鳴かないし、それでワニで実験をすることになったのです」”と述べています。このコメントも面白いですね。研究者って、こういう発想がないとだめなんですね。

 同じくNHKの記事を引用させていただきますが、とても大切なメッセージを発しています。
 “こうした科学のおもしろさを子どもたちに伝えることについて西村准教授は、「学校での理科の勉強は覚えることも理論も多く、難しいかもしれません。でも、今回の実験のように『ワニが鳴くから実験するとおもしろそうだ』という、日常の周りのものすごく単純な疑問が科学のおおもとだということをぜひ知ってほしいです」と話していました。”

 「日常の周りの単純な疑問が科学のおおもと」。とても素敵なメッセージだと思いました。これからの教育でとても大切にしたいところです。課題を与えられるのではなく、「あれっ」「どうして」と自ら疑問を持ち、自ら課題を発見する力をはぐくむことがとても大切になります。そして、その課題を解決するためにインターネットで調べたり、友だちと協働したりして自分なりの納得解を見つけ出すのです。

 これからは、知識・技能の基礎的・基本的な習得も大切ですが、習得した知識・技能を活用し、課題を解決する課題解決的な学習や探究活動へと発展させることができる授業がますます重要になると考えています。


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