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ひとり旅 パリ,フランス

ロンドンのヒースロー空港から、パリのシャルル・ド・ゴール空港に向かう。
よく分からない理由で飛行機が遅れたせいで、パリの空港には夜の11時に着いた。

パリにはゾーンというものが存在しており、ゾーン1がパリの中心部で、そこから数字が大きくなるごとに郊外になっていく。

はっきり言ってシャルル・ド・ゴール空港は立地が悪い。どこのゾーンかは忘れたが、ゾーン1からは遠い。


空港からパリに行くには電車・バス・タクシーなどの手段があるが、電車は治安が悪いという情報があり、且つタクシーは値段が高すぎるので必然的にバスしかなかった。

ただ、このバスに乗るのがかなり難しかった。

まず、どのバスに乗って良いのか分からない。バス乗り場もどこにあるか分からない。やっと見つけてバスに乗ろうとしたら、現金じゃないと払えない。現金を得るために換金所に行こうとしたら、夜は空いていない。ATMで現金を下ろそうとしたらカードが使えない(これは自分のせい)。

でも、そのときフランスの大学に通うベトナム人の学生が助けてくれて、僕のバス代も払ってくれたり、途中まで一緒に着いてきてくれたりした。

なんとか終バスを捕まえて、パリのゾーン1に向かう。


バスを降りて、そこからは地下鉄に乗り換える。
あらゆるところがゴミ箱と化している歩道を歩き、階段を降りる。僕の記憶が正しければ、パリの地下鉄にエスカレーターなど優しいものはない。

駅の構内にある券売機で切符を買う。
切符はまとめて買うことができて、たしか10枚くらいまとめて買えばお得になった。買うときにクレジットカードを使うと思うが、念のために周りに変な人がいないか注意を払っておこう。


改札に切符を通すが、無反応。
だから、ベトナムの子と協力して改札を強引にこじ開けて中に入った。

そんなこんなでパリのゾーン1に到着。


ホステルの近く 人が0で路駐の車が10


次の日からはベタな観光地をベッタベッタに回った。

・ルーヴル美術館
・エッフェル塔
・エトワール凱旋門
・ヴェルサイユ宮殿
・オルセー美術館
・コンコルド広場
・ノートルダム大聖堂
・オランジュリー美術館
・モンマルトル
・サント・シャペル教会
・シャンゼリゼ通り

パリはこういうところに行っておけば間違いない。

ルーブル美術館


サント・シャペル教会


エッフェル塔




パリの街並みも見たいし、交通費も浮かせたいしということで2日間歩きまくった。

これは後から気づいたことだが、iPhoneにフィットネスというアプリが入っていて、自分の歩いた距離が記録されていた。


17キロ
そして17キロ


2日目が1日目の歩数より少ないのに歩行距離は長いという現象はさておき、自分が2日間で35キロも歩いていたことが衝撃だった。

10キロは歩いたかなという感覚だったから。



想像以上に人を歩かせるのも、パリ。



夕飯と移動を同時に片付けるために、食べながら歩く奇モ策
これは1人旅じゃないと嫌われる







オランジュエリー美術館は、モネの睡蓮で有名な美術館。

韓国人のヴァイオリニストが撮影


「あ、あなたにルーヴル美術館で会いました!(英語)」

と、韓国人女性にオランジュリー美術館で急に声をかけられた。
正直、ルーヴル美術館で彼女に会ったことは1ミリも覚えてないのだが、それからなんとか会話が成立し一緒に作品を見ることになった。


お互い絶望的な英語で、日本語と韓国語で翻訳しながら話していると彼女は韓国のヴァイオリニストであることがわかった。

人生でヴァイオリニストと話すのは初めてだったし、自分のインスタのフォロワーにヴァイオリニストが追加されたのは違和感だった。

それでも異質な友達ができたと思ってちょっと嬉しかった。
パリにはこんな出会いも用意されてあるのかと。


彼女曰く、本当は彼氏と日本に旅行に行く予定だったらしいが、彼氏と別れて予定が無くなったから、両親のパリ旅行に着いてきたと。

パリでは特に決まった予定はないらしく、だから一緒にエッフェル塔を見に行くことになった。


約束の時。時間になっても彼女は来なかった。

迷子になったのか、それとも何かあったのか。不安だったのでとりあえずDMをしたら「I don't go」と送られてきた。

本当に何を考えているのか分からないヴァイオリニスト。

ジャパニーズボーイを誘うだけ誘っておいて、自分は来ない。
これが彼女の奏でたい音楽なのか。新しいK-popなのか。


なんやねんとは思ったが、そんなことは一瞬でどうでも良くなるくらい、エッフェル塔は綺麗だった。


エッフェル塔


また別の日。

ヴェルサイユ宮殿に行きたかったのだが、電車の乗り換えで道に迷った。

すると同じように迷っている夫婦がいた。
彼らが持っている地図を見ると、そこには日本語が。

声をかけると、やっぱり君も迷っていたよねという感じで話してくれた。
バレてた。


そのご夫婦は、蚤の市に行くらしい。
僕はヴェルサイユ宮殿に行くつもりで、今回のフランス旅行で蚤の市は全くマークしていなかったが「着いていっても良いですか!」と尋ねて、一緒に行くことになった。

またお会いできると良いですね

そのご夫婦はサウジアラビアに住んでいるらしい。

50歳になったときにサウジアラビアで働くことを決めたとか。
また奥さんは帰国子女で幼少期はオーストラリアに住んでいたとか。

今はバケーション中で僕と同じようにヨーロッパを周遊していると聞いた。

なんか人生って感じがする。


そして、ありがたいことにお昼ご飯をご馳走してくれた。

旅行中で1番高かったご飯

ご夫婦はパスタしか頼んでないのに、その店で1番良いステーキをご馳走してくれた。お金はあるからと言われ、遠慮なくいただいた。笑


そのご夫婦にも息子さんがいて、彼も大学を卒業するタイミングで1人でヨーロッパを周遊したらしい。奥さん曰く、その旅がきっかけで息子はちょっとたくましくなったような気がすると。

その他にもサウジアラビアでの生活やリタイア後の夢、日本の若者についてもたくさん語ってくれた。

途中でサウジアラビアの政府系金融ファンドPIFの話になったが、ちょうど数日前に記事で偶然にもPIFが日本のゲーム会社の株を買いまくっているのを読んでいたから、なんとかついていけた。

深く知らなくても、浅くでも知っておけば大人と話ができる。
これは大学生活で学んだことの一つ。浅く広く。


夫婦水入らずの楽しい旅行の途中で迷子の大学生に声をかけられ、その子と一緒に蚤の市を周り、高級ステーキまでご馳走してくれるなんて。

僕もこういう人になりたい。


なぜか忘れられない絵



1人でヨーロッパに行ってみて、自分の何が変わったか明確には分からない。

でも、気のせいか以前よりは人に話しかけられるようになった気がする。


あるひとは、一人旅のことを自分探しの旅と言う。
僕は正直「自分探しの旅」と自分で言う人には引け目を感じる。

でも、なんとなく理解できる気もする。

Aという環境では見えなかった自分が、Bという環境では見えるかもしれない。その差が自分の探していたものなら、それは自分探しの旅が出来たと言えるだろう。


ただ僕はあくまで旅行が好きで行っただけ。
でも、フランスに1人で行ったという事実とか成功体験が自分を少しだけ強くする。




フランスは誰かと行ったほうが絶対に楽しい。



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