見出し画像

the monogatary #61 | 明日のこと

【プロローグ】

明日を思い浮かべる。
一体。明日はどのような日になるのだろうか。

高校球児としての一日。
多忙。休む暇など存在しない。

始発に乗り。2時間かけて。
自宅から学校まで。通学する。

孤独。
そんな感情が己を支配する。

【第一章】

電車

<1-1>

孤独との闘い。
孤独との決別。

人は考える生き物である。
それは幸福なこともあれば。
悲しいこともある。

学生である期間。
モラトリアム。

多くの学生にとって。
きっとその期間は楽しいものなのだろう。

私にとってはどうだろう。
自宅は戦場。

悩みを打ち明けられる場所など。
無いに等しい。

<1-2>

「阿部!球際強く!」

朝練。
全員が集まる。

短い時間。それでも。
その時間を最大限活かす為。
僕たちは努力を重ねる。

環境を整える。
着替える。そして。
各々が役割を果たす。

<1-3>

朝練を終える。
各々がそれぞれのクラスへと散る。

「おはよう!」

クラスメイトに対して。
僕は元気良く挨拶する。

「阿部!おはよう!」

近藤からの返事。
彼はサッカー部員である。

掴み所が無い。
それでも。同じ理系仲間として。
とても頼もしい。